2023年6月12日月曜日

兼題「簾(すだれ)」

象の背に二羽の烏の怯えをり(長澤芦雪 無季句)
夏の庭牛の傍ら犬の笑み
足もとに寄り添う子犬手に団扇
蜂見上げ体掻く猿熱き日よ(伊藤若冲)
飛び跳ねん兔と子犬夏の雨

■NHK俳句 兼題「簾(すだれ)」
選者 山田佳乃 ゲスト 田村亮 司会 柴田英嗣
レギュラー 家藤正人 中西アルノ

年間のテーマ「俳句とエコロジー」
季語に込められた昔しながらの知恵を通して
無理のないエコロジーな暮らしを再発見していく

「簾」元々中国で生まれて
韓国や日本に伝わったと言われている
日本では万葉集に簾を使った歌が残されている
部屋の間仕切りや目隠しにも使われ
細く割った竹を材料とした
葦(よし)の茎を使った「葦簀(よしず)」も使われていた。

▪名句de穴埋めクイズ
木屋町の簾隠(すごも)りに寝る灯(ともし)かな   石橋秀野
簾隠りとはあまり表に出てこない 
簾の向こうに暮らしている人物
簾の向こう側に人の暮らしの奥行きも感じさせる

▪特選六句発表 兼題「簾」
絵すだれの彩(いろ)の隙間を海の青   久藤悠久
駄菓子屋の糸引き飴や青簾   陽光
表裏替へて通りへ古簾   川本泰助(ひろすけ)
くぐもれる簾越しなる返事かな   坂口蜂子(ほうし)
西向きの下宿三畳古簾   山本敏男
七色のひと色透ける青簾   乾北星(ほくせい)
(一瞬の視覚的・錯覚的な世界が描かれている)

▪夏井家伝授!
家藤正人&中西アルノ 0から俳句
選ぶ季語によって俳句の印象が変わる

       

            噴水

 梅雨寒し 六月 新緑 風薫る 

    熱帯夜

       

▪田村亮が「簾」で一句披露!
汗かいて一家総出の簾掛け   田村亮
(京町屋に住んでいらっしゃった実体験が生きた句)
添削(汗と簾の季重なり)
京町屋一家総出の簾掛け

▪特選三席の発表
三席 人待ちに三度(みたび)上げたる簾かな   犬山裕之
二席 明るさの内外(うちそと)替わる夕簾   上木三(みつ)子
一席 糸雨(いとさめ)の雨の一行青簾   吉田貴蘭(きらん)

▪柴田の歩み
素敵な言葉使ってみよう

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