2023年9月30日土曜日

あさイチ 日常にいろどりを!短歌ライフのススメ

ラグビーワールドカップ2023
十五夜のエール届けと夜明け前
マイケルの厚き胸板秋の芝
頼もしき松田のゴール天高し
秋の声松島独り走り切る
秋晴るサモアに勝利抱き合う

■あさイチ 日常にいろどりを!短歌ライフのススメ

日常に短歌を取り入れ人生を豊かに楽しむ人たちがいる
泰郎

洗面台きれいに使えない父は年頃の娘に嫌われちゃうよ
こんな日にシーツ洗ったの雨なのに私言ったよ明日は雨だって
子守歌あなたのために歌ってるわけじゃないので起きてください
認知症「好きな人から忘れてく」嫌いで良いよ覚えていてよ
前園優子

おしゃべりの輪郭すこしみえてきた「あーいー」と笑う君に微笑む
おろしたての真っ白な靴は一日でドロドロになる公園デビュー
友といふ言葉を知らぬ一歳が泣いてゐる子の頭を撫でる
大人たちが取材に夢中な時に子は夢の中にて深呼吸する
丹羽紗矢香

とりどりの日々をたっぷり描(えが)こうよ三十一文字(みそひともじ)のパレット持って

題 私が見つけた小さな秋

スマホもね楽しいけれどたまにはねテレビも見てよ父さん出てる
泰郎
バッタ追う娘の格好バッタのようでバッタが跳ねれば娘も跳ねる
めぐりんご
たべちゃだめたべちゃだめだよたべちゃだめあー秋なのに秋なのに
ねこねこ

歌人 木下龍也
違いとは間違いじゃない窓ひとつひとつに別の青空がある
心配のバトンを長く持っていたかたちのままのさびしい片手
そうだね、とただ受け止めてほしかったキャッチボールに打者はいらない
対岸に涙で濡れたハンカチを振り合う人のいるあたたかさ
(「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
俵万智女史の短歌)

「この味がいいね」と君が言ったから7月6日はサラダ記念日
(この料理はカレー味の唐揚げだったそうです。)

真夜中に寝返り打つ度目が覚める霊感シーツの威力絶大
トモだっぺ
秋の朝きのうの思い出あたたかく「あと5分だけ」シーツもごもご
すみすみ

牧水・短歌甲子園
高校の部活訊ねてみたところ短歌に打ち込む姿があった

〈ひかり〉なく〈のぞみ〉はあるというアナウンス受験前夜の新大阪に

ねぇ待って貴女に追いつけそうだから新しい靴の踵を潰す
樫下小春
ざりざりと血が滲んでいる新学期談笑(だんしょう)って右足からだっけ
岩本菖(あやめ)
ワクチンがないから今日も渦巻いて消えない新型コトバウイルス
言葉から零れ落ちてくいじわるが嫌で隠した心のしっぽ
藤井渚央(なお)

言葉と風ニモ負ケズ考える葦が歩いていくための足

恋人が死ぬ夢を見た翌朝は死ぬ恋人がそもそもいない
西昴希
ドア閉まり君と二人のエレベーター上がりっぱなしの恋エネルギー
東木場葵

▪短歌づくりへの道①
テーマを探そう テーマを探すコツ
見た目音におい味など同じ風景が違ってみえた瞬間に注目

短歌づくりへの道②
情景が浮かぶように描写しよう 情景を描写するコツ
物の名前や数字を使って共感を得る

短歌づくりへの道③
心情をにじませよう

目を合わせ目をそらせては笑いあうハンバーグの湯気ふらふら揺れる
鈴木奈々 添削 俵万智
目を合わせ目をそらせてはまた合わすハンバーグの湯気ふらふら揺れる

本当は唐揚げだったと知らされてこの戸惑いは食べてごまかせ
スキマサ
駅前のドラッグストアを出れば月香取りの入荷はもうないらしい
オーガストスガワラマサト

▪オンライン発表会
制服の子らをホームで出迎える老警備員の背すじ伸びたり
眉上げて「おう」娘を迎えみる元気なころも最期の今も
中邑真由美

▪家族との日々を具に詠み続け白寿の縁で託す心音
西尾冨枝さん(99歳)
小6で短歌をはじめ、80年以上短歌を作り続ける

朝露に濡れつつ畑に来て見れば授粉済みしと蜂が舞いをり

草取りにいそしみてこし証かな草掻きの先丸くなりたり

秋風に木の葉の鳴るは悲しけれ亡き祖母の声聞く心地して
(小学6年生の時に詠んだ歌)

出会ひまた別れてゆくや家族とふ凌霄花(のうぜんかずら)炎えて散り敷く

吾娘生れし杳(とお)き日の夏思ひつつ孫に着せむと産着縫ひをり

忙しいと言ひつつ娘が来てわれの肩ねむごろに揉みそそくさ帰る

終末はこのやうなるか脱水機の静かに止まる音を聞きをり

短歌は手紙

▪あさイチ
あさイチの短歌を作るお題見て作文の宿題思い出す(もう間に合わない)
みーちゃん

生きてたら金婚式だねこの秋は貴方と出会った京の風おもう
ひまわり

インスタが月見だらけに変わってるみんな流行に敏感過ぎる
からあげBOY

大好きよあなたの寝顔そのいびき授乳中だけ腹が立つけど
新米母さん

身のうちに金木犀の香の満ちて君への思い膨らんでいく
ペコばあば
お彼岸に十年日記読み返す年々ずれる残暑の終わり
ばん
泰郎さん彼女はきっとNHKプラスであなたの活躍見てるよ
やっこ
嬉しいなあなたの優しさ身にしみるプラスでみるなら画面右下
泰郎
ハンバーグ今日食べるよと優しくてらしさ満開応援歌
ごりらん
デラウェアのごとき赤子の足の指深夜になぜるなんて可愛い
ゆかの母
もつ鍋に、生ビールからのハイボールシメはラーメンおじやかな
福岡にはなりんしゃった栃木の母
バイトから娘が帰り手がつめたい両手をつつみ秋を見つける
ぷーぷーくー

近藤泰郎アナウンサーの大ファンになってしまいました❣
私のストライクゾーンど真ん中でございます❣
\(好き❣好き❣大好き❣)/\(絶叫❣)/

2023年9月29日金曜日

ロッチと子羊55

秋あわれ悲しみだけがしがみつき
秋さびしひもじいだけの人生よ
秋北斗光見つけて消さないで
満腹な心を持ちて秋の晴
天高し時代に沿ったメソッドを

■ロッチと子羊55
アイドルの悩み編
▪SNSの数字に一喜一憂してしまう
数字だけに頼っていたのでは
人類は滅びます
数字と洞察力の両方が必要なのです
ガブリエル哲学

現在は多くの人が「慢性的承認不足」に陥っている
SNSをやめられない要因
① 中毒性
適当な距離を保つ必要がある
② 数字
数字のマジック 人を惑わすこともある

ガブリエル
数字から現実を正確に読み取れていた?   
数字に踊らされる世界の傾向に警告
(自身が)入れていたSNSほぼ全部削除した
数字だけをクローズアップすると
人の複雑な感情「質」を取りこぼしてしまう

小川仁志先生
再生回数が多いからと言っても
世間に評価されている
少ないから評価されていないとは
決められるものではない

この思い届け!と願う人に向けて
アイドルの魅力をちゃんと届けること
広めることも大事ですが内容も大事になる
「たった一人へのメッセージもちゃんと伝える」

▪素の自分でいいのかキャラ設定すべきか
表面的な個性ではなく
個性を生み出す強度に
目を向けることが大事なのです
ドゥルーズ哲学の応用

小川仁志先生
人と違うことを追い求めることで
個性が生まれるわけではない
個性が生み出す力がないと
魅力的な個性にならない

強度とは内包性とも訳される
何か内から生み出す強い力⇨個性の誕生

殻を破ることが強度
魅力的な個性を生み出してくる
内なる力
表面的なことばかり考えて
強度が見えていなかった

強度を抑えてしまっていた
無意識に強度を抑えてしまっていて
素と思い込んでいるだけかも

そんな簡単には強度は出てこないと思う
蓋が重ければ重いほど時間がかかる

もっと自分を肯定してあげて

2023年9月28日木曜日

西村賢太 破壊の無頼派

秋袷(あわせ)言葉の裏が透けて見え
秋彼岸氷浮かべた抹茶かな
秋夕焼蔦に覆われひっそりと
夕月夜神さまからのプレゼント
星月夜日々消えゆく遠き日よ

■魂を継ぐもの~破壊の無頼派・西村賢太~
人間、ダメなところなんて
いくつあってもいい。
今すぐ直そうと思う必要もありません。
むしろそれを覆い隠しながらの人生は、
厄介なものです。
ぼくは父親が恥ずべき犯罪事件を
起こした為、近所の目から逃れるように
夜逃げした過去があります。
この事実を、ぼくはずっと隠して
生きてきました。
今は小説中で、それらのことも
曝けだしていますが、もっと早くに、
かような過去を振り切っていれば
良かったと後悔しています。
「青き愚者の記録」

ダメな部分も抱えた生身の生を、
堂々と突き進んで行って下さい。

最早自分の原稿を採ってくれる媒体は
ただ一誌きり
短かった書き手生命も、
いよいよの風前の灯しび
「一私小説家の日乗~野生の章~」

今の貫多の心情は
何やら晴れやかであった
何度も述べているように、
彼はもう
とっくに人生を棒に振っているのだ。
考えてみれば、
人生を棒にふっているものに
今年も来年もない。
一切、関係がない。
本当の始動は、今からである。
自分の為すべきことは
やり続けるより他はない。
「―まあ、たいしたことじゃねえわな」
「蝙蝠(こうもり)か燕か」

▪西村賢太氏が尊敬していた藤澤清造の言葉
それにつけても金の入る方法はないものか。
そうだ。
私に金さえ持たせてくれるなら、
私は失いかけている健康も、
回復することができるのだ。
しかし、其の金を得る方法は、悲しいかな
現在の自分には恵まれていない。
恵まれていないとすれば、所詮は
盗み騙(かた)りをする外には仕方がない。
ところで私には、
それを断行する意思がない。
「ああ、何時まで
こうした生活を続けねばならないのか。」
藤澤清造「根津権現裏(うら)」より

