2024年1月31日水曜日

千利休&坂倉準三&棟方志功&養老孟司の言葉

揺るがない信条持ちて冬銀河
寒き朝最期の言葉「まだまだ…。」
冬の波人間以下のあしらひを
人脅す弱き人をりしずり雪
冬景色理解せぬ人できぬ人

■偉人・敗北からの教訓 
第28回「千利休・天下一となった茶人の運命」より

人生七十 力囲希咄 吾這宝剱 祖仏共殺
提ル我得具足の一太刀 今此時そ天に抛
千利休 遺偈
千利 胸の覚悟の言葉
茶の湯とはただ湯をわかし
茶をたてて のむばかりなる
ことと知るべし

利休の敗北から学ぶ教訓
一、 相手の内懐に踏み込み過ぎない
一、 自らの力を過信すべからず
一、 表舞台から降りるタイミングを知るべし

■日曜美術館 戦後新宿・渋谷を作った建築家 坂倉準三

建築の中心となるものが人間であるということと
整理的心理的動物としての人間であるということを
何よりもまず忘れてはならない
坂倉準三の言葉

■新美の巨人たち【❝棟方志功❞魂の肉筆画in青森の秘湯×緒方直人】
棟方志功が愛した仏教の言葉
▪萬里水雲長慈航又何處(ばんり すいうん ながく じこう また いずこ)
慈航とは、仏が慈悲の心を以って衆生を救う舟をさし
人生は涯しない大海原を漂うごときのもので、何処へ行くのかわからない
きょうもまた 菩薩の慈しみを信じて 航(ゆく)のみである。
という意味。

▪神舞
志功は酸ヶ湯(すかゆ)全体のことを神舞閣っていう風に言っていた
それは志功が大好きな人がいたから
仙人と呼ばれる男 鹿内辰五郎(酸ヶ湯温泉従業員)の言葉
志功よ あれを見ろ!あれは神の鷹だ!
鷹を見れば出生するぞ お前は世界一になる!

神鷹を見た日の志功の言葉
形のいい鷹でしたよ 笛をね鹿内さんが吹いたら
舞うんですよ 我々の前を 真上を
僕 感激しましたよ 感激どころじゃない
地べたにめり込んでしまってね 手を頭の上にあげて
合わせてね ああいうものじゃないかと思うんですな
本当の神とか仏とかってものはね
目に見えるものじゃなく 人間の体 心を動かしてね
染み入ってくるものが やっぱ本物だと思う
それを見つけてくれたのが 鹿内さんですからな

酸ヶ湯温泉で志功は昭和35年六曲二双の
「御鷹々々(たかたか)(倭画)を描いています。
八甲田霊山神泉妙瑠璃舞韻萬千閣大観之図(昭和48年)
この風景は実際にはありません。

酸ヶ湯薬師如来(昭和30年頃)
この絵は土用の丑湯 7月24日ご開帳予定だそうです

命と祈りを描き上げた人 棟方志功

■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな2人~#8養老孟司
養老孟司氏の言葉
「なるようになる」

2024年1月30日火曜日

兼題「扉」&私感&名言

裁判と選挙睨みて米の冬(トランプ)
里浦へ海鵜(うみう)越冬波険し
マルサスの人口論や鐘氷る
冬の米もしトラならぬ多分トラ
木頭では技術伝承太布創り

■NHK俳句 兼題「扉」
選者 高野ムツオ ゲスト 伊集院光 西山ゆりこ 木暮陶句郎
レギュラー 中西アルノ 司会 柴田英嗣
第4週のテーマ「語ろう!俳句」
「心の扉」比喩的・象徴的にも使える
様々なシチュエーションが「扉」には感じられる
落第の時の扉とか回転扉
初見舞いで病院のドアを開ける時の扉
俳句は一つの題材から様々な想像や
感動が広がっていくところがある

回転扉でて春服のすそひらり   中西アルノ
扉絵は夢二のをんな暖炉燃ゆ   木暮陶句郎
落第の額扉に押し付けて   西山ゆりこ
初見舞い扉内外笑支度   伊集院光
冷蔵庫の扉開けば林檎姫   高野ムツオ

