コラボ実現の夏若冲と応挙
熱き日をドクターヘリが忙しなく
期待せり乾田直播(かんでんちょくは)夏旺(さか)ん
夏深む吾の人生を生ききらん
暑き日よ愛する人のために生く
■NHK俳句 兼題「残暑」
選者:堀田季何 レギュラー:庄司浩平 司会:柴田英嗣
年間のテーマは「俳句のコリをほぐします」
今週のテーマ「表記」
漢字 ①神護景雲元年写経生昼寝 小澤實
昼寝:夏の季語 お経っぽい 漢字で書くと格調高い
硬めに見える 文字数圧縮できる 多くの情報が盛り込める
ひらがな ②をりとりてはらりとおもきすすきかな 飯田蛇笏
折り取りてはらりと重き芒かな 軽やかさがなくなる
やわらかい優しい軽い 読むスピードがゆっくりになり
句の雰囲気もゆったりに
カタカナ ③ケフチクタウケッシテ死ナナイデクダサイ 小澤實
夾竹桃決して死なないでください 夾竹桃:夏の季語 タフな植物
独特な声で響き少し不気味な印象 非日常的な世界観を連想
仮名混じり ④若楓を透くる日生キテヰテヨカッタ
視覚情報を漢字とひらがなで表記 心の声をカタカナ中心に表記
ツボボイント 句の内容に最適な表記を選ぶ
・句の内容に最適な表記を考えよう
Aふはふはの梟(ふくろう)の子の吹かれをり
ふはふはのふくろふの子のふかれをり 小澤實
B蟻地獄雨一滴の響きけり
蟻地獄雨一滴のひびきけり 小澤實
蟻地獄:夏の季語
C百年後全員消えてゐて涼し
百年後全員消エテヰテ涼シ 小澤實
まとめ 句の中身を外見で魅せる
・今週の兼題「残暑」残る暑さ 秋暑し 秋暑とも言われる
特選六句発表 兼題「残暑」
秋暑し確定死刑囚の黙(もだ) 伊藤映雪(えいせつ)
街なかに「考える人」秋暑し 桂山典子
群衆を分かつ残暑のストレッチャー 葉村直
振り切ってゆけよ残暑の滑走路 曇(くもり)ゆら
残暑てふ和平合意に近きもの 砂山恵子
引退の君や残暑に伸ばす髪 堀雄貴(ほりゆたか)
・柴田・庄司の歩み
柴田「表記で加点」
庄司「ミタメガカワルダケデダイヘンシンダ」
■NHK短歌 テーマ「夏」
選者:横山未来子 レギュラー:菊池銀河 横田真子 司会:ヒコロヒー
年間テーマは「三十一音で扉が開く」
今回のテーマは「文語に触れてみる」
心頭滅却すれば火もまた涼し
無念無想の境地に至れば火さえ涼しく感じるという意味
文語は古典の言葉で平安時代の言葉が基本になっている
三十一音の扉 文語を味わおう
ガレージへトラックひとつ入らむとす少しためらひ入りて行きたり
斎藤茂吉「暁紅」文語から口語へ⇩
ガレージへトラックひとつ入ろうとする少しためらって入って行った
「む」は意志や推量を表す 「入らむとす」といううリズムから感じられる
あの夏と呼ぶべき夏が皆にあり喉動かして氷みづ飲む
小島ゆかり「純白光」 ⇧旧仮名遣い
言葉を調整し短い言葉で言うことができる
旧仮名遣いは古典や古文に使われている ひらがなの表記の方法
目で見て味わう機会が多いのでかなづかいが印象を変える
見開きのページをふたり見るごとき近さにありてこゑを聴きをり
横山未来子「午後の蝶」
旧かなで歌を作っていると普段の自分とはちょっと違う自分になれる
恋の歌や素直な気持ちを詠った歌など表現しやすい
・入選六首 テーマ「夏」
一席 ベランダに真白きシャツの増えゆきて七月は帆船のように来る
多田ゆか理
白い歯が生えて入道雲が立ち三人家族に初めての夏
忽滑谷三枝子
老犬の寝息静かに時刻み海を見せたい来年もまた
川口知子
梅ジュース琥珀の色にゆらめいてあと何回祖母に会えるだろう
辻佐和子
百会から湯気の出そうな八月のコンビニにもう肉まんが居る
芍薬
自販機でぼくが迷っているうちにきみが勝手に押すレモンティー
月夜の雨
・歌人への道
風に乗り入道雲を平泳ぎ熱き終幕夏の夜の夢
菊池銀河
ポイント1
体言止めを少なくしてリズムを良くする
添削
風に乗り入道雲を平泳ぎ熱さに覚むる夏の夜の夢
ポイント2
複雑にならないように要素を引き算する
ふかふかの布団に顔を埋めると母が言ってた陽射しの香り
横田真子 口語から文語に
ふかふかの布団に顔を埋むれば母の言ひゐし陽射しの香り
ポイント3
韻を踏むことで歌がリズミカルに
言ひゐしは回想するような気持ちが入っている文語
・ことばのバトン
逢えなくなった君に届けぬ
柳重雄(弁護士)
⇩
通りゃんせ呼べばうしろの百鬼夜行
相田一成(妖怪イベント企画)
妖怪の魅力は執着心
黄泉と今の世界の通り道
(通りゃんせの歌は)川越の三芳野神社が発祥と
言われているところもありまして今日も妖怪で溢れています
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