2024年1月23日火曜日

題「ごめん」

望まない「生」を生かされ寒波来る
青き空遊歩あでやか山茶花の
寒稽古没入感へのめり込み
心整え吾に向き合わん寒ざらへ
根拠なき自信を持ちて春を待つ

■NHK短歌 テーマ「話し言葉を取り入れる」
選者 𠮷川宏志 ゲスト 山田由梨 司会 尾崎世界観
第3週の年間テーマは「実感的 表現力アップ」

会話が入ることによって短歌が生き生きする
今回短歌に詠みこむのは「ごめん」

毛の包む耳を撫でおりごめんなあ交尾させずに十年過ぎた
吉川宏志

▪入選九首 題「ごめん」
二席 私 ごめんねの重さで降ってくる雪を全身で受ける一月の帰路
君村類
一席 日に何度ごめんと言いしあの頃か職場に夫(つま)に保育所に吾子に
吉村享子
 どうせまた絵文字みたいに顔だけでごめんと言う彼を待つ駅前
伊佐山春奈
午前/午後/ご飯/権藤/ございます/予測変換ごめんが遠い
佐藤美加
三席 ごめんねの力で捏ねるハンバーグ遊園地には連れてく、ぜったい
三浦直子
ごめんまだ許せていないささくれた木のブロックを箱へともどす
小野小及々(このの)
ごめんねと言えずに父のさしくれる大きな傘に並びて帰る
春野あおい
大声も小声もいけない「ごめんね」はロウソク吹き消すくらいの息で
野田由美
「学校においでよ」なんて簡単に誘ってごめん月は遠い
佐々木泰三

▪入選あと一歩
亡夫(つま)の骨風に散らせば我肌に寄せ来て一瞬避(よ)けている「ごめん」
桜井桂子 添削
の骨風に散らせばわが肌に寄せ来てごめん一瞬避(さ)けた

▪表現の最前線
高安国世(1913~1984)
よくわかりましたわ今度こそと妻言へばこれ迄かと眼閉(まなこと)づ

▪山田由梨 表現の最前線
考えながら喋っている時に出てくる「無駄」をあえて入れる
人が実際に言葉を発することを前提に書いている
節約していることを表現する「牛肉って久し振り
いつもお肉売り場の牛肉コーナーって通り過ぎちゃうもんね」
⇧生きたセリフだ

(短歌で)会話は難しい
セリフがあってその後を連想させる
短歌の場合はト書きが書けない
リアルな会話は短歌でも結構大事

▪ことばのバトン
今回は休憩

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