▪特選三席発表 兼題「扉」
一席 寒夜の扉(と)ひとりになっただけのこと   石原美枝子
二席 はつゆきや絵本の扉よりうさぎ 真砂光子
三席 冬の星扉はそっと閉めてよね   立花紅

特選
扉開くかに筑波嶺の颪かな   渡邊博司
冬の蝶扉さがしてゐるやうな   駒井ゆきこ
扉には鍵穴一つ冬銀河   徳照代
扉なきネット空間星冴ゆる   渡辺実
蔵の扉の鍵のみ残り寒椿   片山靖子
門扉などなくて枯野へ続きけり   福田英子

私感
伊集院光さんが入られたことでディベートが
ディベートじゃなくなりました。
苛めではなく物凄く建設的な討論となりました。
番組が糸井重里氏の言うところの「優しく強く面白く」なりました。
伊集院光さん最高!

■ 名言
柳井正氏 曰く
「世の中には、失敗してそこから考える人と
 考えない人がいるだけなんです。」

石橋湛山 曰く
「ばい菌が病気ではない。
 その繁殖を許す体が病気だと知るべきだ。」

東畑開人 曰く
「生きるっていう事は
 ルールに従って点数を稼ぐことだけじゃないぞ。」

2024年1月29日月曜日

テーマ「日記」藤田和日郎氏

厳寒を楮(かじ)蒸し始む木頭地区
ケアすれどささくれだった霜夜かな
寒晴れやいつも答えは吾で作る
消極的に愛を表現春を待つ
能動を貫く人や寒鴉(がらす)

■NHK短歌 テーマ「日記」
第4週のテーマは「グッとくる瞬間」
選者 岡野大嗣 ゲスト 藤田和日郎 司会 尾崎世界観

花と花に眠る犬の絵ふんだんな余白が棺だと思わせる
岡野大嗣

▪入選九首 テーマ「日記」
一席 今日は何もありませんでしたと書いたとてもたくさんの消しゴムの跡に
竹林ミ來
スナップの裏に書かれてまだそこでふくらんでいる母の日付は
鈴木ベルギ
山小屋で火を眺めつつ日記帳死んだら燃やしてと君が云う
仲原佳
わたしだけわかっているのこの店で3年前もおでんを食べた
八谷春
三席 私 しゃべりたいわたしは私にしゃべりたい今日がどれだけ惨めだったか
掘優季奈
自分では旅の日記はつけないが三人ほどの日記に書かれた
宮川潤
 生きたしと一言綴られし日記の頁を擦りやる曾祖母よ
藤雪陽
七年前でしたよ課長にわとりが工場に迷い込んで来たのは
原田浩生
二席 私 うばたまの宇宙に我はただひとり右上大臼歯今朝脱離せり
上前三博

▪表現者の原点
不幸に生まれた人が不幸のまま死んでいくのは
作者の努力不足だと思う
アンデルセンいい加減にしろよ
不幸な人を不幸のまま終わらないものにしたい
というのが藤田和日郎氏の漫画の原点
嫌なものとは絶対違うものを描いてやるみたいな
方法論が出てきそう
反対意見も「全部ください」って(編集さんに)言う
長く漫画家をやっているとガソリン切れと言うか
何も出てこないときにひどいことを言われたりすると
奮い立つ
怒っている時の方が元気が出る

藤田さんにとって漫画とは❓
絵がすごく上手で油絵とかを使いこなすなら画家
文筆が立ったら小説だが全部届かない
全部の能力を集めてようやく漫画家に届くかな
漫画を出してからリアクションがくるのに
すごくタイムラグがある
Liveでのリアクションはリアルタイム
そんな環境にありながら小説を書いたりするのは

何か足りなかったから?
音楽以外の表現でその瞬間に返ってこなくても
言葉にできないリアクションにちゃんと向き合いたい
否定したくなる
自分が本気でやっていることだからこそ
自信があるからこそ完璧だと思いたくない

▪それぞれの「日記」それぞれの「表現」
呪い込め刻むひとコマ消えたき人に「また来週」「また来週」と
藤田和日郎

今週も生き延びましたおれもおれの好きな漫画の愛する敵も
岡野大嗣

▪ことばのバトン
我らは創る夢の架け橋   内堀克利

アレの日玉子を割れば黄身ふたつ
かまちよしろう(漫画家)

