風の電話を詠む
春の空風の電話の噂聞き
風の電話聞こえぬ声に耳澄ませ
線なき電話東風が心を届けけり
愛歌う風の電話や春一番
春陽射し風の電話に気持ち込め
■漫勉スペシャル 羽海野チカ
「場面から風とか空気の匂いがする」
「読んでいて希望が持てる」
萩尾望都著「マンガのあなたSFわたし」より
羽海野さん 特殊なうまさなんですよね
感情を「的確にとにかく表すんだ 表現するんだ」っていうね
それがもう羽海野さんからあふれ出て キャラクターに
乗り移って 目がウルウルってなりますよね
「いろんな人がいて いろんな人 全員かわいいよ」って
言っている感じがしますよね どんなに憎たらしいオヤジも
ほっぺ ちょっと赤いんですよ もうこれだけでかわいいですもん
浦沢直樹
勝負の世界を描いてきた「3月のライオン」
浦沢直樹
ドラマの初めの時に彼女たちの濃いドラマは想定していたんですか
羽海野チカ
想定してない部分もありましたね 三姉妹の物語は14~15年
描いている間に知り合った友人とかのエピソードが入っていったりしました
浦沢直樹
いじめの頃の話で「うわ そこまで踏み込んでいくんだ」っつって
「将棋がちょっと背景になっちゃうよ こんな熱い話やると」
羽海野チカ
あれは「必要だな」と思って 自分漫画家になった読者さんがいる
もしその中に私が子どもの時みたいな人がいたら 何か助けになる
読めるもの 「いじめを受けてます どうしたらいい?」っていうの
本屋さんに行って いじめの本を手にとっても レジに
行けないじゃないですか ネットで相談しても 本当に恐ろしい
答えが返ってくるんですね だから漫画だったら普通に
「漫画買ったんだ」って買えるから 「私が描かなきゃ」と思って
凄く取材をしました
浦沢直樹
男の先生出てきてズバリ解決する回があるんですよ
ナレーション
いじめた子の親を呼び出したシーン
いじめたこの親
「いじめ」だなんて とんだ言いがかりだわっっ 証拠もないクセに
先生
証拠なんて出てくる訳が無い イジメではね 証拠がないのが当たり前なんですよ
親
その子が嘘ついていたらどうするのよ!
口ではねっ何とでも言えるでしょ!?
先生
じゃあ 嘘をついているって証拠は?
母親は何も言えなくなりイジメは解決に向かいます
浦沢直樹
あそこまでね ズバリ解決する話って なかなかいじめとかで
そういうの ないんですよ だけどね 羽海野さん あそこでね
バシーン!って解決したんですよ それがね ちょっと
手たたくぐらい爽快で
羽海野チカ
たまたま私の生体の先生が 元高校のだった方で 何となく話したら
「うちの学校では こうしてました」っていう話をしてくださったんですね
浦沢直樹
ああいうのを 骨太っていうんだろうなと思って
「難しい問題よね」って いうのではなく 1つの答えをバーンと
提示するっていうのは 非常に勇気のいることなんで
羽海野チカ
夢物語だって言われても 漫画に描いておいたら 読んだ人の中の
誰かがやってくれるかもしれないと思って すごく考えて描きました
いじめが終わったあと主人公ひなちゃんは
「先生… 私 許さなくてもいいですか?」
羽海野チカ
謝られたら許さなきゃいけなくなってしまうんですが 謝る側が
「ごめんなさい」って文字で言ってるだけの場合は
「許さなくていいんだよ」ってことは描いておきたいなと思って
ひなちゃんに言ってもらいました
将棋でまで「弱い人間扱い」されたら もうボクはどこで生きて
行ったらいいんですか!?
アナタの居場所なんて この世の何処にも無いじゃない?
誰に作品を届けるか
羽海野チカ
自分みたいな子が読んでいるんだろうなと思うので 私も子どものころ
図書館で絵本を読んだ 「赤毛のアン」のアンは友だちと思っていたので
イマジナリーフレンドみたいな感じで「そのあと こういうことが
起こるけど もうちょっといくと大丈夫だから」みたいなのを
言いたいなと思います
浦沢直樹
母親が僕が生れると同時に家を出て別居が始まるんですよ
それで4歳ぐらいの時に母子家庭の生活苦で浦沢家にもう1回戻るんですよ
突然じいちゃん ばあちゃん おやじの家にボーンって 僕4歳で家で
ほったらかしだったんで それで漫画を描くようになっちゃったんですよ
おばあちゃんの三面鏡に映る自分を「スミスくん」って名前にして
米軍基地の青い目の男の子なんですけど 「きょう 基地で何があった」
とか ずっと会話してたんですよ そういうことから
漫画のストーリー作りみたいなのがあるんですよね
羽海野チカ
うまく生きられなかったから
浦沢直樹
しんどい時を過ごしたっていう事ね 孤独を知っているから
寂しさも知っているから それに対する癒しみたいなものが
どういうものであればいいのかっていうのが わかってる人たちって
いう感じはしますよね
羽海野チカ
似たようなところにいる人に読んでもらえると
浦沢直樹
そういう人に届けばいいなって すごく思いますよね
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