中谷芙二子女史&田中泯氏へ
秋興や霧の放出子の笑顔
それぞれの思いを持ちて秋の霧
霧はJazz制御不能の秋の舞
秋夕焼け舞うダンサーや霧の中
踊り切り深き礼せし秋の風
■NHK短歌 題「子育てをめぐって」
選者 山崎聡子 ゲスト ベッキー 司会 ヒコロヒー
年間テーマ「伝えられなかった思い」
地下鉄でレーズンパンを食べてゐる茶髪の母だついてきなさい
山木礼子
友達の生んだばかりの子のしゃっくりが聞こえる電話の奥いらっしゃい
山川藍
子育ては同じ立場でも微妙なグラデーションがあって
相手の立場を実は分からなかったりすることが多い
短歌を通すと「そっち側にはそういうふうに見えているのね」と
物事の多面性を理解できることにもつながる
▪つぶやきを短歌に
泣いていた鬼はわたくし鶏肉をつぶして子供の口に押し当て
山崎聡子
▪テレビ歌会
入選九首 テーマ「子育て」をめぐって
私 父親になったばかりの先輩の仮眠を守る隊列を組む
遠藤翠
私 少子化のニュースを見ながら食べている十円安いカップラーメン
湊正気
三席 私 母の母その母の母落葉を永久(とわ)の娘として踏み鳴らす
小林菫子(すみれこ)
二席 鏡越し自分の心が分からぬと並んだ肩が高い子の言う
新井場公徳
かわいいと思えなくて、という人の子の履いてきた新しい靴
山田香ふみ
一席 ようやくに子は寝入りたり換気扇をすべて鳴らせば洞窟の家
佐藤ゆうこ
私 葡萄色した夕空を生まれないわたしの子にも見せてあげたい
砂崎柊(しゅう)
解のない問題解いていたような子育てに日々あかい付箋紙
甲斐直子
自転車の前と後ろに乗せられて姉妹と母は一羽のかもめ
風鈴
▪ベッキーさんの「子育て」をめぐって
次女を抱き長女と話し魚焼くエプロンつけた千手観音
ベッキー
▪ことばのバトン
鼓動のリズム「此処にいるよ」と
真山りか(私立恵比寿中学)
⇩
目を閉じて戦に揺れる無窮の野(や)
ガリーナ・シェフツォバ(キーウ国立建設・建築大学教授)
(無窮とは限りのないこと)
黒陶芸固くまで焼けた母国の月
ガリーナ・シェフツォバ編訳「紅色の陽」(ドニエプル出版)より
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