2019年4月6日土曜日

2019春光戦

空が雨 降らせるように いぬふぐり
夜が昼 呑み込むように 百千鳥
人生や 綿あめのごと 芽立ちかな
奪い合う 友とあさりの 河川敷
寝苦しく 毛布外した 春の夜

プレバト纏め 201944
春の俳句タイトル戦「2019春光戦」
●決勝戦 コーヒーで一句

1位 村上健志
サイフォンに 潰れる炎 花の雨
(五感全てを刺激しひとつの時間と空間を詠んでいる)

2位 東国原英夫
缶コーヒー 啓蟄の つちくれに置く

3位 横尾渉
リハ室の コーヒー苦し 八重桜

4位 梅沢富美男
鷹鳩と化す カフェオレの 白き髭
(上五が季語 手慣れている)

5位 鈴木光
馬の仔の 立て十勝の 缶コーヒー
(経験を詠むことでオリジナリティとリアリティが手に入る)
馬の仔の 立ちて未明の 缶コーヒー
馬の仔の 立ちて獣医の 缶コーヒー

6位 千原ジュニア
ふらここを 待つ我が子見つ 飲むコーヒー
(見つ→見つつ)
ふらここを 待つ吾子見つつ 飲むコーヒー
ふらここを 待つ子を見つつ 飲むコーヒー

7位 藤本敏史
卒業の コーヒー少し 酸っぱくて
(三音を疎かにしない 感情が表現できる)
卒業の コーヒー酸っぱくて 泣ける
卒業の コーヒー酸っぱくて 笑う

8位 中田喜子
焙煎香ふんぷん 春陰を飛ばす
(芬々とは盛んに匂うさま 言葉のバランスを考える)
焙煎の 香の立ち 春陰を飛ばす

9位 千賀健永
カフェ色の 濁流を吐く 春の山
(修正後は緊迫感や臨場感が出てくる)
春山が 吐く濁流の 珈琲色

予選敗退者 決勝選用の一句
ミッツ・マングローブ
沈黙の 春尽く 角砂糖ひとつ

●予選 春の鮮魚店で一句
1位 鈴木光
昼網や 明石メバルの ピチカート

2位 千原ジュニア
壺焼きの 壺傾きて ジュッと鳴る
(地道な描写)

3位 千賀健永
ぽこぽこと 酒に口割る 蛤ら

4位 立川志らく
ジョンレノン 聴く魚屋 目借時
(目借時 めかりどき 季語)
ジョンレノン 聴く魚屋 目借時

5位 岩永徹也
春ぼこり 固定電話の 指の跡
(字余りにしても必要な要素)
魚屋の 電話機 春埃の指跡

6位 三遊亭円楽
これ頂戴 鰆の値札 舐める猫
(映像化する)
振り向けば 鰆の値札 舐める猫
上目遣いに 鰆の値札 舐める猫
主見て 鰆の値札 舐める猫

7位 大和田獏
恋猫よ 魚屋さんも 素通りか
(語順と韻を踏む)
魚屋を 素通り 恋猫の恋路

8位 ミッツ・マングローブ
起き出でて 浅瀬へ店(たな)へ 乗込鯛(のっこみだい)
(乗込鯛が季語)
乗込鯛 跳ねて華やぐ 店先よ

遂に村上健志さんが頂点を奪取されました。
いつも身の回りの物を詠まれるので
頂点は手にできないのでは?と思っていたのですが…。
ついにやってくれました。
丁寧に作られた句がフォーカスされるのは嬉しいです。
職人の句、感性の古い句にはあまり魅力を感じません。
村上健志さん❣心よりお喜び申し上げます。

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