星月夜ダイナミズムと向き合わん
おけら鳴くひたすら利潤追い求め
秋懐や未踏の世界夢見つつ
秋の声時代切り裂き前へ前
秋の夢時代捕まえ追い越さん
■NHK俳句 兼題「流れ星」
選者 夏井いつき レギュラー 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣
年間テーマ 凡人からの脱出
ボン
あおぐ空流れ星見て願い事 松村達雄
流れ星お願い事がしたくなる 高橋弘一
流れ星消えぬまにまに願ひごと 松本直樹
流れ星消えないうちに又いのる 伊藤博子
流れ星未だ消えないで願い事 今津茂
流星の堕ちゆく前に願い事 嶋田貴夫
流れ星願ひ言うまで待ってくれ 岸下庄二
流星や願う暇(いとま)の無かりけり 北村聡
「流れ星」「願い事」「消えないうち」
音数的にほぼ同じ句になる
半ボン
流れ星願いの数を煌めけり 森尻恵美子
流れ星消えて願ひは尾を引きて 堀美和子
流れ星願いを集めて消ゆる宙(そら) 三宅雄一郎
脱ボン
流れ星なんて散文的な願い 正念亭若知古
「散文的」意味は「普通の文章」と思ってください
俳句は「韻文」
「詩のないもの」が人々の願い
こういう気付きにオリジナリティーとリアリティーがある
願いの例
流れ星日々安寧と願かけて 栗原晋二
星流るとっさに家内安全と 野中昭久
言えるかな?「家内安全」流れ星 宮崎和美
流れ星今宵一句に願掛ける 右田捷昭
脱ボンの願ひ叶うか流れ星 西田泰己
俳句での「散文的」は
「詩がない」と考えていただければと思います
ボンの句には「散文的」という特徴もある
願いごと思いうかばず流れ星 國吉眞惇
願いごと(が)思いうかばず(に)流れ星(が消えていきました)
流れ星願い事すぐ出てこずに 十亀剛一
流れ星(を見つけたのに)願い事(が)すぐ出てこずに(残念に思いました)
流れ星すつからかんの野心かな 加藤草児
流れ星(だよ。)(願いごとが一つ思い浮かばないってことは)すつからかんの野心かな(なのだなあ)
切れがある⇧「切れ」があることが韻文である俳句の特徴
「流れ星」の季語が出た瞬間に「願い事」「夜空の光景」全部思い浮かぶ
最後の「かな」という詠嘆は俳句独特の「韻文」になる
俳句の「調べ」も持っている 心にスーっと入ってくる
メロディーとリズムを持っている
▪夏井家伝来!家藤正人&中西アルノ
0から俳句
「歴史的仮名遣い」について学んでみたいと思う
「歴史的仮名遣い」の使い方を学ぶかというと
芭蕉とかの時代から考えると30年ぐらい前から
「歴史的仮名遣い」の俳句が残っている
それ等を読むためには知識として入れていないと読めない
だからこそ学んでおこう
名句を読んでみよう
妻がゐて夜長を言へりさう思ふ 森澄雄
歴史的仮名遣いの代表例
え⇨え・へ・ゑ
い⇨い・ひ・ゐ
お⇨お・ほ・を
う⇨う・ふ
0からPOINT
歴史的仮名遣いにするか 現代仮名遣いにするか選択できる
「現代仮名遣い」と「歴史的仮名遣い」のどちらかを選択し
作品は一貫してその仮名遣いを使うことが大事
「現代仮名遣い」にした時に
自分のちょっとした心の屈折みたいなものを表しきれない
作者の視点として選ぶことができる
▪特選六句発表 兼題「流れ星」
熊鈴だラヂオだ流れ星きれい 看做(みな)しみず
流星や壁画の民の無表情 卓鐘
もう父のカラダガラクタ流れ星 英ルナ
流れ星山のどこかに子猿の死 蒼空蒼子(あおぞらあおこ)
流星の余白よ故郷は練馬 みづちみわ
フェリーの湯に小さきさざなみ流れ星 越智空子
▪柴田の歩み
「切れ」使っていこうと思ふ
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