太陽と月のリズムや春の宵
調律の狂ったピアノ風光る
ノイズある深きサウンド土恋し
あるがままの音を集めて春を視る
時間とは何かを求め春に死す
■あの本、読みました?
AIが登場するヒット小説「本心」平野啓一郎が語る創作の未来
2024年ノーベル化学賞&物理学賞はどちらもAI分野の研究者が受賞
今回のゲストは今井翔太・平野啓一郎
鈴木保奈美・角谷暁子・林祐輔プロデューサー
人間にとって簡単なことはAIには難しい
人間が難しいことはAIには簡単 今井
AIを小説のアイデア出しに使ったことはない
文学は言語化できてないことをうまく表現するのが醍醐味 平野
AIにより小説はどう変わるのか❓
今回のテーマは「AIと小説」
「統治される大学 知の囲い込みと民主主義の解体」の一文 駒込武著/地平社
二〇一五年の夏、様々な大学で「有志」が安全保障関連法案反対の旗を
掲げはじめたさなか、私の職場である京都大学でも「自由と平和のための
京大有志の会」を立ち上げることになった。
藤原辰史さん(京都大学人文科学研究所)が中心となって「戦争は、
防衛を名目に始まる」というフレーズで始まる「声明書」を起草、
その最後は次のようになっている。
学問は戦争の武器ではない
学問は、商売の道具ではない
学問は、権力の下僕ではない。
生きる場所と考える自由を守り、創るために、私たちはまず、
思い上がった権力にくさびを打ち込まなくてはならない。
AIが変える創作の未来
生成AIの「生成」って何?
大規模なデータから学習して、新しいコンテンツやアイデアを生み出す人工知能(AI)
人間的魅力のある職業はなくならない
小説家はAIの影響を受ける?これは難しい
AIの著作権問題がありプロデューサーも難しい
知らないうちに盗作になる可能性がある
AIは小説に影響を与えている?
AIを使った小説は賞の対象になる?
AIに仕事は奪われない?
「すべての、白いものたちの」の一文
ハン・ガン著 斎藤真理子訳/河出文庫
ひたぶるに雪片は舞い散る。
街灯の明かりがもう届かない、真っ暗な虚空に。
語ることを持たない黒い木の枝の上に。
うつむいて歩く人々の髪に。
《AIと小説》平野啓一郎
死んだ母をAIで蘇らせる「本心」
執筆のきっかけ
AIと人間の違いは感情が入るか入らないか?
「本心」の一文 平野啓一郎著/文春文庫
「石川さん、違和感がある時は、
『お母さん、そんなこと、言わなかったよ。』と
注意してください。『前はこう言ってたよ。』
訂正してあげれば、それで、学習します。
そのきっかけの文言も、仮にこちらで、
設定したものですので、ご自由に変更できます。
一度、試してみてください。」
僕は、言われた通りに注意して、
「前は、『大丈夫?』って言ってたよ。」と
語りかけた。〈母〉は少し考えるような表情をして、
「そうだったわね。」と微笑した。
そこまでありとりしたところで、僕は、助けを求めて野崎を探した。
「画面の右上に触れてください。特に何も印はありませんが、
そこに腕を伸ばしてもらええば、終了になります。」
言われた通りにすると、視界が閉ざされ、
やはり少ししてから最初の画面に戻った。
AIと違って人間は「変化」するから面白い
亡くなった人をAIで蘇らせる技術あなたは使う?使わない?
「本心」の一文 平野啓一郎著/文春文庫
「何が出来るの、じゃあ、わたしたちに?選挙?行ってるよ、毎回。
―どうにか生きていくためには、自分を変えるしかないけど、
…それだって、結局うまくいかないのよ。
私の人生、全然、よくならないまま、余命ばかり減っていってる。
スタート地点が、違い過ぎるもの、お金持ちの人たちと。
それは、酷い境遇から成功した人も
いるだろうけど、桁外れの努力か、運か。
わたしたちに、それを求められてもね。…仮想空間の方が楽しい。
フィジカルな世界を生きるべきだって、言う人もいるけど、
いつだってあるのよ、そういうの。都会で生活してる人に、
自然豊かな田舎暮らしの素晴らしさを説くとか。違う?
余計なお世話でしょう?」
「本心」の一文 平野啓一郎著/文春文庫
そういう日になるとは、まったく思っていなかったので、
僕は母が亡くなってから初めて幸福感を覚えた。
恋愛はどれだけ「五感」が満たされるか
10年ぶりの短編集「富士山」平野啓一郎著/新潮社
相性をAIで判断したほうが正しい?
