2023年10月13日金曜日

金秋戦2023 兼題「月」

碇星悔いなく生きん生ききらん
無から有、有とは無から秋の月
秋の潮無限大と永遠と
空澄むや意識の目覚め予測済み
水澄むや主観客観意識かな

■プレバト纏め 2023年10月12日
金秋戦2023 兼題「月」

1位 森迫永依
朝月のアザーン砂漠の空港へ
(「アザーン」とはイスラム教における礼拝時間の呼びかけ
 モロッコでの海外の光景を詠んだ「海外詠」
 実体験らしい詠み口 光景として齟齬は全くない)

2位 藤本敏史
月白のワーディー渡るヌーの群
(季語「月白」は月が出る前のやや明るい空のこと)

3位 森口瑤子
こりりとすっぱそうな三日月のかど
(上滑りしなかったのは「かど」に焦点を絞ったから)

4位 村上健志
良夜かな香典返しの茶漬け食ふ
(「香典返しなる茶漬け」とすると
茶漬けを見ているように誤読されるので「食ふ」は必要)

5位 春風亭昇吉
名月は東に父島観測所
添削(父島気象観測所の固有名詞が効いている
   まん丸な月が出てくる方に軸足がある
   「名月」は愛でる心「満月」は月の映像 それぞれに意味がある)
月は東に父島観測所

6位 横尾渉
良夜のノーヒッター肘の手術痕
(「ノーヒッター」は相手チームに一本もヒットを打たれなかった試合のこと
 情報の詰め込み過ぎ
 季語「良夜」が脇役になっている)

7位 千原ジュニア
あんな家二度と帰るか睨む月
添削(前半が強い、後半「月に吼ゆ」とすることで
   睨むという行為がストレートに表現できる)
あんな家二度と帰るか月皓皓(こうこう)
あんな家二度と帰るか月明し
あんな家二度と帰るか月睨む
あんな家二度と帰るか月に吼ゆ

8位 梅沢富美男
桂月やキャラメルの香の満ち満ちて
添削(「桂月」とは「月」の別名と陰暦8月の別名でもある
   中七下五で桂月の説明をしている)
キャラメルの香桂月の甘からん

9位 犬山紙子
別れるはずだったのに月が綺麗
添削(夏目漱石が"I love you "を「月が綺麗ですね」と訳した逸話
   後半の月が綺麗=I love you は隠してある言葉ある
   「のに」が説明になっている 
   「だった」を繰り返すべきだった)
別れるはずだった月が綺麗だった

10位 皆藤愛子
細月を探す三箇所残り蚊に
添削(季重なりが活きていない 「細月」「残り蚊」主役季語が不明)
さがす間を残り蚊に刺されけり

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