厳冬や輸入で凌ぐフェンタニル
オピオイドクライシスへと冬の雷
存在の承認要求冬ざれ
影は存在証明冬の夕焼
厳寒や瀬田川望む石山寺
■読書の森へ 本の道しるべ(1)角田光代
「対岸の彼女」で第132回直木賞受賞
読書は一番古い習慣
愛猫の名はトト
何となくジャンル分けにしておかないと探す時に苦労する
ざっくり探しやすいように決めている
本棚は夫婦で共有している
「黒猫」エドガー・アラン・ポー著1843年発表の恐怖小説
打ちのめされ方が強烈だった
その感情を忘れたくなくて今もこの本を持っている
恐ろしさが忘れられない 凄い感動だった
(絵本に)引き込まれてすごく面白い世界だと思った
小学校一年生の時の作文
のはらににじがみえました。
もっとちかくにいってみました。
とうとううみにつきました。
もっとちかくにいきました。
だけどにじはむこうにみえました。
(この作文は)ウソなんですよね
初めて自分で作文を書いた
書いたら伝わった
書けば伝わるということが
すごくうれしかった
異世界を教えてくれた本
「ちいさいモモちゃん」シリーズ 松谷みよ子(講談社刊)
コツ、コツ、コツ。
ママにはパパのあるきかたが、
すぐわかります。
ピンポーン、ピンポーン。
チャイムがなります。
ママはとんでいって
ドアをあけます。
けれども、
そこにパパは立っていません。
ただ、パパのくつだけがありました。
別の世界がもしかしてあるのかな
この世界と地続きになっているけど
目に見えない異世界の存在を感じた
「ガラスの仮面」美内すずえ(白泉社刊)
「ガラスの仮面」は世界の常識だからと言って
ご主人様にプレゼントされたとか…。
マヤ派か亜弓派か 才能の話をする時に必要
マヤは演技の天才 亜弓は努力型の俳優
角田光代女史は物凄く努力するので亜弓派だそうです。
桜小路君のタイプかな 才能もバックボーンもないが
一生懸命がんばるタイプだと…。
中学時代の愛読書 太宰治
自分のことを書いてくれていると錯覚を抱いた作品
私のために書いてくれていると思ったくらい好きだった
「人間失格」太宰治(新潮社刊)
20代太宰が好きだった自分が恥ずかしい
30代半ば太宰の本当の面白さに気づく
年齢によって付き合い方が変わる作家
作家を目指す中で出会った本 内田百閒
サラサーテの盤(六興出版刊) 間抜けの実在に関する文献
現実と現実でないものの「間(あわい)」を行ったり来たりする
現実を抜け出してしまう感じがお好きだとか…。
現実が一枚ではない 裏にも何かあるかもしれない
読書の森の歩き方
角田流読書術 忙しくても本を読む方法
ポイント 隙間時間を活用する
電車 風呂場 トイレ 食事中 長いエスカレーター
ATMの順番待ちでも読んでいる
至る所に本が…。リビング 洗面所 お風呂に入る時に読む本
本棚部屋の机 これから読む本 これらは棚に入れません。
なぜそんなにたくさん本を読むの?
本を読むことは単純に喜び
ここではないところに行けた喜び
1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞受賞
作家としての天気となった本 輝ける闇 開高健(新潮社刊)
われわれは討たれるのを待ちうけつつ進んでいる。
ときに探検家のあしどり、ときに散歩者、
そしてしじゅう迷い子の足どりで、隊は進んでいく。
徹底的に正真正銘のものに向けて
私は体をたてたい。私はたたかわない。
誰の味方もしない。ただ見るだけだ。
わなわなふるえ、目を輝かせ、犬のように死ぬ。
(「輝ける闇」開高健)
30年ぐらい前のことなのに地続きだということが肌でわかる
「匂いを書きたい」
その「匂い」が錯覚でもわかる
自分自身の体を使って体験し本当に伝わる言葉で書く
という姿勢の感銘を受けた
目指しているものがすごく遠くなった
どこを目指すかわからない
書くことでしか行けないところ
絶望的になる 無尽蔵に本が読めるわけではない
表裏一体というかどれだけ年をとろうと
読みたい本がずっとこの先ある
読書は旅に出るようなものという角田さん
ここではないどこかへ向かう旅
先ずは本の表紙をめくって読書の森に続く
旅の一歩踏み出して
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