芽立時労せず痩せるインフレ禍
春の街チョコを頬張り颯爽と
春の径アクセル強く踏み込まん
耳も目も脳も不確か朧月
湧き出でしトランプ非難春嵐
■あの本、読みました?
医療小説!男子看護学生の青春&本屋大賞ノミネート&命の物語
藤岡陽子 朝倉宏景 夏川草介 鈴木保奈美 山本倖千恵 林祐輔P
2024年第45回吉川英治文学新人賞受賞「リラの花咲くけものみち」
藤岡陽子 現役看護師
満点のゴール 藤岡陽子著/小学館文庫
僻地医療 医療の抱える問題と向き合う
青のナースシューズ 藤岡陽子著/KADOKAWA
男子看護学生が主人公
ここに出てくる男子学生の幸せというか彼らが自分の夢を叶えて欲しいと書いた
男子看護学生の青春物語 by 朝倉宏景
取材から見えてきた男子看護学生のリアル
あの冬の流星 朝倉宏景著/講談社
10歳の息子に余命の告知をするべきか
お祖母ちゃんが❝やさしい嘘❞ってあるじゃない
❝やさしい嘘❞は本当に子どものためになるのか
答えは出なかった
作品を書いた経緯 余命と正面から向き合う作品 描かれる子供の病
書く上で向き合った「告知」「家族との葛藤」
嘘をつく事と隠す事の間
エピクロスの処方箋 夏川草介著/水鈴社
禁忌の子 山口未桜著/東京創元社
医療小説特集 命と向き合う物語
現場をリアルに描く話題の医療小説
続編から読んでも楽しめる医療小説
「白魔の檻」山口未桜著/東京創元社
山口未桜の最新作 探偵医師が挑むミステリー
「エピクロスの処方箋」夏川草介著/水鈴社
大学病院と地域病院との理想の関係を描きたい
「春の星を一緒に」藤岡陽子著/小学館
夏川草介推薦コメント「人は一人では生きられない。
誰もが孤独な時代だからこそ、胸を打つ物語です」
作家 夏川草介のファン
「青のナースシューズ」の一文 藤岡陽子著/KADOKAWA
「はじめまして。看護学生の岡崎です」
川鍋さんのベッドは四人部屋の窓際にあった。
グレーのスウェットを着た肉づきのいい白髪の男性が
耳にイヤホンを差し込みテレビを見ている。
「こんにちは」と何度か話しかけてみたが、
イヤホンのせいで声が聞こうないようだ。
「川鍋さん、失礼します。本日実習をさせていただく看護学生の岡崎くんです」
松原についていた手塚が、状況を察してすぐにこっちに来てくれた。
川鍋さんがようやく成道に気づき、右耳のイヤホンを引き抜く。
「はじめまして。岡崎です」
改めて挨拶すると、川鍋さんの眉間に深い皺が刻まれ、「なんでおれの担当が
男なんだ。男とは聞いてないぞ」と訝しげに成道の顔を見つめてくる。
「今日から二週間、看護学生が担当させていただくとお伝えしていませんか?
清潔ケアをしたり、検査の付き添いなどを…」
手塚が丁寧な口調で事情を説明していると、
「聞いてない。いい、いい、あっち行ってくれ。男に世話されるなんてごめんだ」
エサをねだりにきた犬猫を追い払うように、川鍋さんの右手が空を切った。
男子看護学生が置かれている状況
ジェンダー・ディスクリミネーション:性別を理由に不当な扱いを受けること
❝母親目線❞で描く男子学生
「青のナースシューズ」の一文 藤岡陽子著/KADOKAWA
「向かないって思うのなら辞めたらいいよ。自分が患者だったら
酒向くんのような人には看護師になってほしくない」
表情を消した美国がぞっとするほど冷たい声で言い放つ。
酒向が顔を上げ、美国を睨んだ。
「たしかに仕事は生活のためにするものだと思う。働いてお金を稼ぐ。
そこに良心の介在は必要ないのかもしれない。でも、職業の中には、
良心を持たない人間が就いてはいけないものがある」
看護師もそのうちの一つだ、
と美国は酒向を真正面から見つめ、はっきりと口にした。
「それに酒向くんの発言は失礼だよ。自分や成道君や伊佐くん、
ここにはいないけれど真島さんに対して無礼なことを言っていると思う。
男子学生だけじゃない。看護師を目指すすべての人に対して失礼だよ。
給料や社会的地位、そういうものだけで職業を選んでいる
人ばかりじゃないってこと、酒向くんは知らないんでしょう」
仕事をする姿勢は生きる姿勢と同じ by 藤岡陽子
看護師としての誇り
後半で描かれるスピリチュアルなシーンを入れた意図
データを超えた生命力
「あの冬の流星」の一文 朝倉宏景著/講談社
「どうだ、調子は?」竜司はベッドのとなりの丸椅子に腰をかけた。
「うん、ちょっと背中が痛い…かも」度重なる検査だけでも、
小さい体には負担だったはずだ。同じ視線の高さで向かい合うと、
竜星の頬の肉が少し落ちているのに気がついた。食欲はあるか?