一読して泣きたいほどの共感を覚えた。
満たされることのない
暗い青春の鬱屈と怒りが充満していた。
〈ああ、何時までかうした生活を
続けねばならないのか。〉
と云う作中主人公の嗟嘆(さたん)は、
殊に心に響いた。
冴えない自分の人生は、
この私小説の航跡が
唯一無二の道標になるように思えて
ならなかったのである。
こうなれば、最早、
泣いている場合ではなかった。
能登の七尾に在す
その墓(西光寺)に向かったのは、
一九九七年の三月下旬だった。
通り一遍の展墓ではない。
すがりついたのである。
西村賢太

土下座して清三さんの横に墓を建てさせてくれ
西光寺住職 高僧英淳

十月四日(月)
痛みにより、
浅いうたた寝で夜を明かし、昼に至る。
入浴もできず。
悪いことに煙草もあと一箱しかない。
けれど依然、室内歩行もままならぬ状態。
やむなく朝日書林の荒川氏に電話をして、
拙宅まで来て頂く。
買い物を依頼。
「一私小説家の日乗~這進の章~」

果てもなき暗渠(きょ)の中の一本道 西村賢太

2022年2月4日
赤羽でフライドチキンを買った西村さんは
タクシーの中で倒れる
そのまま目覚めることもありませんでした
54歳の若さでした

ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%9D%91%E8%B3%A2%E5%A4%AA
1967年(昭和42年)7月12日 - 2022年(令和4年)2月5日

合掌…。
青葉真司と同じ匂いがするのですが私だけでしょうか❓

2023年9月27日水曜日

プラスチック米&名言&「よもだ俳人 子規の艶」

(2023年)秋彼岸いまだ裸族をやめられず
稲作のメタン発生秋の報
水田からのメタン抑制秋思かな
中干しによるメタン削減秋懐
未熟粒米発生す秋さびし
食料の高温不稔(ふねん)秋あわれ

■スピルリナ普及会のメールより
プラスチック米とは、
精米改良剤という食品添加物。
古米を艶やかにする事が目的。
精米改良剤の主成分は、
プロピレングリコール(PG)。

これは化粧品や洗剤に使われている物質。
液体プラスチックとも呼ばれている。

これをお米にコーティングするので
「プラスチック米」と呼ばれている。
ほかにも精米改良剤には、
植物油脂 合成甘味料(D-ソルビット)
グルタミン酸ナトリウム、リン酸塩、
グリセリン脂肪酸エステルなどが
使われているらしい。

このような精米改良剤は、
コンビニ、ファミレス、スーパー、
チェーン展開している外食産業などのお米に
使われているらしい。

■名言
一休 曰く
「生まれては 死ぬるなりけり おしなべて
 釈迦も達磨も 猫も杓子も。」

生田長江 曰く
「自分の前にいっぱい敵があらわれた時
 振り返ってみるがいい。
 味方だっていっぱいいるものだ。」

中村天風 曰く
「清濁併せ呑むということの出来ない人は
 広い世界を狭く生き、調和のある人生を知らず識らず
 不調和におとしいれる人である。」

■夏井いつき俳句チャンネル
【新刊のご案内】「よもだ俳人 子規の艶」について

よもだとは…。
「反骨の精神をおとぼけのオブラートでつつんだような気質」
天野祐吉

子規はおとぼけとユーモアで包まれていた人だったようです。
奥田暎二氏もかなりのよもだだったとか…。

2023年9月26日火曜日

兼題「茸」&名言

秋彼岸ケミストリーの違いかな
碇星NICOBOと過ごす日々間近
秋を食ぶ松坂下す阿波の牛
松坂に勝る阿波牛美味し秋
阿波牛の甘き脂よ秋の夜

■NHK俳句 兼題「茸(きのこ)」
選者 高野ムツオ ゲスト 西村麒麟 松本てふこ 辻村幸多 新堀笙子
年間テーマ「語ろう俳句」
今回から句会がスタート
兼題「茸」きのこそのものにはユーモアがありメルヘンがあり
さまざまな角度から詠むことができる
とても広がりのある面白い題材

① 茸籠子供が足して行(ゆ)きしもの   西村麒麟

② 街ぢゆうの茸を開きゆく雨か   辻村幸多

③ 舞茸の羽のごときが吸物に   松本てふこ

④ 茸食べ過ぎたか又も夜の地震(ない)   高野ムツオ
地震=ないふる その神さまが揺らしたという意味の言葉

⑤ 来たときはなかったはずの茸採る   新堀笙子

▪特選九句発表 兼題「茸」
三席 茸飯ありと親父(おやじ)の走り書き   藤田晋一

二席 分校の廊下を渡る茸鍋   辻基倫子(きりこ)

一席 山神(やまがみ)の常夜灯なり月夜茸   秋山功一
(茸に毒があるというのは他のものに食べられないようにするため
 自分の身を守るためなのでそれが自分自身のためではなく
 山の神様のために自分の体内に毒を溜めている
 捉え方もなかなか素晴らしい)

月夜茸昔ここらは海の中   佐藤佳夫
なんやかや全員参加茸鍋   田中和行
茸採る祖母の手控へ帳を手に   片桐理勝
茸飯握れば指の腹たのし   葉村直
嬌声や紅き茸の周りには   石破ますみ
茸飯本復飯(ほんぷくめし)となりにけり   押領司雅俊

参照:https://www.nhk.jp/p/ts/6Q6J1ZGX37/blog/bl/pLvva3ZRZL/bp/pNXemzbR82/

■名言
小林一三 曰く
「金がないから何もできないという人間は
 金があっても何もできない。」

伊達政宗 曰く
「この世に客に来たと思えば
 何の苦もなし。
 朝夕の食事は美味からずとも
 誉めて食うべし。
 元来客の身なれば
 好き嫌いは申されまじ。」

羽生善治 曰く
「勝ち負けには、もちろんこだわるんですが、
 大切なのは過程です。
 結果だけなら、ジャンケンでいい。」

2023年9月25日月曜日

テーマ「?(疑問符)」

秋日和もう一回のビールかけ
ビールかけ予行演習天高し
一丸となり二度目のあれへ秋麗
続くピーコック革命秋の声
男ミニ女はロング蚯蚓鳴く
策動を魅了さるるは不完全魅了してこそ戦略に勝つ

■NHK短歌 テーマ「?(疑問符)」
選者 岡野大嗣 ゲスト 上野水香 司会 尾崎世界観
第4週の年間テーマは「グッとくる瞬間」

踊り終えブラボーのこゑなりやまぬいきはずませる幼き踊り子   
上野水香女史の祖母の短歌

自分がその場に立っているかのように孫娘を見ていた
岡野大嗣
おばあちゃんの夢も同時に上野さんが叶えた
尾崎世界観

「疑問符」は普段心の中で起こっている
心の中では何かが動いている瞬間
声には出さないけどさざ波みたいに
小さい「グッとくる」

えっ、七時なのにこんなに明るいの?うん、と七時が答えれば夏
岡野大嗣

▪入選九首 テーマ「?(疑問符)」
「チョコミント好き?」「微妙かな」ファミレスの少女らの声だけがまだ夏
夏野あゆね
一席 疑問符がやたらつくから魅(ひ)かれたのみんな消へたらきつとさよなら
大村森美(もりよし)
校長が娘のバッグに驚きぬあの小ささで五万円とは 
池野宗子
二席 私 卒園式に母親たちだけ泣いていた林の中のカトリック幼稚園
岡本和子
いる?じゃなくあげると言って手が触れたピスタチオ味の真四角のチョコ
櫻井つむぎ
このバスは本当に家に帰るのか降車のボタンに灯る疑問符
河本要
三席 「なんで?」って聞かれた時の″で″の音が張り付く耳を死ぬまでずっと
淡島けのび
花束を送ろう(どこへ?)花束を送ろう(だれに?)(花束ってなに?)
岡田快維(かい)
「歌う時は低くないでしょ?」って笑うあなたは僕の生きる意味です
栗皮

▪表現者の原点
自分らしさが表れているのはどんな瞬間?
体が柔らかいのとは別に
空気の「柔らかさ」「しなやかさ」があると思う
最初は技術面とかポテンシャルの面で磨きたいと思う
だからそれを一生懸命やるが
どんな人でも人間の体には限界がある
技術がいきついているけど
どこで差をつける良さを出すかというところで
自分らしさ個性
いろんな方と共演するなかで
それが大切だと気づかされた
上手じゃなかったとしてもひかれる
たくさんのダンサーがいるなかで
その人が出てきたらつい目を追ってしまう
ああいうのって何だろう
言語化できないところがある
上野水香

「疑問符」がつくからじゃないですか
岡野大嗣

▪それぞれの「?(疑問符)」それぞれの表現
山の雨出て来ぬ星を見上げると踊れぬ舞台雫が光る
上野水香

影がある人って光がちゃんと出せる 岡野大嗣

清里の雨にゆずりはしたけれど星はまた降る空に舞台に
岡野大嗣

2023年9月24日日曜日

緒方貞子 知恵泉

匂い立つ新米を蒸す待ち時間
秋場所や読めぬ四股名の多きこと
サポーターつけない力士少なけり
不動の人気リーチ・マイケル秋を走
秋を蹴る松田の人気跳ね上がる

■知恵泉 緒方貞子 自らの才能を開花させる術
私はもともとおてんばでした
身体を動かすことが大好きだったんです
一番近くにあったのがテニス
スパンと打てた時は本当に気持ちいい
「東京都テニス協会60年誌」より

当時のUNHCR官房長 ソーレン・ジェッセン・ピーターセン
しばしばスタッフのカフェテリアに行って
スタッフたちと話をしながら食事をしました
高等弁務官としての彼女のそういった姿勢は
スタッフに非常に前向きな印象を与えました
彼女の決断はいつでも人の意見を
聞いたうえで導き出した結論でした

Be independent(自立した人でありなさい)
Be intelligent(知的な人でありなさい)
Be cooperative(協力する人でありなさい)

