2024年2月21日水曜日

本の道しるべ(2)&(3)福岡伸一&ヤマザキマリ・色紙の言葉#9&#10 松岡きっこと谷隼人&瀬川瑛子

木毛(もくめん)で包む心や春日和
蠟梅や池に映った月静か
春早し二度と会えない今日の月
春まけて歌わざるをえなくなり
暮らしの中の音と芸術長閑

■趣味どきっ!選 読書の森へ 本の道しるべ(2)
生物学者 福岡伸一

ドリトル先生航海記 
ヒュー・ロフティング著 福岡伸一訳
「航海に持っていったのはその鞄だけですか❓」
「そうだよ」
ドリトル先生が紐をほどきながら言いました
「旅にたくさんの荷物などほんとうは必要ない。
 そんなものはかえって邪魔になるだけだよ。
 人の一生は短い。
 荷物なんかにわずらわされているひまなどない」
「いや、実際、人生に荷物など必要ないんだよ、スタビンズくん」

失望の中からどうやって希望を見つけるか 福岡伸一
答えを小説の中に求める
失望の中で導いてくれた本
特に惹かれたのは松本清張著「石の骨」(短編全集「張込み」所集)
勝者の物語ではなく敗者の物語

敗者の悲哀を共有するというのは
世界に対して「謙虚」になること
「謙虚さ」とは「自己懐疑」
「謙虚さ」と「自己懐疑」は「知的」であること
自分が疑えないものは最も知的でない
自分が無謬(むびゅう)であると考えるのは最も知的でない

新しい読書の楽しみ方
かつて素晴らしいと思った本を再読すると豊かな読書になる

読み直したのは
丸谷才一著「笹まくら」
緻密な構造をもって作られた構築的な小説
「笹まくら」年表を作った
作家の創作を追体験
緻密さを再発見した

これからの読書
現代社会ではファストを求められている
私は(読書の)ファストに反対したい
読書はゆっくり読まなきゃいけない
じっくり味わうべきもの

ご紹介くださったほ本
レーベンフックの手紙 原色圖鑑「世界の蝶」
ドリトル先生航海記 SF宇宙人デカ 松本清張短編全集張込み

■趣味どきっ!選 読書の森へ 本の道しるべ(3)
ヤマザキマリ(漫画家・文筆家・画家)
代表作 「テルマエ・ロマエ」「プリニウス」

私の栄養素は書物 給油タンク 生き延びるための
本はイタリアとポルトガルとの家にも同じ本を並べている
他人様には優しくない本棚

好きな本「藤子・F・不二雄大全集21エモン」1巻(小学館刊)
この本を読むとどんな異質な環境にも慣れていける
究極のグローバリゼーション漫画

夫に薦められて読んだのは
「SF作家オラフ・ステープルドン」(1886~1950)

夫ベッピーノさんは比較文学研究者

子ども時代の大切な本
「昆虫の図鑑」(小学館刊)
虫は意思の疎通ができない
価値観の共有ができないと一緒に
いられないという概念から逸脱する
虫から学んだ人間との付き合い方

人生を決定づけた本たち
大人になったら絵描きになると話したら
絵描きになりたかった男の子の話「フランダースの犬」を
お母さまからプレゼントされた
「タイヘンでしょう 絵描きで食べていくって」とお母さん…。
「容量悪すぎない❓」とマリさんは思ったとか…。
行動力がないがゆえにああいう顛末になった
その点、「アラビアン・ナイト」はずる賢く
生き抜くための駆け引きが描かれている
「フランダースの犬」大作戦失敗!
「ずるい」というのは美徳 信じたお前が悪い
疑う気持ちを端折ってはいけない
信仰とか信じることを安直なこととされていて
疑念や疑う気持ちの方がよっぽどエネルギーを使う

何度の繰り返し読む本
失われた範列 群衆と権力 砂の女
出会ったのは17歳の頃
画家を目指して高校を中退しイタリアへ留学
惨憺たるものですけどね

絵を描くためには様々なコンテンツが自分の中になければならない
「まず本を読め」と言われた
「砂の女」阿部公房
逃げられなかったから、逃げなかった…
おそらく、それだけのことなのだ。
夢も、絶望も、恥も、外聞も、その砂に埋もれて、消えてしまった。
その後本を読み倒しました
百年の孤独 豊饒の海春の雪 
本を読むことで満たされ支えられ次への持続力になっていた

読書の森の歩き方
読書は朝食の時
読書のオトモは 紅茶

お気に入りのマグカップたち
① 九谷焼のマグカップ イタリアにいる夫からのプレゼント
② 古代の絵のマグカップ 自分で購入
③ 猫のマグカップ マネージャーからのプレゼント

愛猫ベレン

世界の在り方を感じた本
「祖国地球」「百歳の哲学者が語る人生のこと」エドガール・モラン

世界が西洋文明至上主義的な広がり方を
していることに反発心を持っている

地球人としていかに生きるかを問うています

これから私たちが学ぶべきなのは、
地球という惑星の人間として、
存在し、生き、分かち、伝え、交感することだ。
「祖国地球」エドガール・モラン

モランは常に何かに対して疑念と疑問 問いかけている
それが知性
今の世の中は知性や教養に対して省エネ
失敗するのがイヤだ間違えたらイヤだ精神性に対して非常に省エネ

本を読むこととは 活字でないとトレーニングされない筋肉がある
活字で精神力の筋肉を鍛える
些末(さまつ)なことで悩まなくてすむ 本をいっぱい読んでいれば

■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん 昭和の大先輩とおかしな2人#9
松岡きっこ
思いやり

谷隼人
感謝の気持を忘れずに!

■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん 昭和の大先輩とおかしな2人#10
瀬川瑛子
捨てる神あれば拾う神あり   

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