2023年6月2日金曜日

言葉にできない、そんな夜。27

早朝をエッジ効かさん夏燕
船窪を真っ赤に染めたオンツツジ
稜線を懸命に飛ぶ夏の鳥
夏の川増えるや増えるプラナリア
プラナリア無性有性切り替えて(無季句)

■言葉にできない、そんな夜。27
ゲスト アヴちゃん 桐山照史 髙橋ひかる 松居大悟
司会 小沢一敬

▪テーマ 人と比べて焦りを感じるとき
理香さんと瑞月さんはふたり揃って、
既定のサイズに切り取られたカラー写真の
中からこちらを見つめてくる。
こんな、自分の未来を信じて疑わない目が、
日本全国そこらじゅうにある。それだけで、
きゅっと心臓が小さくなる気がした。
朝井リョウ「何者」

カフェの窓越しに見える、
なんでもない街角の風景の方に心が揺れた。
足早にスーツ姿で行き交う男たちに、
置いていかれ感が募る。あの中に、
日本の未来を変えるような大スクープを
追いかけている人が必ずいて、
明日のベストセラーにつながる原稿を
鞄にぎっしり詰めてる人もいる。
大崎梢「プリティが多すぎる」

結局そうやって酔っているんだろ。
「足りない」「できない」「負けている」
穴が開くほど人よりへこんでいる部分を探して
もう少し膨らます部分がある自分を見つけて
うっとりして、それを誰かに指摘されるまで、
ずっと助走をしている。
松居大悟

▪「タン」「上タン」どちらか迷うとき
そこじゃねーよ。   桐山照史
みえみえのみえっぱり   髙橋ひかる
上中下の見栄 己しか見えずとも…   アヴちゃん
タンか上タンかで迷うぐらい大切な人なんだな   松居大悟
上連客   小沢一敬

▪テーマ カッコつけすぎて恥ずかしいとき
あ゛―――転けた滑った恥ずかしい!
やり過ぎた!言わなきゃよかった!
やらなきゃ、良かった?いや、でもさ!でも!
意識の外から眺めてるわたしが、
絶賛声も無く叫ぶ心を突ついて笑ってる。
「これ引き摺るねー?」
いや、おまえが引き摺れや!
アヴちゃん

「よいところを見せようとしない方がよい」
あのう、しかしですね、
私はそれに反対なのですよ。
失敗を恐れて誰もがよいところを見せようと
しなくなれば世の中暗くなります。
いや、それ以前にまず、本人の進歩がなくなる。
筒井康隆「格好と内容」

カッコつけすぎた夜いつも思う。
カッコつけてるって言われる。
でもカッコつけてない人は、
カッコつけてるって言われないようにカッコつけてる。
カッコ悪いなぁ。
小沢一敬

いや恥ずかしい
でも待てよ
それで良かったよな
よし明日は
この倍カッコつけたろ
桐山照史

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