2023年10月14日土曜日

棟方志功 板の生命を活かす

大あくび意識遠のく秋日和
人生は退屈しのぎ降り月
鳶の声遥かかなたへ秋の空
自信から確信へ色変えぬ松
伸びやかに糸杉と星秋の夜

■日曜美術館 棟方志功 板の生命を活かす
自分は板の持っている生命
木の持っている生命と合体して
自分の思いを十分に発揮し
作るより頂く方が多いので
「板画」という字を使う

女の方を真っ裸にしたものこそ
ぼくの世界だと思うんですよ
それを本当に突き詰めると
そこに信心が出てくる 宗教が出てきます
初めから拝むだけで宗教じゃない
お経の文字だけが宗教じゃない
あるものを真っ裸にしてしまって
それをどう食い入っていくかが
信心が出てくるし 宗教が出てくるんです

眼病の棟方志功
眼を剥きて
猛然と彫(え)るよ森羅万象   谷崎潤一郎

谷崎先生が僕の仕事ぶりを
森羅万象をえぐるように
棟方の板画を生み出すと
歌にしているが
猛然と彫れよっていうんですね
それを谷崎先生が私に与えてくれた
本当に外から見て
そう思えるかもしれません
私は自分自体では勢い込んではいないのですが
ひとりでに体が上がってくるっていうか
湧いてくるっていうか あふれてくるというか
そういうようにひとりでになってきますね   棟方志功

私の右目は板画の刃物を持つと見えてきます
米粒のような字でも線でも点でも刀を持つと彫れます
神さまがそのように育ててくれているので有難い極みです
「わだばゴッホになる」より

驚イテモ、オドロキ限(キ)レナイ、
歓コンデモ、ヨロコビ限(キ)レナイ、
哭(カナ)シンデモ、カナシミ限(キ)レナイ。
ソレガ板画デス。
ソウイウ無限際ノモノニ、
亦、遊バセテ貰ッテヰル、
ワタクシハ、倖セモノデス。   棟方志功

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