鶏頭や子規思い出し口ずさみ
生まれ持つ品と格式秋彼岸
星流る翻弄されし天気雨
亡き人の年を数えん残る蝉
秋高し人生ここが土俵際
■ワルイコあつまれ 稚児俳句
辻内京子 髙柳克弘 松尾葉翔
兼題「知らんけど」てれかくし 責任放棄
夕ぐれを呼ぶ秋蝉(しゅうせん)か知らんけど 辻内京子
(秋蝉 秋になっても泣いている蝉)
知らんけど言うてあくびや夜学生 髙柳克弘
(夜学生(やがくせい) 秋の季語
定時制高校・夜間の大学に通っている学生)
虫の声?なんか聞こえる知らんけど 松尾葉翔
(虫 秋に鳴く虫 「虫」は秋に鳴く虫だけを表す)
添削
闇の声あれはこおろぎ知らんけど 辻内京子
(こおろぎ 秋の季語)
幽霊の正体は虫知らんけど 髙柳克弘
(本歌取りという技法を使用
本歌取りとはよく知られている句や諺を
アレンジして作品を作る方法。
幽霊の正体見たり枯れ尾花 の本歌取り
意味 怖いものもその正体は少しも怖いものではないという例え
元の句を借りて自分の作品の力にしていく。)
松尾葉の稚児俳句まじ知らんけど 松尾葉翔
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「鹿」
「鹿」は非情に日本人にとっても馴染みの深い動物ですね
詩歌の世界においても和歌の時代から素材として
読まれ続けてきた動物です
俳句の世界においても「鹿」を扱った季語は多く
春には「孕み鹿」お腹に子を宿した「鹿」の姿も
一つの季語としてたっております
夏にその「鹿」の子が産まれる「小鹿」
これは夏の季語になります
いよいよ本季語と言いますか「鹿」は
秋の季語になってくる訳です
この「鹿」は大体秋頃に交尾をして
子をなしていくという事も伝わってきております
日本人と馴染みの深い「鹿」他にも探したら
いろんな季語が出てきそうで面白い素材です
■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「秋園」
音で聞くと分からない季語
カタカナで書くと「シュウエン」
これが今日の季語です。
日本語には同音異義語
同じ音で違う意味になる言葉がたくさんあります
シュウエンと言った時にも季語ではない言葉
物の周りの縁であったり(周縁)
何かが終わる事(終焉)そういう事もシュウエンと言います
季語におけるこの「シュウエン」とは
「秋園」と書いてシュウエンとなります
こういう同音異義語の季語は音だけを聞いて
俳句を楽しむ所では使いにくい難しい扱いになったりします
ラジオ等には向かない季語かもしれません
実はこのシュウエンという音で「秋燕」と書く
シュウエンもあるんです
音で聞くしかない時にはどの季語で使っているのか
聞いて分かるような周りの仕掛けも必要になってきます
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