2019年9月25日水曜日

小倉遊亀の言葉

秋分や 紙で切りたる 指に唾
釈然と しないのですね 秋簾
台風の 被害拡大 雨の降る
目も口も 蕩けてしまう 秋夕焼
カンナ咲く 心に棘が 突き刺さり

新美の巨人たち 
小倉遊亀 「浴女その一」「浴女その二」より

小倉遊亀さん言葉
「余白は名前から余白ですけれどね。
 それも一つの形です。
 余白の形がうまくいったら
真ん中の人物の形もうまくいく訳です。
人物だけ上手くいって余白がおかしいってことはありません。
石も草も人間も皆同じだと私はぼんやり考えたけど…。
今になってみますと、
余白と言うものはばかにはできないなと思います。」

「もの皆、仏」と言う言葉を遺し
小倉遊亀さんは百五歳で逝去されました。

今も変わらぬ輝きを放っています。
空気のよどみも、汚れも知らない
昼下がりのたおやかな浴場の中で
たゆたう湯の中の喜びをなみなみと讃えて…。

一途に描いて、一途に生き抜いて…。

小倉遊亀さんにすっかり魅了されてしまいました。
無理せず、種子を蒔かれた所で
花を咲かせられた小倉遊亀さん。
私の理想だったりします。
長くは生きたくないけれど…。

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