ちゃんと眠れてるか?さらなる質問を心のなかで押しとどめて、
竜司は息子の目を見つめる。「検査の結果が出たんだ。
さっき、母ちゃんと一緒に聞いてきた」ためらうな。
ためらえばためらうだけ、言うのがつらくなる。
わかっているのに、続きを話しだすまで数秒かかったのは、竜星の目が
父親のことを無条件に信頼しきっている者の、あまりに純粋な
輝きを放っていたからだ。竜司はついこの前、夜道を一人で
歩いているとき、意識して空を見上げた。真っ暗ななかに、
点々と光る星がちりばめられていた。ずっと見ていると、
ひときわ明るい星に吸い込まれるような感覚になった。
この子の目も同じ光をたたえていた。エゴや見栄、役割や打算といった
余計なものとはまだまだ無縁な、むき出しの生命が燃えている。
作品を届けたいのは…生きる意味を見失っている人
竜星の両親竜司と詠美が教会の牧師を訪ね「スピリチュアルケアとは何か」
を教えて貰うシーン
「あの冬の流星」の一文 朝倉宏景著/講談社
「子どもにかぎらず、余命幾ばくもないことを察したり、家族に
告げられたりした患者さんは、なぜ自分が死ななければならないのか、
自分の人生に価値はあったのか、自分が生れてきた意味はあるのか、
そして死後の世界は存在するのかなど、魂の深い部分の痛みとともに、
根源的な疑問を抱き、周囲の人々に訴えることがあります」
(中略)
「患者さんの抱くトータルペインをいかにやわらげてあげるかが重要に
なってくると、厚労省も緩和ケアについて述べています。
トータルペインとは全人的苦痛と訳されることもありますが、
身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、そしてスピリチュアルペインの
四つからなるとされています。
四つの中でスピリチュアルだけがなかなか適切な日本語に訳せないようで…。
ちなみに社会的苦痛は、会社や学校に通えずおいて行かれる不安、
今まで築き上げてきた人間関係から疎外されてしまう不安などでしょうか。
これら四つの痛みが、相互に深く関係しあって、物理的な身体の痛みに
あらわれることが証明されています」
看護師の奈緒が息子にスピリチュアルペインを説明するシーン
「春の星を一緒に」の一文 藤岡陽子著/小学館
うん、難しいよね。スピリチュアルペインっていうのは、
なんのために生きているのかっていう、自分が生きる意味を
見出せなくなることらしいの。症状が悪化してできることが
日に日に少なくなってくると、生きる意味を見つけるのが
難しくなるの。それがスピリチュアルペインといわれている」
作品で描かれている「生きる意味」
「あの冬の流星」の一文 朝倉宏景著/講談社
「お前の魂は、綺麗な青色に燃えている。」
(中略)
「竜星の青い炎は俺たち家族の誇りだ。冷静で、周りがよく見えて、
思いやりがあって、でも冷たいわけじゃねぇ。誰よりも熱い」
おじいちゃんが、目に涙を浮かべたまま大きくうなずいた。
「竜星の魂が燃やす青い炎は、パスを渡すみたいに、ほかの人にきっと
影響を与えられると思うんだ。お前の近くにいる
誰かに-燃えていない誰かに火をつけられる」「そうだよ、竜星。
私、今まで全然燃えていなかったんだ」亜沙美は思いきって口を開いた。
「醒めているのが格好いいって勘違いして、やる気も根気もなくて、
将来を悲観してカスカスだった」わざと大げさに笑ってみる。
「でもね、竜星が私に火をつけてくれたの。青く透き通って綺麗な炎」
竜星も目に涙をいっぱいためながら、微笑みかけてくれた。
「私はね、竜星から分けてもらったみたいに、さらにその炎を
これから出会う人、望む人みんなに分けてあげることができるんだよ」
竜星の目が大きく見開かれ、輝いた。
命と向き合う物語医療小説特集 おすすめの「医療本」
朝倉宏景
「背中は語っている」松波太郎著/晶文社
臨床家が読み解き明かしている背中の秘密
セルフチェック・セルフケアも可能な東洋医学入門エッセイ
「あの冬の流星」のラストシーンで救われる 林P
藤岡陽子
「救命センター カンファレンス・ノート」浜辺裕一著/集英社文庫
現役医師が描く、生命と向き合う救命救急医療のリアル
最前線で、どこまで医療介入すべきか頭を悩ませる
助けるべき人間だったのか?自問自答を繰り返す癖になる小説
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