2024年1月28日日曜日

歌会始 2024 お題「和」&今野寿美女史の短歌

終わりなき化学反応冬の潮
尊厳を守る戦い霜柱
離散者の生まれた祖国枯野原
正義を持ちて闘わん月氷る
凍空や理解のための言い聞かせ

■歌会始 2024 お題「和」
をちこちの 旅路に会へる(あえる)人びとの 笑顔を見れば心和みぬ(なごみぬ)
天皇陛下

広島をはじめて訪(と)ひて 平和への深き念(おも)ひを 吾子(あこ)は綴れり
皇后さま

早朝の十和田の湖面に 映りゐし 色づき初めし樹々の紅葉
秋篠宮さま

鹿児島に集ふ(つどう)選手へ 子らの送る熱きエールに場は和みたり
秋篠宮妃 紀子さま

幾年(いくとせ)の難き時代を乗り越えて和歌のことばは我に響きぬ
愛子さま

待ちわびし木々の色づき赤も黄も小春日和の風にゆらるる
秋篠宮家 佳子さま

わが君が退院されて常盤松明るくなりぬ心も和む
常陸宮妃 華子さま

病人(びやうにん)になりたる我を支へくれしまなざし優しき人等(ひとら)に和(なご)む
三笠宮寬仁親王妃 信子さま

道真公遷られたまふ御祭りに頬にふはりと和風の吹く
三笠宮家 彬子さま

仁和寺のお堂にひびく声明(しやうみやう)の音ふくらみて我をつつみぬ
高円宮妃久子さま

突然に和鳴(わめい)にぎやか秋空を 烏もどりて夕暮れを知る
高円宮家 承子さま

来年の歌会始のお題は「夢」で、「夢中」や「夢路」のような熟語にしてもかまいません。

⇧参照:https://news.yahoo.co.jp/articles/30b021b90b37bb72b85343fc2b4086409deafb4e

召人
歌木簡(うたもくかん)かかげ三十一(みそひと)文字をよむ温(ぬく)き響きに座は和みたり
栄原永遠男

選者
友垣に夕焼け空に咲く花に和(こた)へて遠く歩みつづける
三枝昴之

ひと滴(しずく)の檸檬に紅茶は色変へてはるかなり中和滴定曲線
永田和宏

琴は琴でもこの国に生まれたる和琴(わごん)といへり六弦と知る
今野寿美

海山の怒りの風を和らぐる言葉教へよ樹の中の鳥
内藤明

きたにしの風和ぐなへに冬の陽はわが頬を刷くいたくやさしく
大辻隆弘

入選者(年長順)
己が手で漉きたる和紙の証書手に六年生は卒業となる
古橋正好

かの日々に移り来し人等耕しし大和と呼ぶ里アマンドの花
川崎ハルコ

呼びに来てくれたる人を追ひ越して電話に急ぎし昭和の夜道
臼許喜行

和菓子屋をなりはひとして五十年寒紅梅に蘂をさす朝
岩倉由枝

和ダンスは母のぬくもり大島に袖をとほせば晩年に似る
高橋祐子

風琴の和音のやうに柔らかに多言語混じりあへる教室
川添さとみ

見逃した小さな小さな違和感の粒で自分が作られていく
小野文香

花散里(はなちるさと)が一番好きと 笑(え)みし友 和服の似合ふ(にあう) 母となりぬる
宮村瑞穂

目を瞑り一分間を祈るとき皆が小さき平和像となり
小池弘美

『それいいね』 付和雷同の私でもこの恋だけは自己主張する
神田日陽里

⇧参照:徳島新聞

歌会始を初めてテレビで拝見いたしました。
私ごときには解らないと思っていたのですが解りました。
新聞から転記しているとまたまた勉強になりました。
表現がますます理解できました。
来年からが楽しみでなりません。
今野寿美先生にすっかり憧れてしまいました。素敵…。

