挾土(あさど)秀平氏へ
夏の日や地球の膿を芸術へ
恋焦がれ夏を採掘硫黄島
夏の空地球の脈動あちらこち
夏の夜自然に勝る芸術へ
夏の島硫黄溶岩との出会い
向き合わん荒ぶる自然夏の夕
風薫る自然異なる奇跡へと
■NHK短歌 題「傘」
選者 川野里子 レギュラー 内藤秀一郎 深尾あむ 司会 ヒロコヒー
▪三十一文字の物語
映像の中の「物」に注目!
捨てられし傘透明に拾はれし傘透明にすれちがふ街
川野里子
思い出せるかぎりのことを思い出しただ一度だけ日傘をたたむ
笹井宏之(1982-2009)
入選六首 題「傘」
透明はみんな同じと思われてあなたがくれた傘が消えてる
ひびの祈り
ヘイト2件の報告終えて傘開き霾(つちふ)るまひるをまた歩きゆく
宮原千晶(霾つちふる つちぐもり 黄砂)
一席 生か死か傘でつつつき確かめる学校帰り蟇(ひき)は動かず
早瀬孝弘(蟇ひきがえる)
ビル風に耐えきった傘を褒める夜あなたはすごいしわたしもすごい
早坂つぐみ
骨の多い傘をさしつつ少しだけ世界の悪から守られている
北清水麻衣子
学校に行くと決心した夜に傘にえがいた春の星座よ
佐々木泰三
▪秀一郎あむ ココカラ短歌
落したるフォークぎいんとひびくとき誰か鋭くわれを憎まん
小島ゆかり
するだろうぼくをすてたるものがたりマシュマロくちにほおばりながら
村木道彦
選ばれた「物」の質感 色 形 重さ 軽さが全体の心を左右する
傘ささず歩きたいのにゆるされない息苦しさにはぁーと息出る
深尾あむ 添削
傘ささず歩きたいのにゆるされない息苦しさに駆けてゆく街
服決めて髪も整えさあ行ける最後の難所靴が合わない
内藤秀一郎 添削
心決め髪も整えさあ行ける最後の難所靴が合わない
詩は心の中のことを扱う言葉
▪ことばのバトン
初句を詠まれた岡野大嗣氏の総評でした。
つなぐときバトンはしっぽだったから
つかみそこねて仰ぐ青空
神様の盃にぬる燗注ぎ足して
会議との通信を切る
ひび割れたメガネで明日をのぞいてる
春夏秋冬咲け山桜
あの歌も羽根もいっしょに埋めました
「希望」と名付けた木の根元へと
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