2024年1月29日月曜日

テーマ「日記」藤田和日郎氏

厳寒を楮(かじ)蒸し始む木頭地区
ケアすれどささくれだった霜夜かな
寒晴れやいつも答えは吾で作る
消極的に愛を表現春を待つ
能動を貫く人や寒鴉(がらす)

■NHK短歌 テーマ「日記」
第4週のテーマは「グッとくる瞬間」
選者 岡野大嗣 ゲスト 藤田和日郎 司会 尾崎世界観

花と花に眠る犬の絵ふんだんな余白が棺だと思わせる
岡野大嗣

▪入選九首 テーマ「日記」
一席 今日は何もありませんでしたと書いたとてもたくさんの消しゴムの跡に
竹林ミ來
スナップの裏に書かれてまだそこでふくらんでいる母の日付は
鈴木ベルギ
山小屋で火を眺めつつ日記帳死んだら燃やしてと君が云う
仲原佳
わたしだけわかっているのこの店で3年前もおでんを食べた
八谷春
三席 私 しゃべりたいわたしは私にしゃべりたい今日がどれだけ惨めだったか
掘優季奈
自分では旅の日記はつけないが三人ほどの日記に書かれた
宮川潤
 生きたしと一言綴られし日記の頁を擦りやる曾祖母よ
藤雪陽
七年前でしたよ課長にわとりが工場に迷い込んで来たのは
原田浩生
二席 私 うばたまの宇宙に我はただひとり右上大臼歯今朝脱離せり
上前三博

▪表現者の原点
不幸に生まれた人が不幸のまま死んでいくのは
作者の努力不足だと思う
アンデルセンいい加減にしろよ
不幸な人を不幸のまま終わらないものにしたい
というのが藤田和日郎氏の漫画の原点
嫌なものとは絶対違うものを描いてやるみたいな
方法論が出てきそう
反対意見も「全部ください」って(編集さんに)言う
長く漫画家をやっているとガソリン切れと言うか
何も出てこないときにひどいことを言われたりすると
奮い立つ
怒っている時の方が元気が出る

藤田さんにとって漫画とは❓
絵がすごく上手で油絵とかを使いこなすなら画家
文筆が立ったら小説だが全部届かない
全部の能力を集めてようやく漫画家に届くかな
漫画を出してからリアクションがくるのに
すごくタイムラグがある
Liveでのリアクションはリアルタイム
そんな環境にありながら小説を書いたりするのは

何か足りなかったから?
音楽以外の表現でその瞬間に返ってこなくても
言葉にできないリアクションにちゃんと向き合いたい
否定したくなる
自分が本気でやっていることだからこそ
自信があるからこそ完璧だと思いたくない

▪それぞれの「日記」それぞれの「表現」
呪い込め刻むひとコマ消えたき人に「また来週」「また来週」と
藤田和日郎

今週も生き延びましたおれもおれの好きな漫画の愛する敵も
岡野大嗣

▪ことばのバトン
我らは創る夢の架け橋   内堀克利

アレの日玉子を割れば黄身ふたつ
かまちよしろう(漫画家)

0 件のコメント:

コメントを投稿