2025年5月16日金曜日

心おどる あの人の本棚⑥金原ひとみ

髪洗う高きテンション全て無に
深き海霧キューブ佇む水面かな(下瀬美術館)
ケマンソウ見て見て見てと夏の島
軽やかに品よく生きん夏木立
繊細を分かち合えずに風青し

■心おどる あの人の本棚⑥金原ひとみ(作家)

ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟 原卓也訳
当時の編集者が「え!ドストエフスキー読んでないの?」
上に三カ月読むのにかかりましたが 中下は2~3日で読めました。
会話劇の面白さや重要性はここから学んだ
たぶん(編集者の)マウンティング

寝室の本棚 
自分の中で「スタメン」的な本

辞書の棚
ここに詰め込まれている知と時間を想像すると捨てる気にならない
「源氏物語」読んでません。定期的にバズる
ストーリーとして押さえておくべき本だと思っている

特別な著書の棚
ピアスのついている本 装丁家・菊地信義による「蛇にピアス」特装本

2004年 デビュー作「蛇にピアス」で芥川賞受賞
書いたのは、金原さんは19歳でした。
小学6年生のとき サンフランシスコに1年間滞在
10代を支えてくれた本 
お父さんが買ってくれた本は今でも本棚に…。

コインロッカー・ベイビーズ 村上龍著 
中学生のときに読んで小説家になりたいという思いを高めた作品

中学2年生のとき 父(翻訳家・金原瑞人さん)の創作ゼミに参加
ジョルジュ・バタイユ(1897~1962)
ゼミで知り合った男の子に薦められ読み始める
「眼球譚(がんきゅうたん)」初稿 オーシュ卿(Gバタイユ)
Histoire de l‘oeil 生田耕作 訳 に心惹かれた

追いかけ続けている作家の本
劇作家 松尾スズキ(1962~) 作家 演出家 俳優としても活躍
「ふくすけ」松尾スズキ著 
世界観が松尾さんにしか書けないのがあるので そこが魅了。

2004年1月芥川賞決定会見(当時20歳)
Q.(村上龍や山田詠美以外に)好きな作家は❓
松尾スズキさんの作品を読んでいます
覚えてないです。あのとき すごく酔っていた…実は…。

オルハン・パムク(1952~)トルコのノーベル文学賞受賞作家
フランスで読んでフランスから持って帰ってきた数少ない本です

2011年3月渋谷 2012年フランスパリの移住 
「無垢の博物館」オルハン・パムク著 宮下遼訳
こんにちは!オルハン・パムクです!

ダイニングの本棚
高校生になるお嬢さまがいるらしい…。なんでやねん眼鏡をプレゼントされる
ブロックの黒猫 無になることが快感 10数時間かけて作られたとか…。
人の言うことは聞きたくないけれど説明書の通りだったらできる
ピンクのドクロ 自分の亡骸の象徴ドクロ

つらさと正面から向き合う本
エミール・M・シオラン(1911~1995)ルーマニアの作家・思想家
アフォリズム 真理を鋭くついた短い言葉
「生誕の災厄」エミール・M・シオラン著 出口裕弘 訳
若い人たちに教えてやるべきことはただの一事、
生に期待すべきものは何ひとつとしてない、
少々譲ってもほとんど何ひとつない、ということに尽きる。
シオランは1995年84歳で死去
よく話す陽気な人だったとか…。

東京神楽坂 面白い本との出会い
「みんなの校正教室」大西寿男著

「おきざりにした悲しみは」原田宗典著

文學界 新人賞 選考委員もやっている 
作品募集ページ告知「なんでもいいよ!小説書けたら送ってみて!」

アメだけで育てていきたい ムチはふるいたくない と思っているとか

新人作家たちの本
「みどりいせき」大田ステファニー歓人著
あれは春のべそ。まぁ、そんなわけないし、もしそうなら、
みんないつか死ぬ、ってことくらい意味わかんないし、
わかんないものはすこし寝かせたい。
20頁読み進めるとバイブスが合ってくる

韓国の女性作家たちの本
「82年生まれ、キム・ジヨン」チョ・ナムジュ著 斎藤真理子訳
足場がゆらぐことによって現実社会への視線が鋭くなる
「もう死んでいる十二人の女たちと」
パク・ソルメ著 斎藤真理子著

読書とは❓
自分が進んでそこにいると思えたことがなかったんです
でも学校にせよ、家庭にせよ、でも小説の世界は
唯一、自分の意志で足を踏み入れていった世界なので
小説が私にとっての第一の社会だった
そこを通じてみることではじめて自分に破壊的な視点が
備わったりだとか人間が生きていく上で真剣に考えなければはならない
テーマっていうのにようやく向き合うことができたって感じがします。

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