落っこちたネジがネジマル夏の夜
夏の空感じるままのモノ創り
ネジマルの新種誕生風光る
雲の峰麒麟やゴリラ生まれけり(ネジマル)
たかがネジされどネジマル夏の星
■NHK俳句 題「祭」
年間テーマ「季語からみるDNA」
選者:和田華凜 ゲスト:秋川雅史 司会:柴田英嗣
父帰宅父の顔見てふくはうち 秋川雅史氏のお嬢さま作
日本の歌には1つの単語に2つも3つも意味が含まれている
奥の深い内容が多い 秋川
芭蕉は五七五の美しいリズムを大切にしていた
「句調(ととの)はずんば舌頭(ぜっとう)に千転せよ」
と、言い残している
意味は句のリズムが整わないときには声に出して千回でも
何回でも言ってみてきれいな美しいリズムの句を詠みなさい
日本の歌を歌うときはことばの意味を音色で表現できなければいけない
私のお墓の前で お墓は最初に出てくるとインパクトが強過ぎる
「私の」最後ののがおの母音なのでそのおをつなげて
「お墓」っていうのに 言葉の響きを気にしながら歌っています 秋川
「祭」というと俳句では夏祭りのことを指します
暦の上では5月になると端午の節句から夏です
五穀豊穣を祈る春祭り 収穫への感謝を示す秋祭り
「祭」という季語は夏の季語
(江戸時代中期に)
俳諧・連歌の発句というのが流行った 俳句のもととなるもの
俳諧が流行ったのが江戸とか上方とか都市部を中心としたもの
都市部では収穫するものがない 疫病退散のために夏に
大きな祭りを都市部で開いていたために俳諧の季語としては
夏の祭ということになって今も俳句として続いている
おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉(うぶねかな) 松尾芭蕉
芭蕉が長良川の鵜飼を見に行った時に詠んだ句
鵜篝(かがり)とか幻想的な雰囲気で異世界に入ったような気分になって
おもしろうてって興奮して詠んでいる 終わりが近づくにしたがって
さみしい切ない気持ちになって 芭蕉が自分の心の推移を写生した
心の写生の句
・季語「祭」を味わう
傍題:神輿(みこし) 山車(だし) 御旅所(おたびしょ)
神輿は神様を一時的に神社からお連れするためにお乗せして担ぐもの
山車の方には人も乗っていい だんじりは山車になる
祭によって山車だったりだんじり 屋台 鉾 曳山とか
御旅所は神様が巡業の途中で休憩したり泊まられたりする場所
・名句鑑賞
神田川祭の中をながれけり 久保田万太郎
神田というワードがあるので神田祭の句だと思われるんですけど
実際は浅草の小さな神社の祭を詠んだ句
ですが俳句は作者の手を離れると
どのように読者が鑑賞してもらっていい
神田祭として鑑賞するのもよし どちらでもOKです
男らの汚れるまへの祭足袋 飯島晴子
これから出陣する祭に向かって神様に会うということで
真っ白い祭足袋に神に対する畏敬の念というのが感じられるし
これから汚れるであろう荒々しい祭の様子
それを待つ男たち 血気盛んな祭男の心までも感じられる句
・特選句 今週の兼題「祭」
いきり立つ神輿鎮めん通り雨 佐藤強
鳥獣の手足生まるる祭笛 刈屋まさを
祭終(お)ふ平たきりんご飴の底 柿司十六(ししじゅろく)
胸の鍵とんと跳ねたり祭の子 押見げばげば
祭鉦(かね)●▲(まるさんかく)の譜に跳ねて 北山日路地(ひろじ)
祭果て昨日と同じ夜風かな 葦(よし)たかし
・特選三席
一席 御旅所(おたびしょ)の神輿の鈴の震へけり 吉田稜光
二席 祭笛弥勒のような口で吹き 藤井俊勝
三席 ペリペリと祭提灯伸ばす朝 大藪恵子
・はみだせ!教室俳句 東京都府中市立府中第三中学校
五感で伝わる俳句 西村絵真先生
