長生町(ながいけちょう)へアサギマダラの飛来せり
コロッケの値上げ目立った5月かな(34.7%)
サーキュラー(エコノミー)宿る思いや夏の宙
答えなき悩みの揺れる夏の海
なぜ生くる答え求めて雲の峰
■NHK俳句 兼題「蝸牛(かたつむり)」
選者 夏井いつき レギュラー 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣
年間テーマ 凡人からの脱出
凡人パーツは「家」と「背負う」
ボン
蝸牛家を背負ひて生まれけり 山下文麿
蝸牛生まれながらに家を背負う 荒武朋子
生まれつき家を背負いて蝸牛 加藤あき
一生の棲家を背負う蝸牛 長野あつこ
一生涯家を背負ひて蝸牛 和礼ダリア
家背負い重くはないか蝸牛 眠睡花
蝸牛家を背負ひて重たかろ 大洞綾子
半ボン
爪よりも小(ち)さきででむし家背負ふ 荒井みゆき
(蝸牛という季語の傍題に「ででむし」は入っている)
半壊の家を背負ふや蝸牛 奥山公子
螺旋の家背負い活き活き蝸牛 木山満
脱ボン 今回は無し
理由1
詩の鉱脈がない
理由2
比喩と擬人化をダブルで使うのは難しい
▪脱ボン実験!
蝸牛家を背負ひて生まれけり
比喩擬人化
2つの鉱脈を使いながら新しい詩の鉱脈を掘り出す
殻=家と例えた 比喩
背負うは人間の動きとして表現 擬人化
家を別の比喩に変えるだけで新しい化学反応が起こる
家に変わる2音の名詞を考える
家の代わりに「空」を入れる。くうとも読める。
無常を背負って生まれ来たとも詠める。
「海」「時」も素晴らしい解釈ができる。
これが「取り合わせ」という技法
関係ないものを言葉のパズルのように合体させると
言葉と言葉が火花を飛び散らせてそれが詩になる
この「取り合わせ」を上手に使えるようになると
「脱ボン」出来る可能性が広がる
蝸牛の性格や形や意味が2音変えるだけで変わってくる
「取り合わせ」を覚えると脱ボンできる
▪夏井家伝来!家藤正人&中西アルノ
0からの俳句
今回は季語でした。ということで歳時記がプレゼントされました。
▪特選六句発表! 兼題「蝸牛」
濁りたる鼓膜のやうな蝸牛 広木登一
砕かれてみづの肉塊蝸牛 西川由野
子に贈らるるででむしの詰合せ 鈴白菜実
しぼむとき貌(かお)が酸つぱいかたつむり 酒谷百合子
でで虫や標識はみな命令形 蜘蛛野澄香
(やは詠嘆の意味を示す「!」に近い)
ででむしや腐れぬもののさびしかり ギル
▪柴田の歩み
とりあえず取り合わせよう
0 件のコメント:
コメントを投稿