2023年4月14日金曜日

俵万智女史の短歌 ②

大谷の確信歩きうららけし
責任感のあるやなしや花の冷え
15年ぶりこい煩いのこい退治(無季句)
疎(おろ)抜きの起源や如何に春暮るる
花の雨最後の力振り絞り

■俵万智女史の短歌
今なにを考えている
菜の花のからし和えにも気づかないほど

花びらのような足あと追いかけて
ゆけば春へと続くこの道

たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやる
いつかおまえも飛んでゆくから

制服は未来のサイズ
入学のどの子もどの子も未来着ている

■秋月さん長山短歌賞佳作作品(俵万智女史の妄想)
胸もとのルーペで世界を見るように優しさの種うたにする人
あの人が好きなんですね臆病な仔猫のような瞳揺らして
灯し火になりたいなんて言ったけどあなたが私の灯し火でした
黒髪の乱れも知らずうち伏せば鉛筆を持つその手恋しき
君よ行け愛する人の手を取って天の火にさえ焼けぬその道
短歌とは心に続く道だからいつでも会えるあなたに会える

第二歌集収録短歌(俵万智女史妄想)
子どもらと短歌つくって笑(わろ)てますお元気ですか八木のおっちゃん
おそろいの弁当のフタ開けるとき君と僕とは家族と思う
平和でも歌はできると信じたいリュー北條のケーキのように
(現実)非公式応援歌人と呼ばれてる妄想短歌とまらぬ我は

歌集『デラシネの日々』所収短歌(俵万智女史妄想)
一枚の葉書きを君に書くための旅かもしれぬ旅を続ける
古本と亀と子どもと君と僕それだけでいいデラシネの日々

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