実感のこもったリアリティのある言葉
最初に季語のリストを渡してしまうと
季語から思いついた情景を俳句にしてしまうことが多い
実体験に基づいたものを12音として固めてから
雰囲気にあった季語を後から取り合わせる形
足音のそろう合唱金木犀
説明的ではなく自分の詩心
詩的な慣性 文学的な感性を表現する事もできると思う
朝読書の窓てふてふはしやべるしやべる
・秋川雅史氏の一句
だんじりを親子で担ぎて父の意地 秋川雅史
・柴田の気づき
祭とは魂の継承
■NHK短歌 テーマ「数や記号」
年間テーマ「“理科のことば”で羽ばたく」
選者:永田紅 ゲスト:パトリック・ハーラン(パックン) 司会:尾崎世界観
感情は色というよりpH(ピーエイチ)混ぜ合わせれば7くらい(おだやか)になる
永田紅
感情をグラデーションのあるものとして考えると
水溶液の酸性とかアルカリ性を表すpHみたいだなと
7が中性 7より小さいと酸性 大きいとアルカリ性
・入選九首 テーマ「数や記号」
私 百桁の暗記に挑む僕たちを休めのポーズで眺めてるπ(円周率)
笠原明子(眺めると挑む 立場の違いも含まれている)
私 どうでしょう、次に素数の年齢になるまで一緒に暮らしませんか
さとうきいろ
進まないレジに並んでいる夕べ長葱十本ほどの長さの
富見井高志
私 四捨五入されてしまった四たちのゆくえを思う春の教室
富尾大地
二席 隣りから十借りてきて返さないそんな素敵な関係がある
丹羽口(にわぐち)憲夫
恋愛と@マークを知らぬころ今よりずっと自由だったね
鈴木るい
三席 私 税務署はそろばん型の地図記号先ずそろばんを孫に教える
豚々舎休庵(とんとんしゃきゅうあん)
一席 私 これ以上きみと時間をX軸が伸びてゆくだけ
大津穂波(Yは親密度・距離 Yを詠んでいないのに解らせる力がある)
人間と幽霊は≒(ニヤイコール)で足りないものは永遠である
彼方(かなた)ひらく
・❝理科のことば❞ピックアップ
ミリバールだった時代の台風は今よりやさしかった気がする
畑依裕(はたよりひろ)
ミリバール(mbar)圧力の単位 1992年にヘクトパスカル(hPa)へ変わった
古い単位も歌の中だと生き続けるので歌にして残すことも大事
俳句の17と短歌の31が素数 虚数(i) デシリットル(dl)
フィボナッチ数列「1,1,2,3,5,8,13,21…」
のように前の数字を足した数が続く法則
・私の❝理科のことば❞
パックンの大事にしている言葉は「慣性の法則」
動いているものは動きっぱなし 止まっているものは止まりっぱなし
力が働かないかぎり変わらない 惰性とも言い直せる
惰性でもいいから止まらないで行こうというのが僕の生き方
慣性系:同じ空間にいる人が同じ速度で動いているなら
動いていないように見える これはアインシュタインでは❓
短歌自体も1400年前から慣性で動き続けている 永田
止まったら消えてしまうかもしれない パックン
高校までの物理は面白い パックン
比喩を使うときは「例えるもの」と「例えられるもの」の関係がミソ
共通性がわかりすぎてもつまらない
離れ過ぎたら読者がついていけない
理科のことばで例えてみると感覚(理解度・認知度)が変わる 永田
・ことばのバトン
出口はひとつバンジージャンプ!
里中薫(洋食屋「丘公園」マスター)
⇩
落ち着けよ鼓動は速い4ビート
指揮者 田中亮
声に出して読んでみて五七五七七で気持ちいいから
~うに香る~
北海道産じゃが芋のもちもちニョッキと海老のグラタン
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