それこそ赤ちゃんの目方を測って
目方を測ることによってどのくらい成長しているのか
そしてそれにどれだけ母乳が必要かとか
そういうこともやりました」
小山靖史著「緒方貞子 戦争が終わらないこの世界で」より

現場感というものがなくて人は説得できない

お父さんのパタニティ・リーブ(男性の育休)も
かなり長く取れるようになった

世界難民白書 人道行動の50年史
情報は力 今の意思決定に役立っている
緒方貞子さんのおかげ

■知恵泉 緒方貞子 目的達成のための交渉術
国際舞台で様々な仕事をするようになって
気づいたのはテニスで培った戦略性が役に立つということ
テニスって空間を見つけることがとても大事でしょう
右が空いていればそこへ
後ろが空いていればドロップショット
ネットに詰められたらロビング
そうやって相手の手を読むことが得意のようでした
「東京都テニス協会60年誌」より

人道問題に人道的解決はない
政治的な解決がない限り国内避難民も難民も帰れない
人道援助だけでは解決はない

この人を助ければいいで終わる問題ではない

私感
改めて緒方貞子女史の偉大さを認識しました。
素晴らしい番組でした。

2023年9月23日土曜日

中原淳一&ラグビーワールドカップ2023観戦詩

タイミング悪しきゴーギャン鱸(すずき)食ぶ
秋の霧眉山すっぽり隠しけり
今年米脂ののった鮭炙る
ましら酒人の眠りを妨げん 
従兄から届く新米ぴっかぴか

■歴史秘話ヒストリア 中原淳一 より

もしこの世に風にゆれる「花」がなかったら、
人の心はもっともっと荒んでいたかもしれない。
もしこの世の中に「色」がなかったら、
人々の人生観まで変わっていたかもしれない。
もしこの世に、「小鳥」が歌わなかったら、
人は微笑むことを知らなかったかもしれない。
もしこの世に「音楽」がなかったら、
このけわしい現実から逃れられる時間がなかっただろう。
もしこの世に「詩」がなかったら、
人は美しい言葉を知らないままで死んでいく。
もしこの世に「信じる」ことがなかったら、
一日として安心してはいられない。
もしこの世に「思いやり」がなかったら、
淋しくて、とても生きてはいられない。
もしこの世に「愛する心」がなかったなら、
人間は誰でも孤独です。
中原淳一

1915年(大正4年)
父親の転職により一家で徳島県徳島市船場町に転居。
1920年(大正9年)
父親の死去により、母、兄と共に徳島市弓町に転居。
1924年(大正13年)
母とともに広島県広島市に転居、広島女学院付属小学校に転入。
代用教員時代の杉村春子と知り合い、生涯にわたり交遊を持った。
1940年(昭和15年)11月 
宝塚歌劇団元男役トップスターの葦原邦子と結婚。
のち二男二女に恵まれる。
1972年(昭和47年)6月
脳血栓で倒れ、館山市の高英男の別荘にて療養生活
1979年(昭和54年)
脳血栓と心臓発作のため入退院を繰り返す。
1983年(昭和58年)
2月下旬、意識不明となり入院。4月19日、死去

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%8E%9F%E6%B7%B3%E4%B8%80


■#ラグビーワールドカップ2023観戦記

夜明け前送りつづけるエールかな
どこまでもポジティブ思考の解説者
秋の雲ボール持ったらノックオン
仏の芝日本を救うリーチかな
歴史的勝利を期待秋の仏
ワントライワンゴールへと桜GO
此見よがしの強き体幹英選手
11戦11敗次こそは

次に期待しています❣

■牧野富太郎氏家系図
https://kitakyushu-iot.com/tomitaro-children/

2023年9月22日金曜日

お蕎麦屋さんで一句

シオマネキ秋の干潟をちょろりちょろ
山荒れて吉野川へと秋の声
シオマネキ口元隠し秋を食ぶ
シオマネキ青い子元気秋の空
吉野川絶滅危惧種そこかしこ

■プレバト纏め 2023年9月21日
お蕎麦屋さんで一句
新蕎麦は秋の季語

特別永世名人閉めの一句
梅沢富美男
梁(はり)太き山家(やまが)色濃き走り蕎麦
(言葉の過不足なく書けている。走りという言葉には
 先取りをする粋。勢いを表現している。
 思い通りの所に読者をひっぱっていく
 技術は全部身につけている。)

永世名人 村上のお手本
村上健志
蕎麦猪口(ちょこ)の藍に濃淡水の秋
(水の秋は秋の水という季語の傍題。
 秋という季節に軸足が傾く。秋の水の美しさ。
 季節の味わいも補強していく。)

特待生昇格試験 
皆藤愛子
七味の蓋差し直し初蕎麦待つ
添削
蕎麦待つ七味の蓋差し直し

1位 ゆうちゃみ
秋風の駅や立ち食い鴨南蛮
(やの使い方が上手。秋風の駅とすると風が吹いている場所
 駅という大きさが分かる。やの詠嘆で秋風の吹き渡っていく
 映像として立ち上がって来る。光景が切り替わる。
 手元の鴨南蛮へアップで寄ってくる。カメラワークが上手い。
 主役として季語が認識される。)

2位  浅野ゆう子
CMのオファー来老舗の新蕎麦を
添削(「し」の音も響いてくる。音数合わせの老舗は省く。)
CMのオファー来新蕎麦かぐわしき

3位 酒井美紀
望月や蕎麦と肴の箸休め
添削(月は秋の季語だと思うのですが、
   季重なりにはならないのでしょうか❓)
蕎麦や出で来る月が箸休め

4位 二階堂高嗣 
台本見ながら4人で新蕎麦
添削
台本を見つつ四人で食う新蕎麦
(新蕎麦が主役に立っていない。)
台本を置いて四人で食う新蕎麦
(置いてにすると季語が主役に立っている。)

次回のお題「母の背中」

2023年9月21日木曜日

四字熟語&「小豆洗」&第7回尻文字三角パス③

風まかせパンパスグラス揺らり揺ら
白き穂のパンパスグラスと秋茜
祖谷の地に天狗現る秋の報
アレフを知らぬ子が標的に秋黴雨(あきついり)
地虫鳴く巧いと好み違いけり

■四字熟語 俵万智@tawara_machi より
一刀両断→まっぷたつ
一発逆転→ワンチャン
抱腹絶倒→テラワロス
起承転結→4コマ漫画 
自給自足→サバイバル 
絶体絶命→やべ詰んだ
有耶無耶→知らんけど
八方美人→ねこかぶり 
竜頭蛇尾→しりすぼみ 
反面教師→ダメな見本(俵万智)

■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「小豆洗(あずきあらい)」

日本の伝説やあるいは落語などで取り扱う
ショキショキショキの「小豆研ぎ」とは別物です
「小豆洗」とは昆虫の名前
「茶立虫(ちゃたてむし)」の別名となっています
「茶立虫」という虫ご存じでない方も
いらっしゃるかもしれませんが
現在は「不快害虫」という事を
一般に言われていたりします
家の中に大量に出てきたりして本などを食べたりする
そういう物になるのですが一回出始めると
とてつもない数が湧いて大変なことになります
我が家も一度ひどい目にあいました
「茶立虫」という名前の由来は
障子などにとまって紙を掻いたり叩いたりする音が
お茶を点てる音に似ているから
「茶立虫」になったという説があります
兎にも角にも皆さま 特に紙の多い家は
「茶立虫」の発生にご注意ください

■夏井いつき俳句チャンネル
【第7回尻二字三角パス③】作句編パート2

現在の尻文字「おん」
音頭とは老いの呻きよ盂蘭盆会(うらぼんえ)   朗善

…んえいは貴女で三伏の寝耳   家藤正人

耳のないいうれい舌のない風鈴   夏井いつき

2023年9月20日水曜日

ロッチと子羊54

秋の空鼻っ柱の強き人
それぞれの美を競い合い稲光
このままで終われない秋の夕焼
他人の為使う時間や星月夜
星明り自分の時間どこへやら

■ロッチと子羊54 予備校講師編
▪「超一流」に負かされたい

常に自分を彫刻し続けることが
超一流との出会いなのです

プロティノス哲学の応用

超一流とは固有性を持っていること

周囲にいる普通と呼ばれる人たちの中に
どんな超一流が隠れているのか
発見できてこそ自分を高められるんじゃないでしょうか

固有性をどうやって見つけるのか❓
偏見を彫刻する
自分の地位、肩書、実績、容姿を削っていく
物事を純粋に捉える目ができるのです
複数の要素で見てはいけない!

超一流に出会うというのは
普通の人の中にも固有性があって
それを見つけることが
本当の意味での超一流と出会うということ

哲学プラクティス
中岡創一の固有性 自分とちゃんと向き合っている人

怖くても、動こう。伊藤賀一

▪なんでも仕事を引き受けてしまう
人生の究極目的とは快楽です
それを求めることは止めることはできません
だからこそ快楽を減らせばいいのです
アリスティッポス哲学の要約

真の快楽主義者とは❓
感覚的で肉体的な快楽を求めるべき
酒池肉林で心が躍ればいい

生きること=快楽を得続けること
快楽=運動

哲学プラクティス
人生は動いていくことです
快楽でしんどくなっているのが現在
快楽は大事ですが支配されてはいけない
人は自分で快楽を止められる
これこそがアリスティッポスの考えた自主性
自主性こそが人間の徳として
大事なもののひとつだと言っている
自主性を持って仕事を断る

