夜が昼 呑み込むように 百千鳥
人生や 綿あめのごと 芽立ちかな
奪い合う 友とあさりの 河川敷
寝苦しく 毛布外した 春の夜
プレバト纏め 2019年4月4日
春の俳句タイトル戦「2019春光戦」
●決勝戦 コーヒーで一句
1位 村上健志
サイフォンに 潰れる炎 花の雨
(五感全てを刺激しひとつの時間と空間を詠んでいる)
2位 東国原英夫
缶コーヒー 啓蟄の つちくれに置く
3位 横尾渉
リハ室の コーヒー苦し 八重桜
4位 梅沢富美男
鷹鳩と化す カフェオレの 白き髭
(上五が季語 手慣れている)
5位 鈴木光
馬の仔の 立て十勝の 缶コーヒー
⇓(経験を詠むことでオリジナリティとリアリティが手に入る)
馬の仔の 立ちて未明の 缶コーヒー
馬の仔の 立ちて獣医の 缶コーヒー
6位 千原ジュニア
ふらここを 待つ我が子見つ 飲むコーヒー
⇓(見つ→見つつ)
ふらここを 待つ吾子見つつ 飲むコーヒー
ふらここを 待つ子を見つつ 飲むコーヒー
7位 藤本敏史
卒業の コーヒー少し 酸っぱくて
⇓(三音を疎かにしない 感情が表現できる)
卒業の コーヒー酸っぱくて 泣ける
卒業の コーヒー酸っぱくて 笑う
8位 中田喜子
焙煎香ふんぷん 春陰を飛ばす
⇓(芬々とは盛んに匂うさま 言葉のバランスを考える)
焙煎の 香の立ち 春陰を飛ばす
9位 千賀健永
カフェ色の 濁流を吐く 春の山
⇓(修正後は緊迫感や臨場感が出てくる)
春山が 吐く濁流の 珈琲色
予選敗退者 決勝選用の一句
ミッツ・マングローブ
沈黙の 春尽く 角砂糖ひとつ
●予選 春の鮮魚店で一句
1位 鈴木光
昼網や 明石メバルの ピチカート
2位 千原ジュニア
壺焼きの 壺傾きて ジュッと鳴る
(地道な描写)
3位 千賀健永
ぽこぽこと 酒に口割る 蛤ら
4位 立川志らく
ジョンレノンを 聴く魚屋 目借時
⇓(目借時 めかりどき 季語)
ジョンレノン 聴く魚屋の 目借時
5位 岩永徹也
春ぼこり 固定電話の 指の跡
⇓(字余りにしても必要な要素)
魚屋の 電話機 春埃の指跡
6位 三遊亭円楽
これ頂戴 鰆の値札 舐める猫
⇓(映像化する)
振り向けば 鰆の値札 舐める猫
上目遣いに 鰆の値札 舐める猫
主見て 鰆の値札 舐める猫
7位 大和田獏
恋猫よ 魚屋さんも 素通りか
⇓(語順と韻を踏む)
魚屋を 素通り 恋猫の恋路
8位 ミッツ・マングローブ
起き出でて 浅瀬へ店(たな)へ 乗込鯛(のっこみだい)
⇓(乗込鯛が季語)
乗込鯛 跳ねて華やぐ 店先よ
遂に村上健志さんが頂点を奪取されました。
いつも身の回りの物を詠まれるので
頂点は手にできないのでは?と思っていたのですが…。
ついにやってくれました。
丁寧に作られた句がフォーカスされるのは嬉しいです。
職人の句、感性の古い句にはあまり魅力を感じません。
村上健志さん❣心よりお喜び申し上げます。
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