しまふくろう背中骨折道路脇
寒晴れやリハビリ終えたオオジロワシ
不審な死人の営み冬景色
厳寒や餌付けによる感染症
冬の原蜜が生み出すリスクかな
■NHK俳句 兼題「海鼠(なまこ)」
選者:高野ムツオ ゲスト:関取花、サンキュータツオ、
岩田由美、大谷弘至 司会:柴田英嗣
年間テーマ「語ろう!俳句」
生きながら一つに氷(こお)る海鼠かな 松尾芭蕉
①
水飲んで腹の冷たき海鼠かな 大谷弘至
松尾芭蕉「さまざまの事おもひ出す桜かな」
岸本尚毅「手をつけて海のつめたき桜かな」
俳句的テクニック
②
あの袋おそらく海鼠また動く 高野ムツオ
③
水中はあたたかといふ海鼠取 岩田由美
④
ありのまま愛してくれと海鼠噛む 関取花
⑤
食卓の海鼠はじっと聞いてゐる サンキュータツオ
ゐると読んだら「じっと」は「じつと」と 旧仮名遣いにすべき
・特選三席発表 兼題「海鼠」
一席 海鼠にも前と後ろと裏表 木村裕子
ナマコの生きている姿形 これもちゃんとした生き物なんだよ
人間と一緒なんだよということを訴えようとしている
ナマコ独特のおかしみがあってちょっとした悲しみもある
そういうところも表現できている
動詞を全然使っていない 名詞だけで表現している
すっきりと単純明快でありながら深い内容を讃えている俳句
二席 手に持てば垂れて海鼠の端と端 眩む凡
三席 わたしからでききたやうな海鼠かな すまいるそら
特選
海鼠食む年甲斐もなく恋をして 冬野とも
海鼠食む貴方(あなた)は嫌い好きだけど 加藤みどり
俺たちは何ものなるぞ海鼠食ふ 長嶋佐渡
稚海鼠や花の色して放たるる 古関聰
衰へて酔ふも楽しや海鼠噛む 駒野目信之
海鼠コリコリ恋愛はもう懲り懲り ふくじん
獲ってくる 買ってくる 砂漠 食卓に置く 食べる
ナマコひとつ取っても時系列で色々読み方があると気づけた
季語の攻略法にもいろんなものがあるんだと学べてよかった タツオ
■NHK短歌 テーマ「言えなかったこと」
選者:木下龍也 ゲスト:ハナレグミ(永積崇) 司会:尾崎世界観
年間テーマ「“伝える”短歌 “伝わる”短歌」
言えたことは心の中から外に出して終わり
言えなかったことはずっと胸の中にあって渦巻いていたり
発酵して別のものになっていたりする
それを短歌の定型に入れたときに詩として輝くのではないか
・入選九首 テーマ「言えなかったこと」
好きなのにふたり遠回りばかりして短い秋が終わってしまう
里見脩一(もたついてる 音楽でもわざとためたりしますよね)
火に呑まれる家を見ていた(満面の笑みはマスクが隠してくれた)
芍薬
死んでくれてほっとしたよと兄が言う日当たりの良き部屋を掃きつつ
水須ゆき子
寄せ書きに小さく小さく字を詰める声では渡せなかった言葉
井上智景(ちあき)
一席 大丈夫うるさい別に何でもないこれは菜月語まだそばにいて
倉田菜月(自分の名前を歌った勇気を買った 木下)
二席 もう家はない、と言えずに手の甲をさする施設の白いベッドに
小鷹佳
「あのわたし、並んでいます」と言いそびれ肛門ぐぅと引き締めあげる
水川怜(「ぐぅ」で苦しみがリアルに伝わってくる
身体感覚のリアルさを持っている 木下)
三席 大切にしていたペンが見つかった大切だった友の引き出し
はらあき
消火器の粉は白でなくピンク色していると気づく放火魔の姪
田島史都(ふみと)
・木下流 短歌の育て方
食堂が3000階にあったなら言えたかI’m your big fan
⇩(木下龍也氏が尊敬している歌人は吉川宏志氏)
ベンの後頭部を熱く記憶したあの日の苗場で唯一の人
⇩
胸の閉ボタンを押した神さまが去るまでは火をこぼさなかった
音楽と短歌のつながりを感じますか? 尾崎
頭でリズムを感じながら言葉を紡いでいくことがある
グルーブのようなものから発動していくのか?
「伝えたい」「切り取りたい」言葉から纏めていくのか 永積
グルーブで作る方もいらっしゃると思いますが 僕は1枚の写真や頭にある
2,3秒も映像からそれをどう読んだ人にそのまま伝えるかを考えている
言葉はそのための手段 リズムの良さや発音を揃える工夫は後で付け足す
木下
短歌の場合は自分の声で物語を読み解く 自分の内側で爆発する感じがある
そのきき方がゾクっとする 永積
(短歌は)31音なので受け取った方の読み解きや感受性に頼るところがある
・ことばのバトン
溶けきった黒がつま先まで来てる
reina(Iyrical school)
⇩
あなたが見たのと同じ月を見る
細川はな(子規庵宇宙の会)
子規さんは悔しさとか もっと生きたいという気持ちを
作品に込めて昇華させていった 私にはまぶしい存在
くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる
正岡子規
はなさんにとっては忘れられない歌
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