2023年12月24日日曜日

乙川弘文&「❝植物支配者❞は周りを動かす」

冬の浪過去に捉われ縛られて
隙間風劣等感は戦争へ(プーチン露大統領)
膝抱え冬の縁側目を閉じて
サティー聞き Paul(Klee)眺めて冬陽射し
楠や大きくなれと冬の空

■ジョブズの師、乙川弘文は「利他」の現代的意義を再定義する:中島岳志 × 柳田由紀子 対談
https://wired.jp/2020/08/16/kobun-otogawa/?utm_source=facebook&utm_medium=social&fbclid=IwAR1r818F0wDvrB55T3zC4xRwoygHgNOLVLT5hIFGF97hokxjh_rC4HXrFyQ

■ヒューマニエンス「❝植物支配者❞は周りを動かす」
豊田正嗣氏
植物は身動きがとれないが
傷つけられたという情報を全身に伝えて
昆虫が食べると消化不良を起こす物質をつくる
苦味物質であるポリフェノールを作り出すと考えられている
だが、脳や神経を持たない植物がどうやって伝えるのか❓
傷つけられたところだけではなく
違うところへも情報を伝えている
植物は地球上で生き残るためにこの機能を生み出した
私たちが筋肉を収縮し腕を曲げるときも
カルシウムイオンのシグナルが使われている
神経伝達物質を放出するときも
カルシウムイオンのシグナルを使う
植物は神経も無ければ運動することもできないが
脳に使われているような仕組みを使って
いろんな情報を処理して環境に適応しながら生きている
植物は触れただけで成長に大きな変化がもたらされている
自然界で触れられる状況は恐らく近くに自分を食べる
動物がいたり昆虫が動いていたりする
植物が生存戦略として生き残っていくためには
防御反応を引き起こす。防御反応にエネルギーを使うので
結果として成長が遅れていく
成長と防御はトレードオフの関係
分子レベルで持っている素子は植物も動物も変わらない
オジギソウ、ハエトリソウも
カルシウムイオンの電気信号で動いている
師管とはカルシウムイオンによる電気信号が通ること

危機を伝え合う植物のコミュニケーション
離れた別種の植物に危機を伝えている
シロイヌナズナがトマトという別種の葉が
かじられたときに出る匂いを感じて
カルシウムの信号を発生させている瞬間
豊田説 葉っぱからの匂いは危機を伝える共通言語
植物は葉っぱで匂い物質を感じている
自分が食べられているときに虫の天敵を呼び寄せ
キャベツは匂い物質でコナガコマユバチを呼び寄せる
利己的な生き物 と 利他的な生き物
幼虫を完全に猛毒で殺してしまったときに
花粉を運んでくれる蝶はどこへ行くのか❓
進化の中で猛毒をつくる植物がいたかもしれないけれど
自分を最終的に助けてくれる生物も全部殺してしまうと
自分も死んでしまうかもしれない

植物は生態系をコントロールする
花は昆虫を繁殖に利用

浅間茂
われわれは紫外線は見えませんが虫は紫外線が見える
虫が見ている紫外線の世界を見たくてカメラを作った
花びらのある部分だけ紫外線を吸収して真っ黒に撮れる
道しるべです

杉山暁史氏
植物は動けない制約があるが根からさまざまな化合物を
分泌することで根の周りの微生物をコントロールしている
植物が地球上で繫栄してきた理由ではないか
注目しているのは根の周りの菌
トマチンという菌で様々な病原菌を退けている
一方ではスフィンゴビウム属細菌を集めている
根の周りでは40倍
恐らくスフィンゴビウム属細菌はトマトの成長を促進したり
さまざまなストレスから守っている
霊長類もその恩恵を受けている

