2025年7月14日月曜日

兼題「雲」&テーマ「猫」

身心の動きを意識雲の峰

たかみそぎ穢れを払い清めても

夏の月まだ見ぬ景色求めけり

短夜や今更憎悪深めても

迷惑なのよ自主的な再起動(無季句)

 

NHK俳句 兼題「雲」

選者:岸本尚毅 レギュラー:内田紅甘(ぐあま) 司会:柴田英嗣

年間テーマは「描写の工夫」

 

・俳句のタネを育てましょう!

雲ってフワフワしてないなー   柴田英嗣

 

富士登山:夏の季語

口語:手に触れた 文語:手に触れし

 

添削

富士登山雲ってフワフワしてないなー

手に触れし雲は靄(もや)なり富士登山

 

雲の描写のポイント

雲を触覚など五感で具体的に表現する

文語を使うことで俳句らしい仕上がりに

 

・名句に学ぶ 雲の描写

鮒ずしや彦根が城(じょう)に雲かゝる   与謝蕪村

 

雲がかかっている状態 雲が移ってきた変化 

読む人が自由に想像できる

 

・今週の特選句 兼題「雲」

身近である 変化がいろいろある いつでも見られる 

電線に人の営み雲の峰   竹本ハム太郎

端居(はしい)して雲に乗るならあの雲に   一澤千鶴子

(端居:夏の季語 縁側などの端に居て涼むこと)

芝棟(しばむね)のあやめに雲の疾(はや)さかな   花瀬玲

(芝棟:茅葺き屋根の棟に芝や植物を植え補強する工法)

あの雲の下は夕立君の駅   米重(よねしげ)初枝

雷雲の恵那山(えな)にかかるや裏は木曽   井川恵幸(よしゆき)

(三日月の沈む弥彦の裏は海   高野素十)

立ち漕ぎのかばん跳ねたり雲の峰   合田治子

 

特選三席の発表

一席 雲掴(つか)み日にかぶせたき炎暑かな   紅紫(こうし)あやめ

二席 入道雲扉のような窪(くぼ)みあり   海沢ひかり

三席 夏雲や母の暮らしを人づてに   翠簾屋(みすや)信子

 

・「見どことあり!」の一句

青嵐や雲吹きすさびきつね雨   中島平太

南風:夏の季語⇩推敲

きつね雨南風雲吹きすさび

 

・はみだせ教室俳句 愛媛県久万高原町立明神小学校

稲垣文 校長先生

ポイント

俳句のタネをつぶやきと言いかえることで取り掛かりやすくする

 

つぶやき

スタートでみんな走る ⇩

スタートで次の世界に春の空

つぶやきに耳を傾ける

 

・紅甘のつぶやき

やっぱり雲には乗れる気がする!

 

NHK短歌 テーマ「猫」

選者:荻原裕幸 ゲスト:筒井菜央 司会:ヒコロヒー

年間テーマは「短歌は時代の波に乗って」

今月は“人間以外の家族を詠む”がテーマ

 

フランスパンほほばりながら愛猫と憲法第九条論じあふ

荻原裕幸

 

・入選九首 テーマ「猫」

一席 猫の名と孫の名前をまちがえて呼べばにゃおんと孫は答えぬ

水須(みずす)ゆき子

👑とてもよく猫が泣いている濡れた夜にリピートさせるマツケンサンバ

手塚マキ

次に会う時猫同士でもきっとあの映画続きから見ようね

つきこ

猫により撫でられたき部位異なりてそれは心の場所かもしれず

仲原佳(けい)

三席 私 愛犬が石田ゆり子の家の猫になりたいと吠え世田谷に向かう

殿内佳丸

褒められた猫のことでは謙遜を決してしない猫を飼う人

風花雫

 この島は前世で「猫になりたい」とおっしゃった人であふれています

彼方ひらく

どくだみの細い路地から出てこない猫の国にでも行ったのか猫

野分(のわき)のわ

二席 晴れたにゃあそうやにゃあってうららかな午後の瀬戸内みんな猫になる

大囿(その)利也

 

・荻原流 詠み方指南

「人間以外の家族を詠んでみよう」

自分にとって家族と同じ 家族のような存在ということ

人間の家族とは深く関わりがあるから 

いろいろな事が見えて来るが書きづらい

そのまま自分が素直に出せる

 

いつもそこにゐるので見えなくなってゆく真夏をウンベラータも妻も

荻原裕幸

 

自分が同じ空間で暮している存在に対して

どんなことを感じているかというのが

猫に対してウンベラータに対して自然な形で引っ張り出してくれると思うので

意識して書き換えたりせずに自然な形で自分の感情がそこに出れば

ほかの家族に向ける視線にもそのまま詠める

 

短歌づくりのコツ

同じ空間に暮らす存在への自然な感情を詠むことで創作の幅が広がる

 

筒井さんの短歌 テーマ「猫」

こちら側が夢かもしれず一日の三分の二を眠る猫には

筒井菜央

 

筒井

短歌を書く時と編集する時の違いは?

今は短歌を書くよりも他人の読むほうが楽しい

短歌を選ぶ時に心が動くポイントは短歌の中に一滴でも

真実のエキスみたいなものが入っているかどうか

 

荻原

若い頃は頭の中で作り上げることが多かった

今は日常の中から題材を拾い出すことが多い

日常の題材の方がリサーチしやすいのかな?

 

愛妻家のエキス

 

筒井 短歌を書くこととお笑いに共通する事は?

ヒコロヒー 俵万智さん曰く「日常をなめるな」日常のささいなことを

      すくい上げて表現・創作する 自分で解釈して咀嚼して

また抽出する 行間余白をしゃべり過ぎない な所が似ている

 

・ことばのバトン

まだやれる明け三日月に言ってみる

金親幹彦(鉄道会社 車掌)

よし元気100倍ほいたらね

西村雄正(土佐ことば指導 俳優)

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