2024年2月23日金曜日

知恵泉 伊丹十三 人を魅了するには

下萌や小さきものこそ美しき
仏教経済学鳥雲に入る
亀鳴くや保有所有独占欲
智慧つくし正命(しょうみょう)を生く春まけて
簡素と非暴力持ちて朧月

■先人たちの底力 知恵泉 伊丹十三 人を魅了するには
俳優 妻 宮本信子女史の言葉
新しいヒロイン像を伊丹さんが作った
今もそれは脈々とつながっている

4年の交際を経て結婚
あの人がプロポーズしてきたのに
「君の持っている物すべて捨ててください」って
「いやいいです」って
お蕎麦ゆでても食べてくれない
トイレで泣いてましたよ 最初のころ
12歳違いますから何でも知ってますから
「先生!」って感じで「これをしなさい」って言われたら
「はい」って言うしかない
映画1本でいいから作ってもらいたいと思っていた
でも伊丹さんに聞くと「いや映画なんかそんなとんでもない
そんな興味ないね」って「
1本でいいんだけどなぁ」なんて言うんですけど

伊丹十三氏の言葉
伊丹51歳 結婚から15年余り経って映画を撮ることに…。
「映画監督はある程度大人にならないとできない仕事ですよ。」

知恵その一 大人になってからこそ勝負しろ!
父 伊丹万作への反発心があった
その父を十三 13歳の時に亡くします。
その頃っていうのは息子がいちばん父親に反抗する時期
父親に対して非常に反抗したままの時にいなくなっちゃったから
反抗がずっと続いてきて父親に対して憎しみを持ち続けてきた

父親の影響 名監督 名脚本家のそれはあったと思います
無法松の一生を撮っていた時、すでに不治の病を患っていました。
エッセイ「父と子」
突然私は悟ったのである。
「この映画は父の私に宛てた手紙であったのだ!」
「ああ、私もそろそろ、父が「無法松の一生」を
書いた年齢に差し掛かっている。

父の死から31年 ようやく伊丹十三は映画監督に向き合い始めます。
運命を変えた出来事 妻宮本信子の父の葬式でした。
「映画がまるごと天から降ってきた」
「お葬式」日記

父親ふたりのプレゼントだったと思います。

この映画の救世主となったのは玉置泰さん
資金援助を約束
あの時代は映画を作っても配給先が見つからなかったら
お蔵になるそんな時代だったんで(製作費は)ドブに捨てる覚悟
「公開されなかった場合は僕は一生かかってもお返しします」って
伊丹の拘り①「映画はスクリーンに絵をかくようなもの」
伊丹の拘り②「役とは外側から作られていなければならない」
伊丹の拘り③「言葉にこそ人格が表れる」

お客様がいっぱい始まる前感動してね
外の扉見るとまだ開いてていっぱいの人なんですよ
「映画は僕の全人生の煮こごりのようなもの」
「お葬式」日記

人生の真実があらわれる
作家・編集者 松屋仁之さん

題材と闘う女 女シリーズ マルサの女

ほんとに実も心もすりへらして、自分で金出して、自分でリスクしょって、
大勢の人に有形無形の借りを作って、およそ筆舌に絶する苦労をして、
やっとこさお客さんに見てもらって、そうやって稼いだ金をですね、
まるで自分のものでもあるかのように六十五パーセント出しなさい、
といって平然と持っていってしまう。
「マルサの女」日記

「お葬式」とは全く傾向が違う映画でしょ?
前作よりは面白い映画ができると思いますよ。
キネマ旬報85年12月上旬号

監督って脚本も書いているからアイデンティティーが
全部そこに詰まっていて受け入れなかったら
ズバッと切られるような感覚あるんじゃないか❓
見ていただけなければこんな悲しいことはないと思う

知恵その二
身近なところに本質はある

120点まで要求される私の場合凄い厳しかった
それでダメなら2度とキャスティングされない
そういう厳しさを伊丹監督は持っている
女房だからじゃない私の必死ですよ
「主役はいちばんひどい目にあうんだよ」って

「チビでタフで、積極的で、ユーモラスで、
敢然(かんぜん)と悪と立ち向かう」
「マルサの女」日記

「今回の役は宮本信子じゃなきゃ」
婦人と生活87年3月号

未来を予見する伊丹映画
玉置泰さん
先見性よりも本質を突く
未来を予見って結果的にそうなったかも分かりませんが
伊丹さんは常に本質を突いてど真ん中という感じでやっていたんで
結果的に何年たっても色褪せない映画が残った

自分の作りたいものを作るしかない
お客に受けるためにこういうものを
入れておこうって気持ちは全然なくて
どうしたって大衆ってのは鼻づら引き回せるものじゃなく
結局正直なところ自分で満足するもの
納得いくものを作るってことに尽きる

本質へのまなざし
伊丹さんは日本人とか日本社会とか日本人論とか
そういうものが伊丹映画は面白い中にがっちりある
自分の姿を鏡で照らし出すように映画は出来ている
日本人と宗教とか日本人と何とかとか今だったら
どんなふうになるんでしょう

玉置泰さん
日本人に鏡をあてがって「自分をよく見てごらん」という仕事
自分の中でぐるぐる回すエネルギーを持っていた人

前編
知恵①「徹底的に形から入れ!」
知恵②「形を壊して想定外を楽しめ!」

だんだん認めてくれるようになったんじゃないですか
一緒に映画作るようになってパートナーみたいになって
「伊丹さんいいお嫁さんもらったわね」
今私自分で言ってます
今だったら言っていいじゃありませんか
今だったら言えます

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