今野寿美先生の初期の短歌
http://tobasan88.blog.fc2.com/blog-entry-494.html

今野寿美(こんのすみ)の短歌 17首【朗読】
https://www.youtube.com/watch?v=k6Vb4g8QbuA


2024年1月27日土曜日

美容院で一句&建礼門院

古風かつ普遍的価値(人生観) 冬銀河
会っていて疲れない人日向ぼこ
石の輪廻と交わる人と冬日向
圧倒的当てつけ北窓塞ぐ
冬の草デッサン力と描写力

■プレバト纏め 2024年1月25日
美容院で一句

▪特別永世名人富美男の締めの一
梅沢富美男
髪の毛の挟まる雑誌四温かな
添削
切り髪の挟まる雑誌四温

▪名人十段を目指す試験
森口瑤子
就活の黒髪は艶失せて冬
添削(艶失せて 理屈説明になっている
   俳句は映像を描写する
就活の黒髪木枯(こがらし)に束ぬ

1位 河井ゆずる
待春の病室祖母に巻くロッド
(季語 待春を上手く使っている
 物に焦点を絞ると作者は横で嬉しそうに眺めている
「良くなって欲しい」という思いが
季語待春によって押し出されている)

2位 柏木由紀 
ほっとするパーマのヒーター冬の朝
(ほっとする は自分の気持ちを説明
のほのとパーマヒーター冬の朝

3位 研ナオコ
早いかな襟足すっきり春近し
(早いかな は自分の気持ちを説明 5音分映像を足す) 
襟足すっきり春近き鏡

4位 君島十和子
先駆けて切り揃えし春待ちの朝
添削(春待ちが季語 先駆けては不要)
髪を切り揃え春待ちの朝(あした)

5位 武尊(たける)
金に染め宙舞う一月勝ち儀式
添削(詰め込み過ぎ ボクシングの試合であることを入れる)
変え一月のゴング待つ

次回のお題は「鍋つゆ売り場」

■お墓から見たニッポン7「建礼門院」
平家の栄枯盛衰を目の当たりにした悲劇の生涯 より

平清盛率いる平家一門のおごり高ぶりを象徴する
平時忠(たいら の ときただ)の発言とか
世間に言わしめるほどの権力を握っていたという説も…。
「平家にあらずんば人にあらず」

中野信子女史 曰く
「子どもは愛情を食べて育つ」

2024年1月26日金曜日

名言&ロッチと子羊(66)

揺るぎなき安定保つ嚏(くさめ)かな
月冴る我慢の時間めど立たず
失敗は永遠の記憶に寒北斗
寒日和甘き強味のミルフィ~菜
空仰ぐ落葉に埋もれ一休み

■ロッチと子羊(66)「トラックドライバー編(2)」
▪宮内和弘
お悩み 子供っぽい性格でテンションがあがると
周りが見えなくなり人を傷つけてしまう

大人と子どものアプローチの違い

人やモノに対抗して活動するのが子ども
人やモノのために活動するのが大人
ヘーゲル哲学の要約

大人の特徴 改革タイプ 推進
世界の客観的必然性と理性の承認
世界をつくろうとするのではなく
すでにできあがっているものとして
冷静かつ現実的に見ることができる

子どもの特徴 革命タイプ 否定
世界を無理やり変えようと対抗する

理想の社会をつくるには革命ではなく改革
理想を叶えるには大人アプローチで行こう
今後、大人アプローチも身につけて!

子どもアプローチ
ワクワク感がある分、人に迷惑をかける可能性がある

大人アプローチ 
ワクワク感は少ないけれど、人に迷惑をかける可能性も低い

状況によって大人か子どもかを選ぶ

▪清水翔
お悩み トラックのかっこよさを理解してもらえない

自然美についての哲学

人が思うカッコよさを理解できないと思えば
理解してもらえるでしょう 
カント哲学の要約

物事を認識する基準 共通のものさし
感性(感覚的に把握する能力)
悟性(倫理的に施行する能力)
美の感覚を決めるのも感性と悟性

環境や経験の違いで同じ認識になるとは限らない
感性と悟性を使っているので相手も同じ認識になると勘違いする
相手の美の感覚は理解できないものである
美の感覚は個人によって異なる
カントは共通のセンスを探る努力をせよ!と言っている
ものさしを共通のものにしていく
相手はどこにひかれるのか❓
何をカッコいいと思うのか❓
何に美を感じるのか❓
(相手を)理解すればいい

