2023年5月27日土曜日

鯖の弁当で一句

夏の風邪薄き口びる固く閉じ
ハンモック虐められた子虐めた子
夏の雲ひらがな遊び柔らかき
一村のアダンの海辺夏の空
強き風佇む岩場夏の鳥

■プレバト纏め 2023年5月25日
鯖の弁当で一句

特別永世名人 梅沢富美男の締めの一句
朝まだき半夏生鯖匂ふ市   梅沢富美男
(「朝まだき」は夜の明けきらない頃のこと。
 「半夏生鯖」は福井県に伝わる夏至から数えて11日目の「半夏生」に食べる丸焼きの鯖のこと。
 福井県では「はげっしょさば」と発音する。)
朝まだき半夏生鯖(はげっしょさば)匂ふ市

永世名人 村上のお手本
薄暑のシンク鯖缶の蓋の反り   村上健志
(薄暑は夏の季語。少し汗ばむくらいの初夏の頃の暑さのこと。
 温度・空気の匂い・手触りが見えてくる。
 七五五のリズムは鬱屈な寂し気な調べがある。
 薄暑には憂鬱な憂いが含まれている。
 けだるさ、節約が表現されている。読者は余白を埋めたくなる。)

特待生昇格試験
肴手土産に来る父の日の父   森口瑤子
添削(語順が悪い。「来」を「く」と読ませることで
   手土産を持つ父の手元や表情が余韻となる。)
父の日の父肴を手土産に

1位 武井壮
鯖喰ふや係船柱の錆硬し
(係船柱とは船をワイヤーなので止める為桟橋や埠頭に設けた杭。
 「硬き錆」では物に軸足がある。「硬し」で終わると手触りに軸足がいく。)

2位 小籔千豊
汗水漬く(あせみずく)大工かきこむ鯖弁当
添削(季重なりだが「汗」が主役で「鯖」が脇役と分けられている。
   季語は汗、汗水漬くとは体中が汗でびっしょりになること。)
みずく大工掻っ込む鯖弁当

3位 YOU
焼き鯖の香り漂う夕涼み
添削(「焼き鯖」は脇役、「夕涼み」が主役の季語になっている。
   香りなら「漂う」は不要。)
焼き鯖の香や休日の夕涼み

4位 新内眞衣
鯖食いて青葉感じる箱の中
添削(季重なり。季語に強弱がつけられていない。同じ比重の季語に添削。)
弁当の青葉よふるさとよ
弁当の青葉よ失恋よ

次回のお題は「雨の日のカフェ」

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