現実を受け止め生きる冬の潮
恐れるな道は拓ける冬の霧
冬ざるる涙と共に前進す
経験を超える知識や冴える星
音楽や女の涙冬銀河
■NHK短歌 テーマ「着る/脱ぐ」
選者 岡野大嗣 ゲスト 名久井直子 司会 尾崎世界観
年間テーマ グッとくる瞬間
似合わんねカート・コバーンのネルシャツはカート・コバーンあってのもので
岡野大嗣
カート・コバーン(1967-1994)
ロックバンド「ニルヴァーナ」のリードボーカル兼ギター
▪入選九首 テーマ「着る/脱ぐ」
七ヶ(か)月愛した彼が七ヶ月おんなじシャツを着ていた気がする
小鳥遊湖々
張り付いた水着を笑って脱いだ午後夏の終わりを一緒に歩く
有村鹿乃子
二席 裏庭で白いタイツで遊ぶ写真大事に育てられたねあなた
臼井慶子
一席 私 おばあさんにコートを着せるおじいさん待合室の無言の二人
仁藤和子
ゆるきゃらの着ぐるみ脱げば汗が私を湿らせており
竹内一二(かずじ)
珍しくはだかの犬を連れた人正しい角度で陽を受けながら
前川泰信
卵を買いに行くだけだからきっちりとボタンをとめて着るカーディガン
たろりずむ
三席 靴下を脱ぐとき人は無防備でその写真を何枚か持ってる
植垣颯希(そうき)
私 おばあさまケチャップの手を適切に私の着てる白シャツで拭く
一羽すずめ
▪表現者の原点 名久井直子
伝染るんです 吉田戦車
中学二年生のときに地元の本屋さんで
面白そうと思って買って読んだ
祖父江慎さんという大先輩のブックデザイナーがデザイン
白紙のページがあったり同じページが2回続いていたり
いろんなことが事故のようなことがいっぱいこの本に詰まっている
本の「そで」最初のページが短くて後ろのページが長い
気持ち悪いに近いようなおもしろいことがいっぱいあって
デザインというのはちょっと編集に足を踏み入れる
そういうやくわりがあるんだなというのをこれで強烈に思った
ただ表層を作るということだけではなく
中身にコミットして作るという仕事があると思った
名久井さんがブックデザインで心掛けていることは❓
仕事に自分らしさが出ないように仕事ができたらなと思っている
その本その本で違う顔をしていたいという気持ちがある
(名久井さんらしいね)言われるうちはまだまだだなと思っている
気配を消したいみたいなこと? 岡野大嗣
「分からなかった」と言われる方が「やった」と思う 名久井直子
一個しか最終的に選べなくてもその途中の人たちの意見があって
そこに行くみたいなのが楽しい
音楽は「らしい」方がいいと思うのでデザインとは違うかも
▪それぞれの「着る/脱ぐ」それぞれの表現
あたらしい服着た本を送り出す「いつかしらない服に着替えよ」
名久井直子
もし自分の手を離れて違う人が手を入れたとしても
その本にとっては幸せなことという凄く優しい歌 岡野大嗣
着替えを私がさせるときもあって緊張する
だいたい皆さんなじんでいるものが良いと思うので
やりにくいなと思ったりする
着替えさせることで時間が延びていく
自分の職業に寄せて書いた方が
他の人が詠めない短歌になるのかな 名久井直子
ぼくのすきなシャツとおんなじ青をした外国の絵本を連れ帰る
岡野大嗣
▪ことばのバトン
あおられてよろめくはずみ第一歩
アイドル 寺嶋由芙
⇩
⑩分前にここに来てくれ
日本放送アナウンサー 吉田尚記
きれいにきっちり作り込んで何かなんて
人生起きないので6割くらいならいいって
いいんじゃないかって
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