2023年9月19日火曜日

題「他者の行動を描写する」テーマ「店員」

伝統的寓意鞍馬の火祭
ぶりっこナレーター虫唾月の雨(新美の巨人たち)
秋の夜醜き心晒しをり
嘘の中みえし真実秋意かな
嘯かれかりがね寒し独りぼち

■NHK短歌 題「他者の行動を描写する」
選者 吉川宏志 ゲスト 岨手由貴子 司会 尾崎世界観

年間テーマ 実感的 表現力アップ
今週の題「他者の行動を描写する」「店員」

乱れたるTシャツをまた折りてゆく店員の手が棚の間に見ゆ
吉川宏志

▪入選九首 テーマ「店員」
二席 辞めそうな気配漂う店員が置いた苺のパフェも寡黙だ
広木登一(とういち)
手の甲に返品の文字太くありレジ打つたびに淡くうごめく
芍薬
一席 「店員」と怒られるなら耐えられる右手がそっと名札を隠す
かきもちり
店員は明るい声色奏でつつ片手で伝票ざんと串刺す
加川斐乃(あえの)
縫い付けたくるみボタンのような目でお似合いですと店員は言う
大岩真理
三席 月曜日雨の匂いの人が来てお店に雨を落として帰る
有村鹿乃子
 臓器別に串を通して店員は人間たちを待つ夕間暮れ
小鷹(こたか)佳
ふんわりと釣りを渡してきたひとの書く閉店の文字の鋭角
三月とあ
店内の小さなゴミをつまみつつシフトを終えたあなたが去りぬ
竹内一二(かつじ)

▪入選あと一歩
怒ってる。今日も変わらず「領収書。」詫び状なんだうちの大福
柊樹(ひいらぎいつき)
添削
「領収書。」今日も怒った顔で言うお詫びに行くのかこの大福と

現場で感じる嗅覚は大事 岨手由貴子

▪表現の最前線
落合直文(1861~1903)
我が子をばいくさにやりて里の爺(をぢ)がむすめと二人早苗とるなり
(早苗とる 田植えをする)

岨手由貴子監督の表現の最前線
「あのこは貴族」の中から
惰性で使っているものや
日常的にやり過ごしていることに
人間らしさが出る
漏れ出てしまうその人らしさを
如何に表現できるか考えた
如何にほつれを作っていくか
演出する上で大切なポイントです
お互いがお互いを観察できる距離感

短歌の中で人との距離感はどう出していく?
映画の手法を短歌に生かす

短歌と映画が似ているところが
▪ことばのバトン
目を閉じて戦に揺れる無窮の野(や)
ガリーナ・シェフツォバ(キーウ国立建設・建築大学教授)

誰のバトンも落とさず走れ
久永草太(獣医師)
(人間は殊更しゃべる物言わぬ猫に変わって物を言うとき)
前期終了!

2023年9月18日月曜日

兼題「露草」「結婚」&名言

障子越し優しき光秋麗
生く人と生かされる人秋の空
天高し全ては準備心決む
物事は捉え方のみ上り月
本物の重さに触れん秋の宵

■NHK俳句 兼題「露草」
選者 村上鞆彦、ゲスト 吉木りさ 司会 柴田英嗣
レギュラー 家藤正人 中西アルノ

年間テーマ「人生を詠う」
吉木りささんの祖母様の俳句
生涯にこの幸せのあり風薫る   吉木幸子
(字余りで幸せ感をたっぷり出している)

名句紹介 テーマ「結婚」
天高く地に菊咲けり結婚す   野見山朱鳥(あすか)

野遊びのつづきのやうに結婚す   山口優夢(ゆうむ)

雨は声言葉に喜びを結ぶ   村上鞆彦

▪特選六句発表 兼題「露草」
転校を告げるつゆくさ摘みながら   植(うえ)朋子
露草や現世(うつしよ)にまた隠世(かくりよ)に   橋本武志
露草の抜いてしまひし瑠璃を恋(こ)ふ   福本紋十郎
つゆくさや罪人我に露零(こぼ)す   田崎森太(しんた)
呼びかけるまで露草に屈(かが)みをり   葉村直
あらくさの中に露草瞳(め)をひらき   岡辺明代

▪特選三席発表
三席 私 老いの鉄棒露草に見つめられ   篠原和義
二席 うつむいて露草に鳥(とり)潤むかな   斎藤秀雄
一席 露草を踏んで行(ゆ)く子の消えにけり   藤川喜子
(露は朝の間はきらきらと光っていますが
 すぐに乾いて蒸発してしまう
 「露の命」とか儚いものの喩(たと)えによく使われる)

▪夏井家伝授!家藤正人&中西アルノ
0から俳句
切れ字の使い分けを体験 けり かな や
季語「葡萄」
紫の色濃き葡萄や祖母想ふ   青山ネモフィラ
丸々と水のしたたる葡萄かな   青山ネモフィラ
地獄絵に貴人ありけり黒葡萄   家藤正人

▪今日マチ子、今日の一句 テーマ「結婚」
彼の故郷マスク外せば柚子香る   吉木りさ

式場の下見のあとの萩日和   村上鞆彦

▪柴田の歩み
韻は3つくらい踏んでみよう
(村上鞆彦先生 曰く 
 「三つは絶妙。四つだとくどい。 
 二つだと韻を踏んでいるのかたまたまなのか解らない。」)

■名言
三島由紀夫 曰く
「忘却の早さと、
 何事も重大視しない情感の浅さこそ、
 人間の最初の老いの兆しだ。」

北条国水 曰く
「稼ぐに追いつく貧乏なしというけれど
 稼ぎを追い抜く貧乏神もいるから困る。」

易経 曰く
「小人は小善をもって益なしとしてなさず、
 小悪をもって傷なしとして去らず。」

2023年9月17日日曜日

今日のダーリン 2023年9月13日

日本は米のATMぞ!秋の声
蚯蚓鳴くマニュアルレイバー激減
クルド人解体事業で秋晴るる
(2023年)スマホからアカウント秋に消される
(2023年)秋の朝吾のXへいいね!せり

■今日のダーリン

・なにかを頼まれているというのは、
 とても幸福なことです。
 だれにもなんにも頼まれなかったら、張り合いがない。
 なにかで、あてにされているということ。
 だれかに思われているということ。
 なんなら耐えられる範囲で憎まれていることまで、
 人は、人との関係があることを望んでいます。

 仕事ひとすじで生きてきた人が、
 会社をやめたらすっかり元気がなくなった、
 というような話もよく聞きます。
 逆に、仕事をしていなくても、
 なにかの手伝いをいていたり、趣味の友だちがいたり、
 お孫さんの面倒を見たりなんてことをしてる人は、
 わりに元気で暮らしているらしいんですよね。
 「長生きの秘訣は複数の共同体に関わっていること」、
 そういうことを教わったおぼえもあります。
 いやいや、年寄りの例ばかりじゃない。
 子どもだろうが若者だろうが中年だろうが、
 だれかになにかを頼まれたり、あてにされてないと、
 生きる意欲がずいぶんと低下するでしょうね。

 だれでも、なにかを頼まれるだけの
 「やる気」も「やる力」もあるのだと思うのです。
 ただ、頼まれたりあてにされる「機会」がないと、
 気持ちも、力も、出しようがないんですよね。
 組織にいて、そこにたくさん仕事があったりすると、
 「機会」がたくさん生まれますから、
 みんなが頼りにされているという状況ができます。
 そういう場面を離れると、「機会」というものは、
 じぶんで見つけないとなかなかありません。
 仕事のことばかりじゃないんです。
 恋愛だとか、遊びとかでも「機会」がすべてでしょう。
 どういうふうに「機会」をつくれるか、
 これこそが、いま最も求められている「希望」です。
 ぼくは、そんな気がしています。
 ドラッカーは「経営は市場の創造である」と言ったけど、
 いまぼくは「経営は機会の創造である」と言ってみたい。
 いや、もっと広く「幸福は機会の創造である」と、
 思い切って言ってもいいような気もしています。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「やれる」人に「やること」がないのが、最大の不幸です。

私感
9月13日の今日のダーリンを拝読させていただきました。
まさに今の私へのプレゼントではないかと…。
糸井重里様 確りと受けとりました
年齢を考え、今お引き受けしているお手伝いを
いつ辞めようかと思案していました。
でも、やれる範囲で続けていくことにしました。
まだ求められているよ!とお教えくださったような…。
いつも糸井重里様に助けられているような…。
心より感謝申しあげます。

2023年9月16日土曜日

牧水短歌甲子園&名言

金秋や洒落、思い付き、奇想かな
ぐにゃりぐにゃミケランジェロの秋の夜
レオナルド(・ダ・ヴィンチ小悪魔)カライに貢ぎ黍(きび)嵐
(ラス・メニーナス)正確過ぎる遠近法よ秋高し
秋うらら服従皆無(かいむ)意のままに

■牧水短歌甲子園 俵万智@tawara_machi より
一羽でも宇宙を満たす鳥の声二羽でも宇宙に充満する鳥の静寂
大岡信
「おかしも」は押さない駆けないしゃべらないもう戻らない君との時間   
川上峻
ワクチンがないから今日も渦巻いて消えない新型コトバウイルス 
藤井渚央
ダッシュから競歩に変わる点滅の青信号のあと一歩半 
安田湖夏
恋しいは「miss」であること間違いのない感情に霧雨が降る
古谷明希歩
束になり泳ぐ魚に憧れる色恋前のルーティンワーク
酒井宏太郎
イチジクの解体新書あなたならきっと食べない部分がわたし
昆野永遠
「おかしも」は押さない駆けないしゃべらないもう戻らない君との時間   
川上峻
ワクチンがないから今日も渦巻いて消えない新型コトバウイルス 
藤井渚央
ダッシュから競歩に変わる点滅の青信号のあと一歩半
安田湖夏
恋人が死ぬ夢を見た翌朝は死ぬ恋人がそもそもいない
西昂貴
ドア閉まり君と二人のエレベーター上がりっぱなしの恋エネルギー
東木場葵
始発バス揉まれてゆらぐ足元にまだ真四角のスクールバッグ 
児玉りの
新米と呼ばれてるので将来は砂糖たっぷりポン菓子志望
畠山慎平
発車待つ新幹線の窓越しにさっき別れたあなたの苦笑 
中村満里奈
月曜日恋も収集してほしい とうの前から燃えてるけれど 
花岡杏吏

https://www.youtube.com/watch?v=M8T9Z-iKKYg

■名言
松下幸之助 曰く
「一流の人材ばかり集めると
 会社はおかしくなる。
 世の中賢い人が揃っておれば
 万事うまくいくというものではありません。
 賢い人は
 一人か二人いればたくさんです。」

