2023年6月7日水曜日

俵万智女史の短歌&「五月晴れ」

夏の風奇界遺産へじりじりと
黙に伏すMICROCOSM夏の空
海浜をシロツメクサの白と蝶
ターナーを真似したモネの夏の海
短夜や光は色彩科学せり

■Twitterで記されていた俵万智女史の短歌
母と娘のあやとり続くを見ておりぬ「川」から「川」へめぐるやさしさ

二階から見る母の傘ぽっと赤いわさきちひろの絵になっている

東京へ発つ朝母は老けて見ゆこれから会わぬ年月のぶん

母の字で書かれた我の名を載せて届いておりぬ宅急便は

手伝ってくれる息子がいることの幸せ包む餃子の時間

「短所」見て長所と思う「長所」見て長所と思う母というもの

生き生きと息子は短歌詠んでおりたとえおかんが俵万智でも

子のために願うことなかれ願うとは何かを期待することだから

君の愛あきらめているはつなつの麻のスカート、アイスコーヒー

通り雨のような口づけもっとちゃんと恋をしてからすればよかった

その青い花の名長し水無月にあなたがくれた花と覚える

さみどりの葉をはがしゆくはつなつのキャベツのしんのしんまでひとり

■夏井いつきのおウチde俳句 より
一分季語ウンチク 五月晴

「五月晴」というと、元々は誤用という話がありまして
「さみだれ」とか「五月晴」といった時には
本来、陰暦5月 つまり現在でいう所の6月
梅雨の頃の晴れ間のことを言うというのが
本来の「五月晴」の意味なのだそうです
ですが、現在の暦と照らし合わせていく中で
5月の気持ちいい晴れた空という
誤用が定着しつつある季語なのだそうです
俳句、元々季語の世界は陰暦として
使われていたことが多いことから
そういう齟齬が生まれてきています
両方の意味を知った上で使いこなす
そういう意識を持ちたいものです

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