花の雨最後の力足らずして
春霖や花びらひとつ残さずに
古草やわが身重ねて見たものの
地蔵院気持ちよさげに残る鴨
春蚊出づ耳元目先弱っちく
■新美の巨人たち 京都吉兆 嵐山本店
湯木貞一が残した料亭の神髄
「日本料理は、日本の座敷で、
日本の庭を眺め、
しつらいを鑑賞し、
季節を味わうことだ」
「器は料理の衣装だと思いながら、
まず料理にあう器を考えます」
「料理にも絵心が大切です」
小倉山峰のもみぢ葉心あらば
今ひとたびのみゆき待たなむ 貞信公(藤原忠平)
「工夫して心くだくる思いには花鳥風月みな料理なり」
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク 土恋し
この「土恋し」というのは傍題です
主たる季語としては「春の土」という項目になっています
「春の土」というと「夏の土」「秋の土」「冬の土」は
どうなんだという発想にもなりますが
この季語について言及がありまして
山本健吉さんが調査した中で昭和6年刊行の季題集に
「土恋し」という季語がたてられていると
言及されているそうです
寒い北国では冬の間は土が凍りついている
春になってその土が緩んでくる
そういう土を恋い焦がれる気持ちとして
「土恋し」という言葉が生まれていったということです
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク 雀隠(がく)れ
文字通り雀、鳥が隠れている
それが季語?と疑問を抱くのですが
実はこれは植物の季語になります
どういう意味かというと春になって萌え出てきた草が
雀が隠れられるほどの丈に伸びた様子のことを言うそうです
この言葉には平安時代の女流日記「蜻蛉(かげろう)日記」にも
言及があり作者は藤原道綱母なのですが
3月になりぬ、木の芽、雀かくれになりて
とあるように草だけではなく
木の芽の伸び具合についても言うそうです
草の伸びた様子を語る季語
いざ俳句作ってみようとすると難しそうな季語ですね
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