三島由紀夫 曰く
「傷つきやすい人間ほど
 複雑な鎧帷子(よろいかたびら)を身に着けるものだ。
 そして往々この鎧帷子が
 自分の肌を傷つけてしまう。」

法然 曰く
「一丈の堀を超えんと思わん人は
 一丈五尺を超えんと励むべきなり。」

2023年9月15日金曜日

夜食で一句

質高き稽古と時間天高し
レオナルド(・ダ・ヴィンチ)色変えぬ松一発屋
ミケランジェロの職人気質良夜
メーヘレン似すぎた親子懸巣鳥(かけす)かな
(アントワーヌ=ジャン・グロ)冷やかや実力以上評価され

■プレバト纏め 2023年9月14日
夜食で一句

特別永世名人 締めの一句
梅沢富美男
仏飯のからすみ茶漬けほぐす夜半(よわ)
添削(季語はからすみ 晩秋の季語
   俳句として軽い。「ほぐす」は書かない方がよい。
   鱲をのせる行為でも感謝を表現できる。)
仏飯茶漬け鱲(からすみ)のせる夜半

永世名人フジモンのお手本
藤本敏史
ショッカーのかたまって摂る夜食かな
(語順の勝利。ショッカーと摂るの接点が思いつかない。
 落差にリアリティーが出てくる。
 この「かな」は俳諧味・滑稽味を讃える。うまく使えている。)

特待生昇格試験
犬山紙子
Gペンにこびりつく黒夜食喰う
(焦燥感が「こびりつく」で想像できる。
「黒」が信条・思いも想像させる。
「喰う」動作を改めて見せることができる。
 やる気が詠めている。)

1位 川島如恵留(のえる)
父特製夜食うどんの麺柔し
(やわらかいのは消化の良いように心遣い
 読者は勝手に解釈を広げて読んでくれる。)

2位 ますみ
さあ!夜食ナースコールに落とす箸
添削(「置く」の方が「落とす」よりリアリティーがある。
   !は大袈裟。)
ナースコール夜食をまたも置く

3位 伊原六花(りっか)
秋の夜や一つ二つと増える椀
添削(家族の人数を先に書いた方が得。誤読される。)
家族五人夜食の碗の増える卓

4位 菊池桃子
満月に煎餅重ねて一対七
添削(結果論「煎餅」が季語「満月」に勝ってしまう。
   発想そのものを変えないと難しい。)
満月煎餅一対七の○

次回のお題は「お蕎麦屋さん」

2023年9月14日木曜日

第7回尻文字三角パス③&名言

舞い降りた見慣れた街の秋の霧
創られた小さき水滴秋麗
秋の霧大気汚染と違えられ
消える芸術霧の彫刻秋気澄む
秋の霧変化重ねて帰りゆく

■夏井いつき俳句チャンネル
【第7回尻二字三角パス③】作句編パート1

お題 句や短歌元旦号に掲載す   橋大(きょうだい)

椅子撫でて亡き人おもふ夏の果   朗善

はてなんの話でしたか月涼し   家藤正人

呪師(ずし)といふ仕事ありけり心太(ところてん)   夏井いつき

点点と夜を増えゆく蝉の穴   朗善

「あなや」とぞ聞こえし春の闇それきり   家藤正人

霧うごきゆく林間にゐて無音   夏井いつき

■名言
ミシェル・ド・モンテーニュ 曰く
「いつかできることはすべて、今日もできる。」

トーマス・カーライル 曰く
「やるべきことは
 遠くにぼんやり見えることではなく
 手近にはっきり見えるもの。」

ソクラテス 曰く
「唯一の善は知識であり、唯一の悪は無知である。」

2023年9月13日水曜日

Where We Call Home &「眩しめり」&歎異抄

思い込み激しき人よおどろかし
秋雨の窓打つ音で起こされて
秋雨や止むを忘れてしまったか
日々変化倫理道徳秋暑し
真夜中の秋雨止みて眩しめり

■Where We Call Home 踊りましょう顔を上げて より
Eduardo Macarat エドワルド・マラカットさんの言葉
「ダンスは私の人生
 もし私にダンスがなければ
 疲れ果てていた
 ダンスがあれは私は元気です
 ほかに人々にももっと加わって欲しい
 ダンスでみんなを楽しませたい」

■文法
「眩しけり」は文法的には誤り。
「眩しかりけり」としなければならない。
(この場合、「けり」が切れ字。)
「眩しめり」「眩しめる」と使用されている。
「まぶしむ」という、擬古語の動詞がある。
マ行四(五)段活用ですから、文法的には問題ない。
定着した擬古語と考えて良い。

■ 歎異抄
善人なおもて
往生をとぐ
いわんや悪人をや
しかるを
世の人つねにいわく
悪人なお往生す
いかにいわんや
善人をや
この条一旦そのいわれ
あるににたれども
本願他力の
意趣にそむけり

2023年9月12日火曜日

題「子育てをめぐって」

中谷芙二子女史&田中泯氏へ
秋興や霧の放出子の笑顔
それぞれの思いを持ちて秋の霧
霧はJazz制御不能の秋の舞
秋夕焼け舞うダンサーや霧の中
踊り切り深き礼せし秋の風

■NHK短歌 題「子育てをめぐって」
選者 山崎聡子 ゲスト ベッキー 司会 ヒコロヒー
年間テーマ「伝えられなかった思い」

地下鉄でレーズンパンを食べてゐる茶髪の母だついてきなさい
山木礼子
友達の生んだばかりの子のしゃっくりが聞こえる電話の奥いらっしゃい
山川藍

子育ては同じ立場でも微妙なグラデーションがあって
相手の立場を実は分からなかったりすることが多い
短歌を通すと「そっち側にはそういうふうに見えているのね」と
物事の多面性を理解できることにもつながる

▪つぶやきを短歌に
泣いていた鬼はわたくし鶏肉をつぶして子供の口に押し当て
山崎聡子

▪テレビ歌会
入選九首 テーマ「子育て」をめぐって
 父親になったばかりの先輩の仮眠を守る隊列を組む
遠藤翠
 少子化のニュースを見ながら食べている十円安いカップラーメン
湊正気
三席 私 母の母その母の母落葉を永久(とわ)の娘として踏み鳴らす
小林菫子(すみれこ)
二席 鏡越し自分の心が分からぬと並んだ肩が高い子の言う
新井場公徳
かわいいと思えなくて、という人の子の履いてきた新しい靴
山田香ふみ
一席 ようやくに子は寝入りたり換気扇をすべて鳴らせば洞窟の家
佐藤ゆうこ
 葡萄色した夕空を生まれないわたしの子にも見せてあげたい
砂崎柊(しゅう)
解のない問題解いていたような子育てに日々あかい付箋紙
甲斐直子
自転車の前と後ろに乗せられて姉妹と母は一羽のかもめ
風鈴

▪ベッキーさんの「子育て」をめぐって
次女を抱き長女と話し魚焼くエプロンつけた千手観音
ベッキー

▪ことばのバトン
鼓動のリズム「此処にいるよ」と
真山りか(私立恵比寿中学)

目を閉じて戦に揺れる無窮の野(や)
ガリーナ・シェフツォバ(キーウ国立建設・建築大学教授)
(無窮とは限りのないこと)
黒陶芸固くまで焼けた母国の月
ガリーナ・シェフツォバ編訳「紅色の陽」(ドニエプル出版)より

2023年9月11日月曜日

兼題「間引菜」

秋の声騙されて知るその手口
子へ還すあるべき姿星月夜
準備万端受け止めまっせ秋高し
有り余る才能持ちて流れ星
渡り鳥仲間集いて気ぜわしく

■NHK俳句 兼題「間引菜」
選者 山田佳乃 ゲスト グッチ裕三 
レギュラー 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣
年間テーマ「俳句とエコロジー」
季語に込められた昔ながらの知恵を通して
無理のないエコロジーな暮らしを再発見していく

間引菜には若いころに摘み取られた悔しさが味にある
グッチ裕三

三日月や影ほのかなる抜菜汁   河合曾良(そら)
松尾芭蕉の『奥の細道』における奥州・北陸の旅に同行した弟子。

▪名句de穴埋め
振るやうに間引菜の土落とす   津川絵理子

▪特選六句発表 兼題「間引菜」
幼子の間引菜大き方を抜く   中澤草子(そうし)
菜園の小菜(こな)に始まる恵みかな   太田野風(やふう)
間引菜や残りしものに慈雨来たる   田中由紀子
間引菜に滲(し)み出す水のありにけり   内藤羊皐(ようこう)
 間引菜の光はらはら水を編む   徳照代
間引菜の息のくぐもる袋かな   市ノ瀬翔子(しょうし)
(くぐもる とは くもるという意味)

特選三句発表
三席 一手間をかけて手渡す抜菜かな   佐藤勝亮(かつあき)
二席 間引菜や肥前に残る使ひ川   堀田福朗
一席 間引菜に海風ほどの塩を振る   水須ゆき子

昔、料理番組では量を表す言葉として
「よきほどに」「つねのごとく」が使われていた グッチ裕三

▪夏井家伝授!家藤正人&中西アルノ
0から俳句
「切れ字」を0から俳句!

切れ字「かな」
狼の声も聞こゆる夜寒かな   正岡子規
「夜寒」冬の季語ではなく秋の季語
0から俳句POINT
「狼」=冬の季語
「夜寒」=秋の季語
違う季語が2つ重なっている「季重なり」

切れ字「かな」を付ける効果の一つとして
作者の意図をはっきりさせる
省略の効果が強い
「かな」は句を省略し読者に他の五感を立ち上がらせたり
感動を伝える効果がある
余韻が生まれる

切れ字「けり」
ラヂオつと消され秋風残りけり   星野立子
「けり」というのは元々そこにあったけど
気づいてなかった それに気づいたという効果
0から俳句POINT
「けり」の効果 詠嘆

次回「切れ字」を作句!

