2023年11月4日土曜日

あの本、読みましたか❓吉本ばなな

まん丸の色づくコキア陽射し受く
曼殊沙華愛か❓正義か❓バンクシー
ヨーヨー・マ音の視覚化秋の夜
音楽を色と形へ紅葉の賀
点は音、線は時間を秋の筆

■あの本、読みました?より
一大旋風を巻き起こした吉本ばなな
当時からの担当編集者が語る「ヒットの裏側」

日常で感じる「何気ない幸せ」
生きることは淋しいでも美しい
私がこの世で一番好きな場所は
台所だと思う
台所が好きという少女と
風変わりな青年の家族との
同居生活を描いた作品
1989年森田芳光監督により映画化

もうたくさんだと思いながら
見上げる月明かりの、
心にしみ入るような美しさを、
私は知っている。
「キッチン」の一文

等身大の幸せ、日常の中の幸せを表現
丁寧に親切に書いていた
バブルの時代だったから余計に響いたのかもしれない

デビュー当時の吉本ばななとは?
石原正康氏(幻冬舎の編集最高責任者)の言葉
1988年の4月か5月にはじめて会った
バイト中も執筆していた
よっぽど書くことが好きだったのだろう
当時このヒットをどう感じていた?
予想以上のヒットに驚き 
アップアップな感じもあったが覚悟もあった
リアルな女性の心情を描き大ヒット

1989年年間ベストセラー
① TUGUMI(つぐみ)
② キッチン
③ 栗良平作品集(2) 栗良平
④ 白河夜船
⑤ うたかた/サンクチュアリ
⑥ 時計の砂(上・下) シドニィ・シェルダン
⑦ 悲しい予感
⑧ ノルウェイの森(上・下) 村上春樹
⑨ ラッフルズホテル 村上龍
⑩ 孔子 井上靖

当時と今の吉本作品で変化は?
骨太になった
経験も積み(不倫と南米 南米を舞台に狂おしい恋と家族の絆を描く)
取材にイグアスの滝を見た時言った言葉は
この大きさを書く日本語がないと言っていた
と言いつつ書き上げた

ジャングルを這う無数の虫のように、
様々な方向にのび、
踊るように地面を這い、
やがて、それらのすべての滝が、
あるひとつの巨大な裂け目に
注ぎ込まれていく。
「不倫と南米」の一文

吉本作品で今も変わらないところは?
吉本ばななの執筆業

異世界と通じているという
吹上町を舞台に
双子のミミとこだちの物語を
描いたホラー作品
吹上奇譚(ふきあげきたん) 第一話 ミミとこだち 
2017年10月 初版発売

生と死の世界が近い関係
キャラクターにも類似点も感じている

TUGUMI
少女から大人へ
西伊豆を舞台に
病弱で、口の悪い生意気な美少女、
ツグミを中心とした
少女たちの出会いと別れを描く。
輝かしい季節を描く切なく透明な物語
1990年牧瀬里穂主演で映画化

「吹上奇譚」に出てくる霊媒師の美鈴=「TUGUMI」のつぐみと
「吹上奇譚」に出てくる墓守くん=「キッチン」の田辺雄一
が、通じていると分析。
書きたい人物は共通している
吉本ばななの好きな人物像だと思う

「吹上奇譚」では美鈴の出産が描かれている
これは本人の経験が作品にもたらして影響?
子育ての経験でも作品の幅を広げたのでは?

石原正康氏がおススメする吉本作品は?
「吹上奇譚」四作品を読んで欲しい
デビュー作「キッチン」も魅力があります
「悲しい予感」がお薦めです

次週はいよいよ、吉本ばなな女史の登場です。
今回の鈴木保奈美女史の深い読みにはぞくっとしました。
鈴木保奈美女史とのトークが楽しみでなりません。

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