「富士山」『息吹』読者が自由に想像できる結末
「富士山」『息吹』の一文 平野啓一郎著/新潮社
ヒップホップ系の大きなTシャツを着た隣の若者二人が、
各々片手にビッグマックを持って、椅子の背もたれに
体を預け、足を組んで話し込んでいる。
彼の席にまで漂ってくる、その匂いを嗅ぎながら、
息吹は少し胸やけを感じた。
(中略)
それでも、この時、息吹を見舞った郷愁には、
記憶システムに障害でも発生したかのような、
戸惑うほどの目まぐるしさがあった。
大学時代に一人暮らしの学生マンションで、
床に広げてビッグマック・セットを食べていた光景から、
後輩のバイト先の店をからかい半分に訪ねた時の光景、
(中略)
…どれも、この十五年間、ただの一度も思い出されることがなく、
それもそのはずで、今では何の役にも立たない記憶ばかりだった。
「息吹」プルースト効果を書いた理由
人生はどうでもいいことが大切
「富士山」『鏡と自画像』の一文 平野啓一郎著/新潮社
それにしても、死刑になるためには、どうすればいいのか?
新宿区役所に行って、受付で相談することを考えた。
あそこは、立地もさることながら中も本当にカオスで、
色んな人が色んな悩みを打ち明けに来ている。
「―ご用件は?」「死刑になりたいんですが、…」
「死刑ですと、どなたか三名、殺していただかないと
申請を受け付けられません。」「三名ですか?」
「三名以上です。失礼しました。担当者にもよりますが
二名だと申請が通らないことが多いですので、三名以上が確実です。」
「そうですか。…誰を殺すべきでしょうか?
それによって、人数に違いがありますか?」
「誰でもいいです。死刑の場合、人数が重要ですので。
申請の受付は、その後になります。」想像の中の
新宿区役所職員は、てきぱきとそう答えた。
女性で、とても仕事ができる感じだったので、
中田さんという名前にしておいた。
「鏡と自画像」人間がAIに近づいている?
保奈美におすすめ平野啓一郎AIの一冊
「ロボット(R.U.R)」カレル・チャペック著/岩波文庫
工場で人間の労働を肩代わりしていたロボットたちが反乱を起こし
人類抹殺を開始 機械文明の発達が人間に幸福をもたらすのか
保奈美におすすめ今井翔太AIの一冊
「LIFE 3.0―人工知能時代に人間であるということ
マックス・テグマーク著 水谷淳訳/紀伊国屋書店
労働法律軍事倫理から生命と宇宙機械の意識超知能AIが
出題したら何が起こるかなどの問題を論じた一冊
ノイズある深きサウンド土恋し
あるがままの音を集めて春を視る
時間とは何かを求め春に死す
■あの本、読みました?
AIが登場するヒット小説「本心」平野啓一郎が語る創作の未来
2024年ノーベル化学賞&物理学賞はどちらもAI分野の研究者が受賞
今回のゲストは今井翔太・平野啓一郎
鈴木保奈美・角谷暁子・林祐輔プロデューサー
人間にとって簡単なことはAIには難しい
人間が難しいことはAIには簡単 今井
AIを小説のアイデア出しに使ったことはない
文学は言語化できてないことをうまく表現するのが醍醐味 平野
AIにより小説はどう変わるのか❓
今回のテーマは「AIと小説」
「統治される大学 知の囲い込みと民主主義の解体」の一文 駒込武著/地平社
二〇一五年の夏、様々な大学で「有志」が安全保障関連法案反対の旗を
掲げはじめたさなか、私の職場である京都大学でも「自由と平和のための
京大有志の会」を立ち上げることになった。
藤原辰史さん(京都大学人文科学研究所)が中心となって「戦争は、
防衛を名目に始まる」というフレーズで始まる「声明書」を起草、
その最後は次のようになっている。
学問は戦争の武器ではない
学問は、商売の道具ではない
学問は、権力の下僕ではない。
生きる場所と考える自由を守り、創るために、私たちはまず、
思い上がった権力にくさびを打ち込まなくてはならない。
AIが変える創作の未来
生成AIの「生成」って何?
大規模なデータから学習して、新しいコンテンツやアイデアを生み出す人工知能(AI)
人間的魅力のある職業はなくならない
小説家はAIの影響を受ける?これは難しい
AIの著作権問題がありプロデューサーも難しい
知らないうちに盗作になる可能性がある
AIは小説に影響を与えている?
AIを使った小説は賞の対象になる?
AIに仕事は奪われない?
「すべての、白いものたちの」の一文
ハン・ガン著 斎藤真理子訳/河出文庫
ひたぶるに雪片は舞い散る。
街灯の明かりがもう届かない、真っ暗な虚空に。
語ることを持たない黒い木の枝の上に。
うつむいて歩く人々の髪に。
《AIと小説》平野啓一郎
死んだ母をAIで蘇らせる「本心」
執筆のきっかけ
AIと人間の違いは感情が入るか入らないか?