▪グッチ裕三が兼題「間引菜」で一句披露!
間引菜と違いわからぬスプラウト   グッチ裕三
添削
スプラウトなどと渡せる抜菜かな

▪柴田の歩み
「ごちそうさま」

2023年9月10日日曜日

兼題「阿波踊」俳句道場&名言

コケットリーあざとき蠱惑(こわく)花野道
品つくりチャラきロココや秋の空
安っぽい(フランソワ・)ブーシェしゅきしゅき秋の夢
(ジャン・シメオン・)シャルダンの予測通りと蚯蚓鳴く
秋の川チャラきあざとさ見抜かれて(ピエール・ジャン・バティスト・シャルダン)
セザンヌのシャルダン畏敬秋渇き

■ギュッと!四国 俳句道場
兼題「阿波踊」秋の季語
徳島発祥の盂蘭盆(うらぼん)に合わせて行われる盆踊り。
400年以上の歴史を持つ。
三味線や太鼓、鉦鼓(しょうこ)、篠笛(しのぶえ)等の
二拍子の伴奏に合わせて踊り手達が練り歩く。
日本を代表する伝統芸能のひとつ。

ギュッと!特選
阿波踊終ふる桟敷(さじき)や月の雨   星月彩也華

番組で紹介された秀作
あの腰は富(とみ)さんの孫阿波踊り   古賀
阿波踊りぞめきに跳ねる緋(ひ)の蹴出(けだ)し   阿波の風
跳ね上げる裾の迫り来(く)阿波踊   ゆすらご

番組で紹介された佳作
満面を阿呆(あほう)に染めて阿波踊   伊予吟会宵嵐
受け継いだ血が運ぶ足阿波踊   佐竹紫円
鳴り物に衆も揺れをり阿波踊   中矢花子
菅笠(すげがさ)の動き乱れぬ阿波踊   鈴木野茨

秀作への道
お囃子(はやし)の二拍子揺られて子の眠る   笠井純子
(「阿波踊」という季語が落ちている。)
佳作 二拍子にあげし手揺(ゆ)らば阿波踊り   加藤宜立
(「あげし」「揺らば」の動詞の重なりで映像の焦点がぼやけている。)
佳作 二拍子の足袋の白さや阿波踊   大久保加州
(「足袋の白さ」は、ありがちな表現。)

秀作 二拍子に蹴(け)だしの揺るる阿波おどり   シクラメン
(「阿波踊」の光景として印象的な「蹴だし(女性が腰巻の上に重ねてつける布)」に
 焦点をしぼり、蹴だしまでが「二拍子」で揺れている映像をしっかりと描いている。)

秀作 二拍子に揺れる印籠阿波踊   大薮ハナミズキ
(腰につけている「印籠」に焦点を当てている。
 「二拍子に揺れる」のあとに「印籠」がでてくる展開が鮮やか。)

参照:https://www.nhk.jp/p/gyuttoshikoku/ts/7MXVZZ52K3/blog/bl/pKyjJXApJB/

十月の兼題は「秋茄子(あきなす)」

■名言
徳川吉宗 曰く
「おしなべて誉められる者にも
 善人は少なきものよ。
 半ば誉められ、半ば毀しらるる者こそ
 取り所はあるなれ。」

柴門ふみ 曰く
「世の中には、ワガママな人間と
 それを我慢する人間の二種類がある。
 そして、ワガママな人間は、
 それを押し通せる相手を見つけるのが
 実にうまい。」

石川紀之助 曰く
「何事も明日、明日と伸ばしておく時は、
 千日たっても用は弁ぜず。
 事を為さんには、片っ端からなすべし。」

2023年9月9日土曜日

癡兀大慧(ちこつだいえ)の教え&家藤正人氏連載&名言

ゴルフ5レディス より
秋の芝ラウンドごとに順位下ぐ
秋の芝集中力欠く最終日
秋の芝腹が邪魔して外しけり
十代が逆転で勝つ秋の芝
経験を勝る若さや秋の芝

■ぶらぶら見術・博物館
東京国立博物館 特別展「東福寺」

癡兀大慧(ちこつだいえ)
1229年(寛喜元年)- 1312年12月20日(正和元年11月22日)
80歳で両目失明。84歳で亡くなられた。
遺偈(ゆいげ)鎌倉時代正和元年(1312)
「高 超 方 便 証 自然 為 物 応 世 八十四年」

この世は苦しみの世界であり 、
煩わしいことばかりおこってくる 。
この生死の苦海をわたって 、さとりの浬禦の
岸につくには如何すればよいかということは一禅尼だけでなく 、
生きとし生きるものの問題である 。
それにはまず菩提心を発せよとは仏祖が等しく教えるところである 。
では如何にして菩提心を発し菩薩行をつとむべきかという
擬兀大慧禅師の仏教思想について(荻須 )
参照 file:///C:/Users/sadak/Downloads/004-58-14-2.pdf

■夏井いつき俳句チャンネル
正人の連載が始まります!【PHP Business『THE 21』】

自分が幸せになるためのアイテムが俳句!
と、夏井いつき先生。
私もです。
なのにどうしてあんなに人が傷つくことを
おっしゃられるのでしょうか❓
私には理解できません。
俳句の精神はドラゴンボールの亀仙人(?)やな!と思っている!
と、家藤正人さん。

亀仙人 曰く
「武道を習得するのは喧嘩に勝つためではなく
 ギャルにモテる為でもない武道を学ぶことによって
 心身ともに健康となりそれによって生まれた余裕で
 人生を面白おかしく張り切って過ごしてしまおうというものじゃ。」

大いに納得致しました。

■名言
パスカル 曰く
「人からよく思われたいなら
 自分のいいところを並べ立てないことだ。」

ルドルフ・シュタイナー 曰く
「自分の欠点や弱点を克服する道はただ1つ、
 それを正しく認識することである。」

ウエイン・W・ダイアー 曰く
「現実を愉しめるのが人生の達人。」

2023年9月8日金曜日

エレベーターで一句

田宮川川面を揺らす秋の風
夜明け前サイレン響く秋の街
風爽か過疎地の朝へ戻りけり
防波堤すすき音立てなびきをり
秋の街使えぬカード持ち歩き

■プレバト纏め 2023年9月7日
エレベーターで一句

特別永世名人 富美男の締めの一句
梅沢富美男
白桃や車いす用ボタン押す
添削(語ったことが実現できていない部分がある。それが「や」
   詠嘆「や」上の言葉を強調する「!」のような効果がある。
   詠嘆した後にカットを切り替える働きがある。
   一緒に存在する映像にした方が絶対良い。
   小さな空間に桃の香りがゆっくり広がる。
   「抱いて」「押す」2つの動作の言葉が必要。)
抱いて車いす用ボタン押す

永世名人への道
皆藤愛子
閉(へい)ボタン連打秋夜のエレベータ
(カメラワークが効果的。
 秋夜 静かで段々と長くなる秋の夜のこと。
 理由もなく寂しい秋。不安に囚われがち。
 「秋思」秋の憂いを抱きがちな季節。1音たりなさそうな気分。
 不安とかすかに響き合う。意識して言葉を選んでいる。エレベータ)

特待生昇格試験
勝村政信
この階で降りればいいのか鬼灯(ほおずき)め
添削(鬼灯は秋の季語。鬼灯は死者の棚椎を導く提灯と言われている。
   得も言われぬ不思議な世界。魅力はある。
   言いたい世界が言葉として補強されていない。
   言い方を変えると良くなる。
   この階で降りるか❓降りないか❓
   手の鬼灯を提灯のように灯して。
   次の人生に足を踏み出す。)
この階で降りか鬼灯を灯して

1位 斎藤司
小さな手2回ボタンに届く秋
(中七・下五の展開が上手。数字は漢数字で書くのが定石。
 あえて「2」にしてる。「2」の映像がこの句は大事。
 エレベーターと書かないでエレベーターと思わせている。
 具体的な映像を描いている。
 春夏は届かなかったのに秋(きご)になって背が伸びたかも。
 親の喜びが露骨でなく書けていて季語が主役に立っている。)

2位 和田アキ子
NHKホール迫(せ)り上がる良夜

(固有名詞を上手に生かした句。
 良夜とは秋の季語 十五夜、中秋の名月の夜のこと。
 実感、感情を持って季語を置いた。
 季語が作者の心の模様を写す季語となっている。)

3位 松倉海斗
秋涼しハンカチ社員笑み浮かべ
添削(笑み浮かべは不要。季重なり ハンカチは夏の季語
   秋涼しは秋の季語 初秋の頃の涼気、涼風。)
エレベータにハンカチ使いをり
エレベータにハンカチ使わざり

4位 秋元真夏
若煙草纏(まと)いし君に気もそぞろ
添削(面妖な不可解な光景の句。
   若煙草とは秋の季語 
   その秋に初めて作られた乾燥させた煙草のこと。)
嗅ぎ慣れぬの大人の煙草の香

次回のお題は「夜食」

2023年9月7日木曜日

理想的本箱 もう死にたいと思った時に読む本

丸々と肥えた真鰯はんぱねぇ
秋鰯六尾買って帰る人
温(帯)低(気圧)や毎夜どしゃ降り月隠す
スーパー(ブルー)ムーン前日後日見届けり
鑑賞すスーパー(ブルー)ムーンはパソコンで

■理想的本箱 君だけのブックガイド
選書のテーマ
もう死にたいと思った時に読む本

▪人間滅亡的人生案内 著者 深沢七郎
悩みそのものを解体する
学校生活が息苦しくてたまらない
友人関係が上手くいかない
思い通りにならない恋愛が苦しい

▪しろいろの街のその骨の体温の 著者 村田紗耶香
スクールカースト
学校のクラスで生徒間に形成される序列
自分の価値は自分で作ることができる

▪悲しみの秘義 著者 若松英輔
人生には悲しみを通じてしか
開かない扉がある
悲しむ者は、
新しい生の幕開けに
立ち会っているのかもしれない。

花の供養に
この数年来、春になると想い出す一文がある。
(中略)
石牟礼道子の「花の文をー寄る辺なき魂の祈り」である。
そこで石牟礼は、坂本きよ子という
水俣病で亡くなった女性を語った。
きよ子の母親から聞いた言葉として彼女は、
次のように書いている。
(中略)
少し長いがそのまま引用したい。
できれば、声に出して、ゆっくり読んで頂きたい。
一度でなく二度、読んで頂きたい。