■名言
本田宗一郎 曰く
「悲しみも、喜びも、感動も、落胆も、
 つねに素直に味わうことが大事だ。」

勝海舟 曰く
「生業に貴賤はないけど、
 生き方には貴賤がある。」

羽生善治 曰く
「何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、
 誰でも必ず挑戦するだろう。
 報われないかもしれないところで、
 同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは
 非常に大変なことであり、
 私は、それこそが才能だと思っている。」

2024年1月25日木曜日

津田梅子 ザ・プロファイラー

バブル世代60代へ寒に入る
冬菫跪くたびに痣こさえ
寒きびし自己中心の消Time
面白そうなフェイクに乗って冬一番
めくるめく知らない世界残る虫

■ザ・プロファイラー 女性の可能性を切りひらけ!教育者 津田梅子

姉は家から遠く離れたところに行きたくなかったのです
私だって両親のもとを離れたくなかったですが
それでも私はアメリカに行くことを望んだのです
幼少期の梅子の作文

女性の人生には我慢しなければならないことがいろいろとあります
アメリカでも私は男性だったらよかったのにと思いました
日本ではなおさらです!
ランマン夫人宛の手紙

何よりも必要なのは健全な教育を受けることができる女子のための学校
まだ計画は空想の段階でもし私たちにそのようなことができれば
それは壮大な仕事となるでしょう
ランマン夫人宛の手紙

日本は結婚しないと身動きがとれない社会
既婚女性こそが成し遂げられることもある
アリス・ベーコン宛の手紙

父は結婚について何も言わないので
私も年がいっても全く心配していません
通常の人生を歩むなら十分な教育は
すでに受けていると言えるかもしれませんが
私はもっと教育を受けたいのです
自分の仕事に十分に準備をしたいですし
日本には能力や力量を持った人々が必要なのです
ランマン夫人宛の手紙

一つの細胞に宿る生命は奇跡以上の奇跡
吉川利一「津田梅子」

女子は将来夫に仕え家をおさめるのであるから
程度の高い学問的な訓練に重きを置くべきではない
化学理学などの科目は華族の女子にふさわしくなく
学ぶべきではない
明治天皇「御親喩」

梅子はいかめしい抑圧は日本に置いてきていた
友人たちと自然な自分で自由に明るく行動していた
アナ・ハーツホン覚書

普通の日本女性では容易に得られない
機会があったからこそ充足感に包まれていた
そう思うと同じ機会を日本の女性に与え喜びを
分かち合うのが私の義務ではないか
吉川利一「津田梅子」

女性教育に関心がある人々への講演会を開催

彼女はこういう仕事に必要な資質をすべて兼ね備えている
鋭い眼力と想像力そして科学的な正確さへの感情的なまでの愛を
アナ・ハーツホン覚書

梅子を高評価
大学に残って研究を続けるよう提案
梅子にとって唯一の近視眼的な選択だった
アナ・ハーツホン覚書

少数ながら目覚めた女性はすでに高等教育を望んでいる
否!新しい日本が教養ある女性を求めている
吉川利一「津田梅子」

私は自由になりました そして 
後戻りする船をすべて燃やしました
友人宛の手紙

英語の専門家になろうと骨折るにつけても
完(まっ)たき婦人になるには必要な他の事象を
ゆるがせにしてはなりません
完(まっ)たき婦人 即ちall-round women
となるよう心掛けねばなりません

all-round womenとは英語が得意というだけではなく
さまざまな分野を学ぶことができもっと解き放たれた
広い視野をもって判断ができるような人になるということ

教育の理想
真の教育をするには少人数に限ると思います
吉川利一「津田梅子」

資金繰りで苦しんだ
そのため支援を求める手紙を書き続けた
1か月に300通出したこともあったという
そんな時友人アナ・ハーツホン アリス・ベーコンが
来日して無報酬で授業を受け持ってくれた
そして瓜生(旧姓 永井)繁子は職員 
大山(旧姓 山川)捨松は顧問として梅子を支えた

1913(大正2)年 卒業式の記録
少数の人々に限るのでなく家庭という領域さえ超えて
気高い志ひたむきな熱心さ広く共感できる力を
多くの人々にささげることができるなら
どんなに弱い我々でも人生を実りあるものにできるでしょう
1929(昭和4)年8月16日 津田梅子死去(64歳)
生涯独身だった