西田治文氏
化石によると白亜紀(1億4500~6600万年前)の
果実は1センチを超えない
今の果実は何十センチもある
そういう変化は新生代になって急激に進んだ
果実は鳥や哺乳類を呼び寄せる
霊長類の色覚に変化
私たちが見ている色の三原色というのは
私たち独自のものとして進化してきた特徴
生き物の世界を見たときに生き物同士のせめぎ合いが
時間と空間を超えてずっと続いている
漬け物 植物が地層に埋まったときに
周りの鉱物が染み込むことがある
果実はサルになってから(手で)採るようになった
手でつかんで食べるというのは重要
植物が変われば動物も変わる
動物が変われば植物も変わる
根の進化
コケ植物 4.7~4.5億年前 シダ植物 4億年前 
裸子植物 2.9億年前 被子植物 1.4億年前
栄養を菌類からわけてもらう 菌類との共生
地衣類やコケが生えて土ができる

石川亮氏
ヒトはイネに利用されている?
世界総人口の半分は米が主食
種子が穂についたまま残る これは特殊な姿
種は遠くに運ばれ生育範囲が広がる

野性イネ 好き放題大きく広がり穂も開いている
実ったものは全部落ちてしまう
集めるのは効率的ではない 食用にするのは厳しい
脱粒性の野性イネから栽培イネに変わったか❓
突然変異によって起こるが種が
落ちにくくなるのをイネがヒトに提示した
ヒトに気づかせイネは生息域を世界各地に広げていった
3つの遺伝子の突然変異でした
それぞれの遺伝子では凄く効果が小さかった
3つ重なることで種が落ちにくくなる現象がヒトの目についた
これはすごい変化だとわかった
NO RICE NO LIFE キャッチコピー
芒(のげ)とは種子の先端にある針状の突起
芒に力が加わると脱粒しやすい
野性イネは東南アジア・インドなどで自生し日本には生えていない。
イネは植物界の成功者?
石川説
イネは変異することでヒトを操り生育範囲を拡大した

豊田説
野性化した栽培イネの中で突然変異が起きて生き残っていく

ポリフェノールはなぜ体にいい?
アントシアニン イソフラボン カカオポリフェノール カテキン
などがある約8000種類存在
紫外線を吸収 昆虫の消化を阻害 病原体から身を守るなどの
防御物質だ

立花宏文氏
ポリフェノールの大きな特徴はたんぱく質にくっつくこと
むやみに体に入ってくると非常に危ない
毒として働く可能性がある
注射や点滴で体内に大量に取り入れると機能障害もたらす危険性が高い
腸はポリフェノールを異物として認識して吸収しない
ポリフェノールは基本異物
私たちの体はよくできていてたくさん入ったら困るものは吸収しない
ただごく一部のポリフェノールが体に入ってくる
それがたまたま特定の作用を示す
抗肥満作用や抗アレルギー作用や抗ガン作用が出てくる
わずかなポリフェノールが抗がん作用をもたらすメカニズムを研究
EGCG 緑茶カテキンに含まれるポリフェノール
緑茶カテキンEGCGは微量しか吸収されない
その吸収されうる微量のがん細胞に振りかけた
EGCGがごく微量でも細胞の表面に結合することがわかった
その相手分子を調べるとカテキンの受容体が
がん細胞の表面にあることがわかった
アポトースス(細胞の自然死)することがわかった
鍵と鍵穴のような関係で強力に結合
ある種のホルモンのように微量でもポリフェノールが働く
緑茶カテキンEGCGはがん細胞に多く発現している
たんぱく質を好んで結合することがわかった
最終的にはがん細胞のDNAがずたずたに切れて自滅する
正常の細胞にもEGCGの受容体はある
正常の細胞にもポリフェノールは
くっつくががん細胞のようには死なない
マクロファージ 炎症に関わる免疫細胞に
カテキンが作用した場合は過剰な炎症は抑えてくれる
がん細胞がEGCGを受け取ると死んでしまう
正常な細胞が受け取ったときにはいい効果がでる
お茶を飲むだけではがんを殺すのは難しい
お茶のカテキンと柑橘類のポリフェノールを
一緒にとると抗肥満作用が3倍になる
カテキン以外のポリフェノールの
抗がん作用のメカニズムはまだ不明

植物の未来
豊田説
サステナブル(持続可能) テクノロジーによって
植物をポジティブに変えていってもよいのではないか❓

0 件のコメント:

コメントを投稿