「花の文をー寄る辺なき魂の祈り」石牟礼道子
きよ子は手も足もよじれてきて、
手足が縄のようによじれて、
わが身を縛っておりましたが、
見るのも辛うして。
それがあなた、
死にました年でしたが、
桜の花の散るます頃に。
私がちょっと留守をしとりましたら、
縁側に転げ出て、縁から落ちて、
地面に這(は)うとりましたですよ。
たまがって駆け寄りましたら、
かなわん指で、
桜の花びらば
拾おうとしよりましたです。
曲がった指で地面ににじりつけえ、
肘から血ぃ出して、
「おかしゃん、はなば」ちゅうて、
花びらば指すとですもんね。
花もあなた、かわいそうに、
地面ににじりつけられて。
何の恨みも言わんじゃった
嫁入り前の娘が、
たった一枚の桜の花びらば拾うのが、
望みでした。
それであなたにお願いですが、
文ば、チッソの方々に、
書いて下さいませんか。
いや、世間の方々に。
桜の時期に、花びらば一枚、
きよ子のかわりに、
拾うてやっては
下さいませんでしょうか。
花の供養に。

2023年9月6日水曜日

稚児俳句&「鹿」&「秋園」

鶏頭や子規思い出し口ずさみ
生まれ持つ品と格式秋彼岸
星流る翻弄されし天気雨
亡き人の年を数えん残る蝉
秋高し人生ここが土俵際

■ワルイコあつまれ 稚児俳句
辻内京子 髙柳克弘 松尾葉翔

兼題「知らんけど」てれかくし 責任放棄

夕ぐれを呼ぶ秋蝉(しゅうせん)か知らんけど   辻内京子
(秋蝉 秋になっても泣いている蝉)

知らんけど言うてあくびや夜学生   髙柳克弘
(夜学生(やがくせい) 秋の季語
定時制高校・夜間の大学に通っている学生)

虫の声?なんか聞こえる知らんけど   松尾葉翔
(虫 秋に鳴く虫 「虫」は秋に鳴く虫だけを表す)

添削
闇の声あれはこおろぎ知らんけど   辻内京子
(こおろぎ 秋の季語)
幽霊の正体は虫知らんけど   髙柳克弘
(本歌取りという技法を使用
 本歌取りとはよく知られている句や諺を
 アレンジして作品を作る方法。
 幽霊の正体見たり枯れ尾花 の本歌取り
 意味 怖いものもその正体は少しも怖いものではないという例え
 元の句を借りて自分の作品の力にしていく。)

松尾葉の稚児俳句まじ知らんけど   松尾葉翔

■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「鹿」

「鹿」は非情に日本人にとっても馴染みの深い動物ですね
詩歌の世界においても和歌の時代から素材として
読まれ続けてきた動物です
俳句の世界においても「鹿」を扱った季語は多く
春には「孕み鹿」お腹に子を宿した「鹿」の姿も
一つの季語としてたっております
夏にその「鹿」の子が産まれる「小鹿」
これは夏の季語になります
いよいよ本季語と言いますか「鹿」は
秋の季語になってくる訳です
この「鹿」は大体秋頃に交尾をして
子をなしていくという事も伝わってきております
日本人と馴染みの深い「鹿」他にも探したら
いろんな季語が出てきそうで面白い素材です

■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「秋園」

音で聞くと分からない季語
カタカナで書くと「シュウエン」
これが今日の季語です。
日本語には同音異義語
同じ音で違う意味になる言葉がたくさんあります
シュウエンと言った時にも季語ではない言葉
物の周りの縁であったり(周縁)
何かが終わる事(終焉)そういう事もシュウエンと言います
季語におけるこの「シュウエン」とは
「秋園」と書いてシュウエンとなります
こういう同音異義語の季語は音だけを聞いて
俳句を楽しむ所では使いにくい難しい扱いになったりします
ラジオ等には向かない季語かもしれません
実はこのシュウエンという音で「秋燕」と書く
シュウエンもあるんです
音で聞くしかない時にはどの季語で使っているのか
聞いて分かるような周りの仕掛けも必要になってきます

2023年9月5日火曜日

題「手」

タイムカプセルのごと佳松亭(かしょうてい)
めくるめく眩(くるめ)く時間秋景色
秋望(しゅうぼう)や美と伝統に抱かれて
大正ロマン元禄の湯十六夜(いざよい)
美の直線と揺るる曲線砧打つ

■NHK短歌 題「手」
選者 川野里子 レギュラーゲスト 内藤秀一郎 深尾あむ 司会 ヒコロヒー
年間テーマは「私に出会おう」第一週は入門コース

ウォーターリリーここに生まれてウォーターリーリーここがどこだかまだわからない
川野里子
ウォーターリリーとは睡蓮の事

▪三十一音の物語
一首の中心を創ろう
切り取る事とは選ぶ事でもあるけど捨てる事でもある
捨てると自分の言いたい事が浮かび上がってくる

カップルが袖をまくって手をつなぐきっとしっかりつなぐためだろう
永井祐
ちゃんとフォーカスできると心にまで深める事ができる

おきな草は新幹線に乗りてをりときどき娘に撫でられながら
花山多佳子
翁草 本州・四国・九州などの分布するキンポウゲ科の多年草
翁草という一点だけに象徴的に物語が集約されている
その事によってこの場面がいろんなニュアンスを含んだ
印象深い場面になる
捨てすぎて駄目になることはまずない
捨てるだけ捨ててワンポイントに集中する

▪入選六首 題「手」
 おにぎりを握ってくれた祖母の手を拾い集める雨の火葬場
あおいそうか
一席 マウンドは静けき孤島手のひらのロジンの煙が霧のごと立つ
吉行直人(ロジンは滑り止めの粉 心が風景になっている)
 ああこれは私の物で違いない両の手を見る手術ロボット
松岡拓司
からっぽな嘘ほどきれい両の手でぱすんと潰す紙の風船
秋野茜
 一人分揚げる天ぷら控えめに私のための拍手が起こる
檜澤(ひざわ)さくら
 人の手に震える犬と優しさに怯える僕だ共に生きよう
おおかみさん

▪秀一郎あむ ココカラ短歌
賑やかな街の中からスカイツリー目立つことなく見守っている
内藤秀一郎 添削
賑やかな街の中からスカイツリー悪さするなと見守っている

花びらを追いかけ見上げた先にほら助演賞のシルバーツリー
深尾あむ
花びらを追いかけ見上げた先にほら助演で光るのシルバーの塔

最初の言葉選びは大事にした方がいい
自分の心を発見しに行く
「自分に出会おう」というのは心を見つけに行くことでもある

▪ことばのバトン
闇のなかただとんでみるとんでみる
初瀬勇輔(視覚障害柔道家)

鼓動のリズム「此処にいるよ」と
真山りか(私立恵比寿中学)
お父さん?恋人?友達?誰目線?遠くて近い特別たちよ
「アイドル歌会 公式歌集1」(講談社)より

2023年9月4日月曜日

兼題「秋刀魚(さんま)」&Twitter

柔らかく射し込む光秋の朝
(佳松亭)竹林の静かな食治秋の草
丹念に丁寧に秋のもてなし
緑深き山に抱かれ秋の空
秋の声歴史重ねて息づいて

■NHK俳句 兼題「秋刀魚(さんま)」
選者 夏井いつき レギュラー 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣

凡人からの脱出
秋刀魚の「本意(ほい)」
本意とは季語によって最もふさわしい性質やニュアンスの事

▪ボンの段
立ち上がる煙の中に秋刀魚焼く   安藤美智代
煙り立つ烟(けぶ)り染み入る秋刀魚よし   鈴木ミキ枝
じゅうじゅうと煙の中の秋刀魚かな   手島文代
じゅうじゅうとはじける煙秋刀魚焼く   一日一笑
秋刀魚焼く煙にありし匂いかな   村野文一
黄金の煙をたたせ初秋刀魚   兵藤康行
秋刀魚焼く煙苦いか目に染みる   大滝たもつ
(今回の凡人パーツ「煙」)

半ボンの段
秋刀魚焼き立つ白煙しみる風   浅井柚茉
秋刀魚とは煙が誘う涙かな   NAさん
秋刀魚焼く煙かぼそくなりにけり   鳴海進
(小さな観察がある)
秋刀魚焼く噂は路地の煙の中   加藤賢蔵

脱ボンの段
べらぼうに煙出さうな秋刀魚選(よ)る   床井和夫

▪季語の「本意」
秋刀魚は昭和の路地で、
七輪使ってじゅうじゅう焼いて、
皿をはみ出すように盛りつけて、
大根おろしが欠かせない。
もちろん腸(はらわた)の苦味を楽しむのが大人。
しみじみと人生振り返りつつ、
食べ終わったら、標本のような骨だけが
美しく残っている。
庶民の魚だったのに、
急に高値になってきた。

1行1行が「ボン」の句「脱ボン」をしたかったら
言わなくていいことを書かない
本意を分かって踏まえてその上にちょっとした
オリジナリティーやリアリティーを乗せる

タクシーより七輪と秋刀魚六匹   粟田すず
(匹と表現するのはおかしいのでは…❓)

書いていない部分を読み手に想像・追体験させる
匂いや肌触りや味がよみがえってくる
それが俳句の力

夏井家伝来! 家藤正人&中西アルノ
0から俳句
切れ字
0から俳句POINT
三大切れ字「や」「かな」「けり」
(切れ字)それぞれに効果を果たす役割が変わってくる
強調 詠嘆 省略

名月や男がつくる手打ちそば   森澄雄
うつくしや障子の穴の天野川   小林一茶
 強調・感動が伝わる
 とすると何も強調されない

▪特選六句
これはこれは研ぎに研ぎたる秋刀魚かな   北藤詩旦(しいたん)
待つとれよ秋刀魚鬼おろしガシガシ   野地垂木(のじたるき)
燃え出す秋刀魚絶叫のサヨナラ打   中村恵子
砂町にちらと覗きて秋刀魚の値   上川畑裕文
(時代と共に本意は動いていく 季語は生もの)
秋刀魚の眼迄を焦がせる叔母の恋   内藤羊皐(ようこう)
秋刀魚焼くしっぽのあたり昭和です   吉田昌之

