満開や両国橋を寒桜
春の霜半値を狙う人の群れ
春の泥心得違い漢意(からごころ)
ふつふつと燃やす怒りの永き日よ
こわばった赦しを溶す春の闇
■プレバト纏め 2023年3月2日
2023春光戦予選A 卒業で一句
1位 春風亭昇吉
三月の空に託せるものがない
(誰もが希望に満ちた卒業ではない。
人生の現実のひとつを詠んでいる。
後半の口語の語りがリアリティーとして胸に迫った。
今年の卒業生へ逆の意味でエールになった。)
2位 横尾渉
夕桜学ラン捲り1on1
(「1on1」でスラムダンクと解る。
「卒業」がすぐに分からない巧い企み。
桜が咲く夕方にわざわざ学ランを捲って対決する
卒業の時期だと読みを誘導してある。
季語を信じる実力がついた証拠の一句。
3位 犬山紙子
春光やルーズソックスすべて干す
(ルーズソックス流行期の元少女の句だと解る。
テーマ「卒業」を匂わせるワードがない。
作品としては完成している。)
4位 北山宏光
上履の文字も滲むや卒業式
(勿体ないことをしたケース。
「も」で❝洗った後の滲み❞と❝涙❞を意図しすぎた。
助詞は「の」にし「滲み」をクローズアップ。
最後の「式」は「卒業す」にする。)
添削
上履の文字の滲みや卒業す
5位 松岡充
古巣あり教えの庭よいざさらば
(学校に多い「楠」で映像化する。
「仰げば尊し」の歌詞を借りすぎ。
「古巣」を見上げる視線で「雲」を入れ詠嘆するとよい。)
添削
楠の古巣よ雲よいざさらば
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