2024年2月28日水曜日

源氏物語の女君たち(3) 葵の上

樒(しきみ)の花葉隠れにみる武士道
春愁う花山(かざん)天皇母と娘に
春の空蜜柑届ける支援終え
それぞれの病気のライン余寒かな
春の夜や品なき人の吐く源氏

■源氏物語の女君たち(3) 葵の上
藤井由紀子先生

光源氏は12歳の時に結婚
今日の女君 葵の上 光源氏の正妻
葵の上の父は左大臣 母は桐壺亭の妹
光源氏の父は桐壺亭 母は藤壺の宮
二人はいとこ同士 光源氏より4歳年上
大臣家の後ろ盾を得るための政略結婚

元服 成人になったことを示す儀式
愛人 六条御息所(みやすどころ) と正妻 葵の上が
牛車(ぎっしゃ)をとめる場所をめぐって互いの従者が争う
左大臣家にて六条御息所の生霊が葵の上に取り付いていた
私はなんでこんな美しい人を今まで不満にばかり思っていたのだろうか
じっと見つめておりました
今度は葵の上がじっと光源氏を見つめ…見送った
葵の上は息を引き取った
悲劇的な結末を迎える葵の上
2人がなぜうまくいかなかったのか
親が決めた結婚で初めて会った2人

いときびはにて おはしたるを、
たいそう幼い様子で (左大臣家に)いらっしゃったのを きびは幼い
ゆゆしゅううつくしと 思ひきこえたまへり。
不吉なくらいかわいらしいと (大臣家の人々は)お思いである ゆゆしは不吉
女君は、
葵の上は
すこし過ぐしたまへるほどに、いと若うおはすれば、
すこし年齢が上で光源氏が本当に若くていらっしゃるので
似げなく恥づかしと思いたり。
似つかわしくなく恥ずかしいとお思いであった

葵の上は最初の印象を引きずる
光源氏に甘えたりできない

光源氏⇨葵の上
心の中には、
心の中では
ただ、藤壺の御ありさまをたぐひなしと思ひきこえて、
ただ、藤壺の宮を理想の女性だと思っていて
さやうならむ人をこそ見め、似る人なくもおはしけるかな、
藤壺の宮みたいな人と結婚したい似る人はいないものだな
大殿の君、いとおかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど、
(おおいとの 大臣の屋敷)
大臣家の娘(葵の上)はとても大切に育てられた人とは見えるけれど
心にもつかずおぼえたまひて、
しっくりこないとお感じになって

光源氏も葵の上を見ていない
葵の上も優しさは持っているけれど優しさをどう出していいかわからない

紫の上 幼い頃光源氏に見初められ引き取られる女君

葵の上は光源氏と一緒に住んでいない
紫の上が一緒に住んでいる
左大臣の家に住む葵の上を光源氏が通っている
葵の上は不器用な女性
光源氏は義理で通う状態が10年間続いた
結婚10年で懐妊
賀茂祭(かものまつり) 現在は「葵祭」と呼ばれる由緒ある祭礼
光源氏が賀茂祭の儀式の行列に仕える
車争い 牛車(ぎっしゃ)をとめる場所をめぐって従者が争い
    愛人の六条御息所が恥をかく
車争い以来葵の上にもののけが取りつく
葵の上は男子(夕霧)を産む
いつもは隙がない冷たい感じのする女性なのに
出産の後で横になって弱っている
なぜこんな素敵な人を放っていたのだろう
葵の上から目が離せない

いときよげにうち装束きて出でたまふを、
きれいに身なりを整えて出かけていく光源氏の後ろ姿を
常よりは目とどめて見出して臥(ふ)したまへり。
いつも以上に目をとどめて見送りながら伏せっていらっしゃる

葵の上の発言はない心情はこの一文のみ
光源氏は弱っている葵の上から目が離せない
葵の上はその愛情を受け止めて視線で送る
わかり合えた直後に葵の上の死が描かれている
女性の暇を慰めるために物語が作られていた
登場人物の心情を推測し共感する
源氏物語のすごいところ
葵の上は六条御息所の生霊(いきりょう)に取り殺された

次回の女君 六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)
物語を六条御息所から照らし出す 藤井由紀子先生の最推し

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