田宮川川面を揺らす秋の風
夜明け前サイレン響く秋の街
風爽か過疎地の朝へ戻りけり
防波堤すすき音立てなびきをり
秋の街使えぬカード持ち歩き
■プレバト纏め 2023年9月7日
エレベーターで一句
特別永世名人 富美男の締めの一句
梅沢富美男
白桃や車いす用ボタン押す
添削(語ったことが実現できていない部分がある。それが「や」
詠嘆「や」上の言葉を強調する「!」のような効果がある。
詠嘆した後にカットを切り替える働きがある。
一緒に存在する映像にした方が絶対良い。
小さな空間に桃の香りがゆっくり広がる。
「抱いて」「押す」2つの動作の言葉が必要。)
桃抱いて車いす用ボタン押す
永世名人への道
皆藤愛子
閉(へい)ボタン連打秋夜のエレベータ
(カメラワークが効果的。
秋夜 静かで段々と長くなる秋の夜のこと。
理由もなく寂しい秋。不安に囚われがち。
「秋思」秋の憂いを抱きがちな季節。1音たりなさそうな気分。
不安とかすかに響き合う。意識して言葉を選んでいる。エレベータ)
特待生昇格試験
勝村政信
この階で降りればいいのか鬼灯(ほおずき)め
添削(鬼灯は秋の季語。鬼灯は死者の棚椎を導く提灯と言われている。
得も言われぬ不思議な世界。魅力はある。
言いたい世界が言葉として補強されていない。
言い方を変えると良くなる。
この階で降りるか❓降りないか❓
手の鬼灯を提灯のように灯して。
次の人生に足を踏み出す。)
この階で降りるか鬼灯を灯して
1位 斎藤司
小さな手2回ボタンに届く秋
(中七・下五の展開が上手。数字は漢数字で書くのが定石。
あえて「2」にしてる。「2」の映像がこの句は大事。
エレベーターと書かないでエレベーターと思わせている。
具体的な映像を描いている。
春夏は届かなかったのに秋(きご)になって背が伸びたかも。
親の喜びが露骨でなく書けていて季語が主役に立っている。)
2位 和田アキ子
NHKホール迫(せ)り上がる良夜
(固有名詞を上手に生かした句。
良夜とは秋の季語 十五夜、中秋の名月の夜のこと。
実感、感情を持って季語を置いた。
季語が作者の心の模様を写す季語となっている。)
3位 松倉海斗
秋涼しハンカチ社員笑み浮かべ
添削(笑み浮かべは不要。季重なり ハンカチは夏の季語
秋涼しは秋の季語 初秋の頃の涼気、涼風。)
エレベータに秋のハンカチ使いをり
エレベータに秋のハンカチ使わざり
4位 秋元真夏
若煙草纏(まと)いし君に気もそぞろ
添削(面妖な不可解な光景の句。
若煙草とは秋の季語
その秋に初めて作られた乾燥させた煙草のこと。)
嗅ぎ慣れぬ秋の大人の煙草の香
次回のお題は「夜食」
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