▪柴田の歩み
「本意(ほい)」

おまけ
「タクシーより七輪と秋刀魚六匹   粟田すず
(匹と表現するのはおかしいのでは…❓)」
上記の異議申し立てに対し
NHK出版「NHK俳句」編集部@nhkpb_haiku様より
いいねを頂きました。
ありがとうございました。
読んでくださったのですね。吃驚致しました。

2023年9月3日日曜日

夏井いつきのよみ旅!In小樽 前・後編&名言

柿(こけら)葺き凛と佇む秋の宿
湯の中の白き肌揺れ風爽か
秋の草浴女揺蕩う湯宿かな
星月夜組子障子の奥ゆかし
秋麗心尽くしの細やかさ

■夏井いつきのよみ旅!In小樽 前編

うだで混む人波の街初夏待てず   鈴木悌三
(うだで=いっぱい 方言)

夏鏡跡形も無きクラス会   明(みょう)直行

風鈴もトンネルに舞ふ「がらす市」   木村由紀子
(小樽がらす市 ガラス作家が集い展示販売や体験教室を行う
ガラスをキャンバス代わりにして絵を描いたもの)

機関助士
炎熱の汽罐(きかん)彼方青葉揺れ   佐藤圭樹(よしき)
(汽罐とはボイラーのこと)

青嵐吼えろアイアンホース号   夏井いつき

りんご花弦の調べに揺れ踊り   牧野時夫
(りんご花 春の季語)
クワで土を耕し 音楽で心を耕す

百歳に導(しるべ)たゆとう夏運河   藤森五月

■夏井いつきのよみ旅!In小樽 後編
夏休みチキンライスに星条旗   山下優子

南風やペトリコールの散歩道   森優月
(南風 夏の季語 
 ペトリコールとはギリシャ語で雨の降りはじめの匂いという意味)

楽しんだ方がいいよ選べない人もいるんだから ROLAND

踊りイカやんややんやと和を遊ぶ   中村全博(まさひろ)
(イカ 夏の季語 やんややんやは人を褒めたたえる時の言葉
 嫌なことでも受けとめる 伝統芸能でのかけ声)

夏祭潮風香る白ワイン   長直樹 真子

しはわせな旅路よ夏の白ワイン   夏井いつき

夏畑に害獣の跡闘いのゴング   永井文子

蝦夷丹生(エゾニュウ)白き花にも渡る風   永井光(みつ)

俳句ひとくちMEMO
蝦夷丹生せり科多年草 北海道に多く自生7~8月に開花 夏の季語

夏まつり人混み嬉しマイク置く   蓑谷(みのや)和臣

■名言
ディズレーリ  曰く
「執念深い男は運命を信じ、
 気まぐれな男は機会を信じる。」

ビクトル・ユゴー 曰く
「幸福だけの幸福は
 パンばかりの食卓みたいだ。
 食えはするがごちそうにはならない。
 無駄なもの、無用なもの、
 余計なもの、多すぎるもの、
 何の役にも立たないもの
 それが私は好きだ。」

ゲーテ 曰く
「重大なのは生きることであって、
 生きた結果ではない。」

2023年9月2日土曜日

夏休みで一句&第7回尻文字三角パス②

星月夜これぞ贅沢無有好醜(むうこうじゅ)
秋雨や洗濯物を弄び
赤い橋渡れば秋の積善館
こんこんと湧きいでし湯秋の四万(温泉)
木のかほり最古の湯宿へ秋来たる

■プレバト纏め 2023年8月31日
夏休みの宿題で一句

特別永世名人 富美男の締めの一句
梅沢富美男
一心に日焼けの鱗はぐ子かな
添削
宿題は遅々と日焼けの鱗剥ぐ

永世名人 横尾のお手本
横尾渉(無理のない表現で
    良き青春あるあるが書けている。)
日盛りのマック課題図書のあらすじ

特待生昇格試験
森口瑤子
箱庭の四人家族の無表情
(箱庭が夏の季語。
 箱の中に人形や木などを配置して作られた庭園
 日常生活の人間関係を象徴。
 奥行、心情の陰影を示唆する。
 一筋縄ではいかない箱庭の一句。)

1位
勝俣州和
誘蛾灯(ゆうがとう)英語テストは三十点
(取り合わせが良い。季語のチョイスが良い。)

2位 弓木奈於
花火背に夢中で描いた父と母
添削(映像を描写する。位置関係がわかるように書く。
   虫の心にこの人はなっている。)
花火観る父母を描花火背に

3位 坂井良多
夏の果明日は来るなと神頼み
添削(余った2字にプレバトあるある 鳴呼を入れる。)
夏果(なつはて)の宿題明日来るな嗚呼

4位 尾上右近
すぐ後ろママの姿は入道雲
添削(季語を比喩に使うと「季語が立たない」
   季語の鮮度が落ちる。対処としては語順を逆にする。)
入道雲宿題迫るママみたい

次回のお題は「エレベーター」

■夏井いつき俳句チャンネル
【第7回尻二字三角パス②】第6回の優秀句をご紹介!【「くや」】

野犬かなし落葉の路地の焼き肉屋   朗善

く、やられた田畑は鹿に荒らされて   つちや海郷

く、火傷がピリリ師走の牛丼屋   田野こみち

苦や喜やらあるもんですね春たちぬ   加里かり子

句や短歌元旦号に掲載す   橋大

九夜続く浅き眠りの春炬燵   小野とらのは

九夜泣いて君を忘れるシクラメン   桂子

悔やんでも締め切り過ぎている寒夜   俳号不明

悔し紛れに投げつけたちゃんちゃんこ   白猫のあくび

悔やむとは春の光を仰ぐこと   打楽器

悔しん坊の君へありったけミモザ   DAZZA

久屋さん家また餅配(くばり)するってよ   川越羽流

国屋町(くやちょう)は島根の町の名水の春   さこたゆう

区役所の非常階段花八手   ひでやん

区役所のあずかり知らぬふらここよ   高橋寅次

区役所の合併凪(たこ)はプレハブへ   織部なつめ

区役所の幽霊西側の便所   みづちみわ

区役所のストーブに居てまだ夫婦   ベーグル

2023年9月1日金曜日

司馬遼太郎「覇王の家」4

秋の風禅画をよぎる西洋画
籠抱え夕焼を背に虫の声
(デューラー)知的財産権主張野分(のわき)
滑舌の悪しきMC誘蛾灯(ゆうがとう)
秋の蚊や厄介者と言われけり

■司馬遼太郎 覇王の家4 後世の基盤をどう築いたか
「人の一生は重き荷物を背負って坂道を登るようなものだ」
晩年の家康の言葉です。
司馬遼太郎はこう言っています。
「このことばほど
 家康の性格と処世のやり方を
 よくあらわしたことばはない。」

徳川の功罪とは何なのか

徳川家康というのは、虚空にいる。
ということは、地上にいるなまの人間とはおもえないほど、
この男は自分の存在を抽象的なものにしようとしていた。

夏目漱石「則天去私(そくてんきょし)」
天に即して私を去る
私を去る努力が物の本質を発見するために必要だ
(空気を全部読み取って冷静な決断を出して粛々と行動する)

小牧・長久手の戦いで描かれた三河人の欠点
三河人の典型 安藤直次
名乗りを上げるなどは、おのれ一人を誇らんとするもの
手柄はすべて殿に帰すべきもの
無言でいい

アンチ三河 石川伯耆(ほうき)数正
「三河者は狭量 というのは、数正の口ぐせであった。(中略)
ふたことめには、「田舎くさいことをいう」とか、
「痴言(こけ)もやすみやすみ言え」などと、頭ごなしに決めつけた

「ほうきどのは、利口すぎる」
という評が、三河衆のあいだにある。
三河では利口働きは好まれぬ風があった。

「三代前は、美濃よ」と、ささやく者もある。
かれの祖父は美濃からきて、家康の祖父に仕えているのだが、
三河では三代つづいてもなお他国者あつかいをし、
―やはり気心が知れぬ。などと、陰でいったりした。

「瓜を食め。食みて言え」

「秀吉と付き合ってみろ、その襟度の広さがわかる。
 瓜売りがもっている瓜がうまいかまずいか、
 それを食ってみればわからぬように、
 まず秀吉とつきあってみることだ、それから論じろ」

正論には違いなかったが、正論はそれを言う者の人数が
その集団の中で稀少なばあい、命がけの発言にならざるを得ない。

数正は秀吉との緩衝材(かんしょうざい)になろうとした家康のために

阿部龍太郎先生は和正がお好き!

三河人の排他性
排他性の集団のような三河武士たちが作った江戸幕府
その江戸幕府の伝統を引き継いだ現代日本という構図
今の我々も同じ排他性を持っている
三河人と江戸っ子はつながっている

日本そのものを三河的世界として観じ、
外国人との接触をおそれ、唐物を警戒し、切支丹を魔物と見、
歴史的な大航海時代のなかにあって、外来文化のすべてを拒否する

江戸期にも現代にも通じている
その深層心理を正確に認識しなくちゃダメなんだ

司馬遼太郎からの宿題

家康「わしが死ねばどうなるか」
秀忠「天下は乱れると存じます」
家康「いいや、乱れまい」

人に領地を与える時の秘宝
大大名にすると富におごり江戸の将軍を軽んじる
貧しければ互いに気心をあわせ江戸を仰ぎみる
「徳川の世がつづくもつづかぬも、
 譜代の臣(しん)の結束いかんにあり、
 すべてそのためである」

「関ヶ原の戦い」「大阪冬の陣・夏の陣」が一切書かれない。
安部龍太郎先生によれば「一度書いたものは二度書かない」
「読者に対して親切でない」という
司馬遼太郎氏の作家倫理だそうです。

あとがき より
なまなかな天才よりも、かれはよほど変な人間であったにちがいない。

伊集院光
最大の賛辞 
阿部龍太郎先生には石川伯耆数正の話を書いてほしい

阿部龍太郎先生
我々が持っている言葉では説明できないと言う表現 
新しさを感じたのは司馬さんの挑戦する情熱
古さを感じたのは歴史的資料や歴史的解釈