夏木立蛇にアカゲラ体当たり
木下闇(こしたやみ)穴を横取りコムクドリ
アカゲラの穴ムササビ横取り小暮
跳ねる鮎キャッチ青鷺吉野川
夏の月尾ひれのついた噂かな
■心おどる あの人の本棚⑦牟田都子(さとこ)(校正者)
「文にあたる」「校正・校閲11の現場」などを執筆
注目を集めている
1冊の本を3回読む
読むというよりは字を見る
頭の中で思い込みや補正が働く
「わたたし」と書いてあっても「わたし」と読んじゃう
誰の目にも明らかなミスや間違いが
残っていないことは最低限達成したい
最低限を達成するのがいかに難しいか
「新潮現代国語辞典 第二班」山田俊雄 他編
自我をひくと自画像という言葉があって その後ろに
太宰治「人間失格」で使われていると記されている
太宰治の時代にはすでに自画像という言葉はあり使われていた
廊下の本棚
「文字盤の記憶」 大阪DTPの勉強部屋
リビングの本棚
夫は出版社の校閲部
夫の棚
牟田さんの棚
私を作った本
Ku:nel
私が読むべきものだ
私の先生でしたね20代の
見るべき映画 聞くべき音楽 読むべき本 作家
もう全部 教わった感じ
私のルーツというか根っこというか土台です
石黒智子 私が選んだ台所道具
工芸青花 菅野泰晴 編
宝物の全集 幸田文全集
作家 幸田文(1904~1990)代表作「流れる」「おとうと」など
寒気はいまがいちばんきびしい時だった。
菜を洗つてもふきんを濯いでも、
水は氷のかけらのような音をさせた。
幸田文全集第十三巻「台所の音」より
全集を最初からずっと読んでいくと
その人の文体に自分がチューニングされていく感じ
情熱に突き動かされた本
移動図書館ひまわり号
前川恒雄(1930~2020)日野市立図書館初代館長
人々が本を必要としているっていうのが
痛いぐらい伝わってきましたよね
図書館員のすべきことは、市民が本来もっている向上心と
知識欲にこたえられる本をそろえ、市民の求めに応じて
本の案内をすることである。
「移動図書館ひまわり号」前川恒雄著より
草の根をわけても本を差し出せ
センセイの鞄 川上弘美
東京タワー 江國香織
キッチン 吉本ばなな
博士の愛した数式 小川洋子
神の子どもたちはみな踊る 村上春樹
2018年独立 現在はフリーランスの校正者
牟田都子の日常
赤鉛筆☞修正の指示
黒鉛筆☞疑問・提案
ミスをしたときに分かりやすい仕事
あなたはこれを見落としましたよねっていうのは
誰の目にも明らかなので逃げようがない
次こそは落としません
仕事の哲学を学んだ本
校正者 西島九州男(くすお)(1895~1981)「校正夜話」
そういう労力をいとうようなことでは、
やはりいい構成はできないはず
私のところにはたくさん校正の係がいますが、
今でも私がいちばん辞書を多くひいているようです。
自分は何も知らないが、ただ知らないということを知っている」
ということだけはわきまえているつもりなので、
辞書に頼り参考書に頼って仕事をしてきた、
という経験からそう皆にすすめるわけなんです。
「校正夜話」西島九州男著より
最近印象深かった作品
「いい音がする」高橋久美子著
「顔文字で何が伝わるか」 絵文字と直すべきか❓
髙橋さんが伝えたいものと読者が受け取るものと
このままだと食い違っちゃいそうだなと思って
ちょっと音も変わっちゃうし髙橋さんにとっての
イメージが変わっちゃいますよね
迷いが付きまとう
著者髙橋さんは最終的に「絵文字」を選びました
牟田都子 心身のととのえ方
朝は鉄瓶で沸かす白湯から
読むと安心する本
何十回も読んで覚えているので読むのに全くエネルギーがいらない
安心して委ねるだけの時間
友人に誘われ10年前から走っている
愛用シューズ
ずっと座っているのでこのコンディションは維持できなかったと思う
フルマラソンを18回完走
完走し終わった感想はどんなゲラを戻したときよりうれしい
最近のお気に入りは自費出版の本 特に日記 7冊
自由さに魅かれている ZINE リトルプレス
屋根裏部屋日記 針山
ある日突然目が覚めて 植木一子
本屋開店閉店日記
どこにいても本屋
百年の一日 樽本樹廣 20年後の彼からのコメントがこうやって
いちいち書いてあってそれがすごく面白いですね
何か書きたいものを好きに勝手に作って
楽しそうにやっているのをみるといいなって思う
誤植があった校正は何をやっているんだとかいうのも
ヤボな話だなと思うし そういうのから自由なところで
本作る人たちがいてもいいと思う
自分の感性を育てた本 何度でも読める本
本と通して仕事の哲学を学び それを読者へと還元してきました
牟田さんにとって本はどんな存在ですか❓
私みたいに人に会ったり人に教えを乞うたり
そういうのが得意じゃない人でも教わったり学んだりできるし
励ましたり助けたりもしてくれるし 単純に楽しいっていうのもあるし
いいもんだと思う 私は助かってると思う
私感
牟田都子女史に魅了されてしまいました。
こんなにも価値観、美意識が近い人がいただなんて…。
驚きとともに大ファンになってしまいました。
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