茹でこぼし栄養なくした冬瓜(とうぐわ)よ
しけ寒やリンカリウムを減らせとは
どれくらい生きられますか?月更(ふ)くる
願わくば秋草のごと生きてくれ
吾を遺し逝くこと勿れ星月夜
■NHK俳句 兼題「友」
選者:高野ムツオ ゲスト:三村純也 大西朋
ゲスト:サンキュータツオ なな 司会 柴田英嗣
年間テーマ「語ろう!俳句」
(友は)季語でない
普通は形があるものを題にするが友は抽象的でイメージがたくさん湧く
俳句は写真と言われるが抽象的な物とは相性が悪い?
①
蜻蛉(とんぼう)や友だちの家知らぬまま 大西朋
②
冷蔵庫勝手に開けた友の腕 サンキュウタツオ
「開けた」ではなく「開ける」という方が今瞬間開けた感じが見えてくる
③
友は虫偏(むしへん)にかぎるや月上(のぼ)る 高野ムツオ
④
夭折(ようせつ)の友の自画像巴里(ぱりー)祭 三村純也
⑤
友だちと言えたひと日に若葉風 なな
「ひと日に」ではなく一気に「ひと日や」で切った方が良かった
・特選三席発表 兼題「友」
一席 体ごと手を振る友や大夕焼 まるにの子
二席 羽田発当機全員月の友 賀山亜紀子
三席 亡き友の着信履歴虫の声 安達繁樹
・特選六句
蜜豆を奢らせて聞く友の恋 高橋淳子
嚏(くさめ)して旧友の名を思ひ出す 池之端モルト
同郷といふだけで友新酒汲む 原田香伯
友来る自転車籠に梅二キロ 西嶋佳子
友等みな少女に戻る旅浴衣 佐藤久美子
新しき友も古希なり温め酒 米森光善
参照:https://www.nhk.jp/p/ts/6Q6J1ZGX37/blog/bl/pLvva3ZRZL/bp/pKPpANl1bK/
■NHK短歌 テーマ「ついてしまった嘘」
選者:木下龍也 ゲスト:マキタスポーツ 司会:尾崎世界観
テーマ:「“伝える”短歌 “伝わる”短歌“」
ついてしまったと付けることで公開・反省
(自分の中に)残っている嘘だからこそ詳細に短歌に落とし込める
・入選九首 テーマ「ついてしまった嘘」
一席 ペプラムを風に揺らして従順な娘を演じてきたかも私
石田ちづる
(ペプラム ジャケットやブラウスにみられる
ウエストから裾への部分がふわっと広がったデザイン)
ぐえと言い倒れて死んだふりをするわたしを猫が踏みつけていく
さとうきいろ
夢みたいに100社以上は落ちました海苔みたいな髪の毛にしたのに
殿内佳丸
おかあさんが八割描いた俺の絵が表彰されてほとばしる汗
北原直人
三席 すききらいは無いと言うとき無いことになるたくさんのすきな食べもの
宮尾大地
興味あるふりして深く頷けば霊にわずかにねじられる首
友常甘酢
二席 高校の同窓会の名簿にて「ローマ在住詩人」誕生
古橋辰矢
ぼくたちは朝日に透ける影落とすプラスチックのコップの並び
樋口淳一郎
はげましの数だけ嘘をついていて紫陽花揺るる病室出れば
上田みちえ
・“伝える”短歌 “伝わる”短歌
まるで火があるかのように見せかけてドライアイスの煙にむせる
(芸人とミュージシャンになりたいというのが本心
そのとき火が胸の中にあったがそれを見せるのがためらわれた
エッセイストになるという気持ちが燃えているかのように親に見せた
見てるほうは気づかなくても煙を出しているほうはむせてしまう
おかしみを歌にした これは表面の歌)
マキタさんの当時の内面を踏み込んで作った歌がこちら⇩
ああ跡を濁さなければ飛べなくてスニーカーにはふるさとの砂
(両親に対して夢を濁さないと飛べなかった「立つ鳥跡を濁さず」
鳥ではないからその場を濁して進みたいほうへ進んだが
そのとき履いていたものには当時の砂がある
もう少しエピソードにフォーカスしたい)
胸ぐらも掴ませず背中も押させずぼんやりと振らせた手と手
(そのときは喧嘩にもならなかった 応援された感じでもない
「エッセイストってなんだ?」と考えているうちに旅立つ
言葉にしづらい感情がマキタさんの中にも今でも残っていると思った
本当は衝突必至でそれを先回りして避けている
浅はかな自分を悔やんでいる もっと深層にあるものを引き出している
リズムがギクシャクしているのでこれを完成にするか迷った
この引っ掛かりがこのエピソードっぽいなと思った
これを残して完成にした)
歌まね 俳優 自分ではない何かになりきることが多いと思うが
何かになりきるとき 確固としたマキタさんがあってその上に乗せる感じなのか
自分を空にして取り込んでそれになるのか 木下
あまり離れた役というものがない 空にする必要もないというイメージがまずある
人間全てものまね芸人説 生れついて親や周りの影響されるものを
まねることによってできていく 学んでいきながらアウトプットしていくと
その中に澱(おり)みたいなものが残っている それがオリジナリティー
うなぎのたれ マキタ
木下さんの影響を受けることはどれくらいある? 尾崎
たくさんの歌集を読んでいろんな技法や文体を少しずつつまみ食いする
それが歌人としての自分になっている 全部覚えていないが
勘みたいなものが残る
・ことばのバトン
家の前においで当てる母の味
藤咲れい(さいたま市立大原中学校 中学3年)
⇩
まあるいコロッケ今日は満月
題「音」
塩ふって枝豆もめば指の腹ざらりと夏の音たちのぼる
樋口舞
判者(坂本信幸)賞 受賞
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