夏の夜や黒輝けリ沓(くつ)茶碗
夏の客飲み口何処沓茶碗
夏手前かぶきものなり黒織部
夏の風言い放たれしひょうげもの
夏の空あくなき形探(さぐ)る日々
■あの本、読みました?
本屋大賞2位!元球児・早見和真の野球小説&大物選手秘話
早見和真 高橋由伸 鈴木保奈美 林祐輔P 山本倖千恵(さちえ)
平野千恵子(紀伊国屋書店アリオ亀有店)
元高校球児の作家 早見和真の知られざる魅力
初稿は恨みつらみが全部込められてて 早見
この人がプロ野球選手になるなら自分はなれない 早見
小沢健二さんをかっこいいものとして捉えてた 早見
素直にかっこいいことを表明できたのが僕らの世代 早見
神奈川の名門 桐蔭学園高校 野球部 二学年先輩が高橋由伸氏
メッセージが届いていました
当時から高橋選手はスーパースターだった
夢を打ち砕かれた怪物・高橋由伸との出会い
野球を諦めた杭を未だに持っている
由伸さんとの出会いがなければ、今の自分はない
「アルプス席の母」の一文 早見和真著/小学館
「早うおかんの豚汁が食べたいわ」「お母さんのね」
「ああ、そやな。お母さんの豚汁」
「あと、もう数週間でしょう。そのあとはイヤっていうほど
食べられるんだから。いまは目いっぱいがんばりなさい」
「そやな。なぁ、お母さん」「うん?」「甲子園やで」「うん。そうだね」
「これまで本当にありがとう」「私の方がありがとうだよ」「何がだよ?」
私を甲子園のアルプス席に連れていってくれてー。
そんなことを言ったらまた 「テレビの見過ぎ」と笑われるのがわかって、
菜々子は言葉を押し殺した。「想像もしてなかった経験を私に
たくさんさせてくれて」それはそれでどうかとも思ったけれど、
航太郎はもう笑わないでくれた。「まだまだ。これからが本番や」
「そうだね」「俺たち、本当に甲子園に行けるんだよな」
航太郎の声がはじめてかすれた。不意に出てきた「俺たち」は、もちろん
チームメイトのことを指しているのだろう。でも、ひょっとすると…。
二人でここまでやってきた母と子のことを指しているのかもしれない。
気になるくせに、それを尋ねることができなかった。
いまだ臆病な自分に呆れながら、
菜々子はもう一度「ありがとう」と繰り返した。
「ひゃくはち」の一文 早見和真著/集英社文庫
「前略 先週グラウンドに練習を見に行った時、君の表情が暗いのが
とても気になりました。今はまだ練習についていくのも、新しい環境に
慣れるのも、大変な時期だと思います。野球がへたくそなのは
仕方のない事。それはこれから人一倍練習して、少しずつ差を埋めて
いけばいいだけです。それよりも僕は君の元気のなさが気に掛かります。
あの長嶋茂雄はどんなに調子が悪くても、決して長嶋茂雄を演じるのを
やめなかったと言います。長嶋茂雄という人間を演じ続けることによって、
ファンの期待や信頼に、彼は応えようとしたのです。だから、
君もどんなにつらくても、青野雅人を演じ続けてください。
誰よりも大きな声で、君らしさをアピールしてください。
そうすれば監督の目に留まるだけでなく、君自身の現状も
打破してくれることでしょう。
それができる人間だと、少なくとも僕は君に期待しています。
(中略)
やるだけやってそれでも駄目なら、その時は胸を張って
帰ってくればいいんだから。お母さんも香奈も、みんな喜んで
君を迎え入れます。家族は君の見方です。
今はまだ逃げる時期じゃない。がんばれ。
「問題。以下の文章を読んで、家族の幸せな形を答えなさい」の一文
早見和真著/朝日新聞出版
「いいね?中学受験なんかじゃ何も決まらないよ。難関校に行ったおかげで
幸せな人生を切り拓ける人もいるだろうけど、行きたい学校に
行けなかったから豊かな人生を送れる人だっている。
たぶん同じくらいの数がいる」「うーん」「どっちにしても、
いま十和ちゃんが自分のすべてだと思っていることは、意外と
全てじゃないから。たとえば将来君が何かで大成功して、
自伝を書くとする。そこで綴られる中学受験の事なんて、
一行か、二行くらいのものだよ」「そうなの?」
(中略)
「その人生のたった一、二行のために、いま十和ちゃんは
がんばっているんだ」上手いことを言って少し気持ちが
大きくなっているらしい。「筆圧の強い一、二行にするために
君はいまがんばっているんだよ」
最後にわざわざ言い直して、父は誇らしげに鼻先に触れた。
執筆のキッカケは娘と共に挑んだ中学受験
深い闇と一点の光 描いてガリガリに痩せた ご本人曰く代表作
「八月の母」早見和真著/角川文庫
憧れの先輩高橋由伸への思い
「キュウゴー95」早見和真著/角川文庫
「95」と「ひゃくはち」の関係
日比谷音楽祭2025 公開収録トークショー
小説「95」と音楽
オザケンTHE BLUE HEARTSの名曲が登場「95」
激動の1995年 多感な青春時代
「キュウゴー95」の一文 早見和真著/角川文庫
その日、星学は終業式だった。朝、いつものように京王バスに乗り込んだ僕は、
買い換えたばかりのウォークマンで自作した“小沢健二ベスト”を聴いていた。
「10年前の僕らは胸をいためて“いとしのエリー”なんて聴いてたー」
何て口ずさみながら、渋滞する山手通りを見るともなく眺めていた。
LIFEより♪愛し愛されて生きるのさ/小沢健二
10年前の僕らは胸をいためて“いとしのエリー”なんて聴いてた
ふぞろいな心はまだいまでも 僕らをやるせなく悩ませるのさ
まぶしげにきっと彼女はまつげをふせて
「キュウゴー95」の一文 早見和真著/角川文庫
「本当よ。一緒にバカなことしてちゃダメだからね」
その声をボンヤリと聞き流しながら、僕は自分の手のひらを見つめた。
線の細いシワが何本も刻まれた、どこにでもありそうな手相。
「未来は僕等の手の中」と歌ったのは誰だったろうか?
Alive!Hiroshima1987 5-6 Aug.より
♪未来は僕らの手の中/THE BLUE HEARTS
未来は僕らの手の中 月が空にはりついてら
銀紙の星が揺れてら 誰もがポケットの中に
孤独を隠し持っている あまりにも突然に昨日は砕けていく
早見和真氏の初めて買ったアルバムは
♪世界でいちばん暑い夏/プリンセスプリンセス
「95」執筆中に聴いた音楽は?
Back in the day yo as we learned
A man was not considered to be
Super Tarantaより ♪Wonderlust King/Gogol Bordello
早見和真にとって音楽とは…
人生の一瞬を彩ったもの それが音楽
人生を彩るためにあるもの それが音楽
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