闘病生活の中で遺した言葉
「この永遠の世界の中で
 私自身や私の仕事は
 どんなに小さいものか
 自覚しなければならない
 一粒の種は
 砕かれ地に落ち
 新たな草木が生える
 ということを」
津田梅子の日記より

梅子の蒔いた一粒の種
日本人女性のための米国奨学金制度が創立された
1976(昭和51)年までに25人の留学生を送り出した
その中には
同志社女子大学 校長 松田道
恵泉女学園 創立者 河井道 もいた

2024年1月24日水曜日

100分de名著 選 独裁体制から民主主義へ(2)非暴力という「武器」

無関心な傍観者冬を笑う
寒月や理性に仕え存えん
不合理の考察続く冬深し
無抵抗トルストイからガンディーへ(無季句)
冬の梅周りを愛で包み込み

■100分de名著 選 独裁体制から民主主義へ(2)非暴力という「武器」
政治学者 ジーン・シャープ

198の方法は広く知られています
驚くほどの反響があるようです

国際関係思想研究者・清泉女子大学名誉教授
中見真理

非暴力に対する誤解を解く!
暴力なき「戦争」

抵抗勢力が暴力という武器を選べば敵は極めて有利な立場に立つ
敵が最も得意とする手段で戦うことになる
非暴力という手段で戦えば敵は反撃しにくくなる

非暴力行動 198の方法
非暴力闘争2つの柱
政治的柔術
エジプト革命(2011)チュニジアで発生した
民主化運動に端を発する民主化運動「アラブの春」のひとつ

抵抗勢力が非暴力という規律を貫き通すことが重要

たとえそれが部分的なものであっても
抵抗勢力による暴力が起これば、逆効果となる。
というのも、それが闘争を独裁者にとって
はるかに有利なもの(軍事戦争)へと変えてしまうからである。

非暴力の原則を守り抜くためにはかなりの覚悟が必要

抵抗運動の担い手から民主主義の担い手tとなった民衆は
社会を強くしていくのです。
しかし、周到な計画が練られることはほとんどない
と、シャープは嘆きます。

活動家への批判的視点

宗教的な非暴力主義者に見られがちな
傾向にも問題点を見出していた
深い信仰を持たない人々を対等に見ない人もいた

成功した民主化運動
セルビアのミロシェヴィッチ追放運動

ロバート・ヘルヴィー 
シャープの研究所スタッフ 元アメリカ陸軍大佐

オトポール!=抵抗
政治運動組織「オトポール!」リーダー
スルジャ・ポポヴィッチは次々と実践しました。

拳がシンボルになりました
柱が弱り崩れたら政府も壊滅します 
支えがなくなるからです しかし柱を壊さないで
民主化運動へ移行するのが理想的です と、ロバート・ヘルヴィー