「本心」の一文 平野啓一郎著/文春文庫
「石川さん、違和感がある時は、
『お母さん、そんなこと、言わなかったよ。』と
注意してください。『前はこう言ってたよ。』
訂正してあげれば、それで、学習します。
そのきっかけの文言も、仮にこちらで、
設定したものですので、ご自由に変更できます。
一度、試してみてください。」
僕は、言われた通りに注意して、
「前は、『大丈夫?』って言ってたよ。」と
語りかけた。〈母〉は少し考えるような表情をして、
「そうだったわね。」と微笑した。
そこまでありとりしたところで、僕は、助けを求めて野崎を探した。
「画面の右上に触れてください。特に何も印はありませんが、
そこに腕を伸ばしてもらええば、終了になります。」
言われた通りにすると、視界が閉ざされ、
やはり少ししてから最初の画面に戻った。
AIと違って人間は「変化」するから面白い
亡くなった人をAIで蘇らせる技術あなたは使う?使わない?
「本心」の一文 平野啓一郎著/文春文庫
「何が出来るの、じゃあ、わたしたちに?選挙?行ってるよ、毎回。
―どうにか生きていくためには、自分を変えるしかないけど、
…それだって、結局うまくいかないのよ。
私の人生、全然、よくならないまま、余命ばかり減っていってる。
スタート地点が、違い過ぎるもの、お金持ちの人たちと。
それは、酷い境遇から成功した人も
いるだろうけど、桁外れの努力か、運か。
わたしたちに、それを求められてもね。…仮想空間の方が楽しい。
フィジカルな世界を生きるべきだって、言う人もいるけど、
いつだってあるのよ、そういうの。都会で生活してる人に、
自然豊かな田舎暮らしの素晴らしさを説くとか。違う?
余計なお世話でしょう?」
「本心」の一文 平野啓一郎著/文春文庫
そういう日になるとは、まったく思っていなかったので、
僕は母が亡くなってから初めて幸福感を覚えた。
恋愛はどれだけ「五感」が満たされるか
10年ぶりの短編集「富士山」平野啓一郎著/新潮社
相性をAIで判断したほうが正しい?
「富士山」『息吹』読者が自由に想像できる結末
「富士山」『息吹』の一文 平野啓一郎著/新潮社
ヒップホップ系の大きなTシャツを着た隣の若者二人が、
各々片手にビッグマックを持って、椅子の背もたれに
体を預け、足を組んで話し込んでいる。
彼の席にまで漂ってくる、その匂いを嗅ぎながら、
息吹は少し胸やけを感じた。
(中略)
それでも、この時、息吹を見舞った郷愁には、
記憶システムに障害でも発生したかのような、
戸惑うほどの目まぐるしさがあった。
大学時代に一人暮らしの学生マンションで、
床に広げてビッグマック・セットを食べていた光景から、
後輩のバイト先の店をからかい半分に訪ねた時の光景、
(中略)
…どれも、この十五年間、ただの一度も思い出されることがなく、
それもそのはずで、今では何の役にも立たない記憶ばかりだった。
「息吹」プルースト効果を書いた理由
人生はどうでもいいことが大切
「富士山」『鏡と自画像』の一文 平野啓一郎著/新潮社
それにしても、死刑になるためには、どうすればいいのか?
新宿区役所に行って、受付で相談することを考えた。
あそこは、立地もさることながら中も本当にカオスで、
色んな人が色んな悩みを打ち明けに来ている。
「―ご用件は?」「死刑になりたいんですが、…」
「死刑ですと、どなたか三名、殺していただかないと
申請を受け付けられません。」「三名ですか?」
「三名以上です。失礼しました。担当者にもよりますが
二名だと申請が通らないことが多いですので、三名以上が確実です。」
「そうですか。…誰を殺すべきでしょうか?
それによって、人数に違いがありますか?」
「誰でもいいです。死刑の場合、人数が重要ですので。
申請の受付は、その後になります。」想像の中の
新宿区役所職員は、てきぱきとそう答えた。
女性で、とても仕事ができる感じだったので、
中田さんという名前にしておいた。
「鏡と自画像」人間がAIに近づいている?
保奈美におすすめ平野啓一郎AIの一冊
「ロボット(R.U.R)」カレル・チャペック著/岩波文庫
工場で人間の労働を肩代わりしていたロボットたちが反乱を起こし
人類抹殺を開始 機械文明の発達が人間に幸福をもたらすのか
保奈美におすすめ今井翔太AIの一冊
「LIFE 3.0―人工知能時代に人間であるということ
マックス・テグマーク著 水谷淳訳/紀伊国屋書店
労働法律軍事倫理から生命と宇宙機械の意識超知能AIが
出題したら何が起こるかなどの問題を論じた一冊
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