2023年5月9日火曜日

題「歩く・歩む」

夏めくや夜明けをともに鳥と待つ
焦らずに夢に向かいて夏を生く
暑き日の皿に盛られたアートかな
夏の月絵心乗せた料理かな
五十雀声聞こえども姿なく

■NHK短歌 題「歩く・歩む」
選者 川野里子さん レギュラーゲストの内藤秀一郎 深尾あむ
司会 ヒコロヒー

▪三十一文字の物語 題「歩く・歩む」
にんげんの歩みかくまで拙(つたな)きかぺたりぺたりとスリッパ並ぶ
川野里子
短歌で使う「口語」と「文語」とは
口語 現代の言葉
文語 古典の言葉
短歌には必要 いまだになくなっていない
ここに集いし勇者たち いざ行かん
かまえて普段とは違うレベルに上がるのだ
違うステージに登るのだ このような時に文語は便利!

原作
きみとの恋終わりプールに泳ぎおり十メートル地点で悲しみがくる
小島なお
口語に変換⇩悲しみがつーんと心に残る
きみとの恋終わりプールで泳いでる十メートル地点で悲しみがくる

文語は心にキュッと集めて凝縮する働きがある

原作
人間のふり難儀なり帰りきて睫毛(まつげ)一本一本はづす
石川美南
口語に変換⇩舞台にのぼった感じ 演技している感じ
人間のふり難儀だなつてきて睫毛(まつげ)一本一本はづす

効果的に意識して使うことが大事

▪入選六首 題「歩く・歩む」
乳母車双(ふた)り児(ご)を乗せ風道(かざみち)を歩いて歩いて母となりしよ
池田礼子
マンモスがのっしのっしと百万年歩いた大地に湧くビルの森
芋田智恵子
問いかけるようにほどける靴のひも無理して歩き続けてないか
広木登一(とういち)
ローファーで雪の降る夜国道をロボットみたいに歩いた私
峯松璃湖
まだ慣れないヒールの音で緊張をかき消しながら御社へと行く
神守彩枝(かみもりさえ)
(イタズラのような言葉の持ち込み方は短歌を活気つかせる)
💮去年見た百万本の菜の花は変わらずにあり妻と歩めば
黒木直行

▪秀一郎あむココカラ短歌
初めて作った短歌を見よう!

春が来た桜見つけたもう散ったいつかはゆっくり桜とビール
内藤秀一郎 添削⇩(少しあらたまった覚悟が感じられる)
春が来た桜見つけたもう散ったいつかはゆっくり桜と咲きたし

真っ白なお気に入りのシャツ着た時に限って食べたくなるトマトスパ
深尾あむ 添削⇩(自分の日常を俯瞰する 言葉を連想し転がす
自分の心の中に普段はしまってあることを繰り出すきっかけになる)
真っ白なシャツ着た時にトマトスパ食べたくなって危険だ恋は

▪ことばのバトン
会議室との通信を切る   桜井あらん

ひび割れたメガネで明日をのぞいてる
神奈川県立光陵高校 藤井渚央(なお)
この前はショートが好きと言ったのに五センチ分の勇気返して

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