警察官も同じ体制の犠牲者だと呼びかけた
「犠牲者同士が争う理由はない」
「一方が青い制服もう一方が青いジーンズでも
どちらも同じ」と伝えた

2000年抗議行動によりミロシェヴィッチを退陣へと追い込んだ

ジーン・シャープの理論は私たちに影響を与えた

ロシア軍兵士の母親や妻が結成した団体が
ウクライナ侵攻を非難する活動をネットで展開

独裁政権打倒後の社会の運営をスムーズにしていくためにも重要

「CANVAS」応用非暴力行動・戦略センター
ポポヴィッチが「オトポール!」の仲間と2005年に創立

非暴力闘争を戦略的に計画する時に鍵となるのは当事者の力量

自らを分析せよ
シャープの父親が牧師

2024年1月23日火曜日

題「ごめん」

望まない「生」を生かされ寒波来る
青き空遊歩あでやか山茶花の
寒稽古没入感へのめり込み
心整え吾に向き合わん寒ざらへ
根拠なき自信を持ちて春を待つ

■NHK短歌 テーマ「話し言葉を取り入れる」
選者 𠮷川宏志 ゲスト 山田由梨 司会 尾崎世界観
第3週の年間テーマは「実感的 表現力アップ」

会話が入ることによって短歌が生き生きする
今回短歌に詠みこむのは「ごめん」

毛の包む耳を撫でおりごめんなあ交尾させずに十年過ぎた
吉川宏志

▪入選九首 題「ごめん」
二席 私 ごめんねの重さで降ってくる雪を全身で受ける一月の帰路
君村類
一席 日に何度ごめんと言いしあの頃か職場に夫(つま)に保育所に吾子に
吉村享子
 どうせまた絵文字みたいに顔だけでごめんと言う彼を待つ駅前
伊佐山春奈
午前/午後/ご飯/権藤/ございます/予測変換ごめんが遠い
佐藤美加
三席 ごめんねの力で捏ねるハンバーグ遊園地には連れてく、ぜったい
三浦直子
ごめんまだ許せていないささくれた木のブロックを箱へともどす
小野小及々(このの)
ごめんねと言えずに父のさしくれる大きな傘に並びて帰る
春野あおい
大声も小声もいけない「ごめんね」はロウソク吹き消すくらいの息で
野田由美
「学校においでよ」なんて簡単に誘ってごめん月は遠い
佐々木泰三

▪入選あと一歩
亡夫(つま)の骨風に散らせば我肌に寄せ来て一瞬避(よ)けている「ごめん」
桜井桂子 添削
の骨風に散らせばわが肌に寄せ来てごめん一瞬避(さ)けた

▪表現の最前線
高安国世(1913~1984)
よくわかりましたわ今度こそと妻言へばこれ迄かと眼閉(まなこと)づ

▪山田由梨 表現の最前線
考えながら喋っている時に出てくる「無駄」をあえて入れる
人が実際に言葉を発することを前提に書いている
節約していることを表現する「牛肉って久し振り
いつもお肉売り場の牛肉コーナーって通り過ぎちゃうもんね」
⇧生きたセリフだ

(短歌で)会話は難しい
セリフがあってその後を連想させる
短歌の場合はト書きが書けない
リアルな会話は短歌でも結構大事

▪ことばのバトン
今回は休憩

2024年1月22日月曜日

兼題「悴(かじか)む」

雪の原傍観者からの卒業
冬の鴬ライバルは我にあり
冬の雨同情するな哀れむな
三寒四温礼儀は「守」「攻」にあり
霜の夜を龍は気合いで宙を舞う

■NHK俳句 兼題「悴(かじか)む」
選者 村上鞆彦 ゲスト 松田ゆう姫 司会 柴田英嗣
松田ゆう姫さんは父・松田優作、母・松田美由紀、
長男・松田龍平、次男・松田翔太 俳優一家
松田ゆう姫さんにとって俳句とは想像力を残す
余白を残して委ねる

断片的なものを差し出して自由に味わってもらうもの

第3週の年間テーマは「人生を詠う」
今回のテーマは「不意の出来事」
親しい人との別れ

一瞬してみな遺品雲の峰   櫂未知子
考えてみれば当たり前のことはっきりと俳句にする
誰もが無意識に感じていることをはっきりと俳句にするのは
これが名句の条件のひとつ

父の優作さんはどのような存在でしたか❓
ゆう姫さんが1歳ちょっとの時に亡くなってるので
物心ついて残っている思い出としては百合の香り
法事とかの強烈な香りが記憶に残っているという感じです。
父としての存在の実感がないので周りからいろいろ聞いても
自分の中で「神格化」してしまう幻想をいだいてしまうというか…。
作品を観たり話を聞くうちに近く感じられる存在であると現在は思っている
松田優作氏の遺品 地下室に「ベスパ(探偵ものが立で使用)」がありました。
現在は展示室に飾ってあります。

▪特選六句発表 兼題「悴む」
悴みし手で散らばりし銭拾ふ   古矢敏光
悴む手パット決まってポケットへ   黒坂純
悴みし手を観音のお御足へ   高橋栄
悴みし顔が鏡に貼り付きぬ   山本一葉
促がされ遺影を持つ手悴める   山本美奈友
悴むや乾きしガムをつつく鳩   葦屋蛙城(けいじょう)

