2024年2月18日日曜日

源氏物語の女君たち(1)藤壺の宮

春めくや秤目(はかりめ)減る減る風呂掃除
キバナアマ和田屋の庭で偲び咲く
モラエスの気持ちはつづくキバナアマ
立春や亡き犬に似た犬見っけ
春寒し銀行がまた消えていく

■趣味どきっ!源氏物語の女君たち(1)藤壺の宮
古典ロマンの最高傑作「源氏物語」
光源氏が愛した8人の女君
教えてくれるのは清泉女子大学文学部教授 藤井由紀子

源氏物語は今から1000年前平安時代に書かれた作品
女性や子どもたちに読まれていた
現代で言うとサブカル
平安時代中期に紫式部によって創作された長編物語(全54帖)
第一部 光源氏誕生から英華を極めるまで
第二部 光源氏の晩年
第一部と第二部を合わせて正編と呼んでいる
第三部 光源氏の子供や孫の物語 続編

今回の女君は藤壺の宮

母・桐壺更衣(こうい) 父・桐壺亭(天皇)の間に生まれたのが 光源氏
父・桐壺亭の後妻となったのが 藤壺の宮

弘徽殿の女御(こきでんのにょうご)
桐壺亭の最初の妃で桐壺更衣をねたみ つらく当たった

母(桐壺更衣)は光源氏3歳の時に死亡
父は光源氏を政権争いから守るため皇族から外す
臣下 君主に仕える家来に下ろした
帝から「源」姓を賜る
光源氏はニックネーム
本名は作中に明かされていない
光源氏が8歳か9歳の時 新しい妃を貰うそれが藤壺の宮
入内(じゅだい) 女御などが内裏に参入すること
この時光源氏10歳 
藤壺の宮15歳(厳密な時代考証に基づいてはいない)

光源氏18歳 藤壺の宮23歳体調を壊し実家へ
藤壺の宮の女房(宮中や貴族の家などに仕える女性)に
強引に手引きをさせて藤壺の宮の部屋に忍び込んだ
「かつてのあの出来事を思い出しただけでも
 あれきりにしようと思っていたのに」項垂れる藤壺の宮。
この密会で藤壺の宮は身籠ってしまった。
男の子を出産。帝は気が付かず大喜び。

平安一口メモ ~内裏(だいり)~
帝や女君たちが住んでいる御殿
後宮 妃などが住むエリア
桐壺更衣には大納言の娘 親が死亡し後ろ盾なしだったので遠い場所でした
弘徽殿(こきでん)女御は右大臣の娘なので帝の傍を確保していました
光源氏は皇族ではないので内裏の外 二条に居を構えていました
光源氏は藤壺の宮に母親を重ねたのではなく彼女の人間性にひかれた
光源氏の正妻は葵の上 理想の女性は藤壺の宮

原文で読み解く 藤壺の宮
宮もあさましかりしを思い出づるだに、
(「あさまし」驚き・あきれる 予想外のことに呆然としてしまう
「し」は過去の助動詞 
藤壺の宮も予想外で呆然としてしまったあの時のことを思い出すだけで)
世とともの御もの思ひなるを、
(ずっと物思いの種だったから)
さてだにやみなむと深う思したるに
(せめて一度だけで終わりにしようと深く思いであったのに…。)

この密通は2回目 1回目のことは記されていない
源氏物語の文学としての深さ

藤壺の宮の性格 原文より
なつかしうらうたげに、さりとてうちとけず
(「なつかし」親しみがある「らうたげ」いじらしくてかわいらしい
 けれど光源氏に心を許さず)
心深う恥づかしげなる御もてなしなどの
(思慮深くものすごく立派な振る舞いを崩さない)
なほ人に似させたまはぬを、
(この人は普通の人とは違う)
などかなのめなることだに うちまじりたまはざりけむ
(どうしていい加減なところが混じっていないのだろう
少しでも欠点があれば嫌いになれるのに)

藤壺の宮は先帝の娘(内親王)
中宮 帝の妃の中でも一番高い位 に就き栄華を極めた

光源氏はなびかない女性が好み
女は沼る

光源氏の求愛を反対勢力(弘徽殿女御など)に知られると
子どもの将来を潰されるので、
ことあるごとに芯のある決断力を示した

罪の意識をベースに源氏物語は進む
華やかな恋愛物語の根底には罪の意識がある

次回は紫の上

0 件のコメント:

コメントを投稿