▪夏井家伝来!家藤正人&中西アルノ
0から俳句

生物園でオノマトペを学習!
0から俳句POINT
オリジナリティーとリアリティーがあること
読み手が共感するかとても大事になってくる
びりびりと顔に流れる新年の風   青山ネモフィラ
くぷくぷとちひさく大寒のあばら   家藤正人

▪今日マチ子、今日一句
時過ぎししまえぬ炬燵と君の気配   松田ゆう姫

十七音の中に物語がある
添削
片付けぬままの炬燵と君の気配
情景がよりシアルになった

▪特選三席発表 兼題「悴む」
三席 悴むや竹刀に当たる日の光   ちろやん
二席 傘の柄に悴む通夜の拳かな   猪俣ま悠
一席 薔薇窓のひかり悴む掌にもらふ   斎藤秀雄
(薔薇窓とは教会のステンドグラスの事)

▪柴田の歩み
自分の声を好きになろう

2024年1月21日日曜日

名言&由紀さおりの言葉&「おきじ」&「仏手柑」

鐘氷る傷つけられて傷ついて
簡素に自由に誠実に冬を生く
寒晴や多様な個性ありにけり
冬の月いかに生きるか今を生く
風花やふわりふわふわふんわりと

■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク おきじ

平仮名3文字の「おきじ」
一体何ものかと言いますとこれは
「雉子酒(きじざけ)」のことなのです
「雉子酒」の事なのですと言われても
「雉子酒」って何だという話なのですが
「雉子酒」は元々お正月に宮中に
参賀した人に賜ったお酒なのだそうです
焼いた雉子の肉をお酒の中に入れる
そういう「おきじ」というものだったそうです
ひれ酒の雉肉版なのかなぁと俗な想像をしてしまいますが
一体どんな風味になるのか試してみたいものでございます
雉は美味ですからねぇ

■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク 仏手柑

「ぶっしゅかん」とか「ぶしゅかん」とも呼ぶようです
見たことのある人は独特な形状に思わず触ってみたくなる
そんな季語でもあります
まさにこういう手のように細長い柑橘みかんの肌が
ひゅうひゅうと伸びているそんな姿をしています
元々中国南部で栽培されていたもので
日本では中々育てるのも難しいようです
柑橘王国愛媛県に住んでいる私ですが正直なところ
「仏手柑」一度も食べたことがございません
というの元々味としてはあまり食用に適さない
という事情もあるようです
鑑賞用などで育てられることが多く
果肉は果汁も少なく酸味も強い
砂糖漬けなどにして食べることはあるが…。
といったところのようですねぇ。

■鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな2人~
由紀さおり女史の言葉
「今日を生ききる」

■名言
アビゲイル・バンビューレン  曰く
「人格を計る最良の指標は、
 (a)自分にとってなんら役に立たない人にどういった態度を取るか、
 (b)自分に逆らうことのできない人にどういった態度を取るか、である。」

クリスティーヌ・ルウイッキー 曰く
「被害者意識を持つと
 問題を解決する手段が見えなくなります。」

フンボルト 曰く
「たいていの人々は、
 運命に過度の要求をすることによって、
 自ら不満の種をつくっている。」

2024年1月20日土曜日

穂村弘 短歌という魔法(前編&後編)

コンコルド効果ずるずる北颪(きたおろし)
冬の月四萬円を予想せり
楠に羽を休めん冬の鳥
冬の空仲間追いかけ追いつかん
残り鷺人のことなど知らぬふり

■NHKアカデミア 穂村弘 短歌という魔法(前編)
サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい
終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて

1990年のデビュー以来現代短歌をけん引してきた
ポップな表現でいま鋭く切り取る
「ゆひら」は雪だ だと濁点があったりするんですけど
雪がひらひら降ってくるようなね ひらひらみたいな
穂村の感じる短歌の力とは
裏目をもう一度裏目にすることができる魔法のジャンル
現代を代表する歌人の世界に講義参加者が迫る!

短歌という魔法
ペガサスは私にはきっと優しくてあなたのことは殺してくれる
冬野きりん

馬を洗はば馬のたましひ冱ゆるまで人戀はば人あやむるこころ
塚本邦雄

わかりやすい言葉で日常を鋭く切り取る穂村の短歌
記号や擬音語を多く用いた短歌はニューウェーブと呼ばれ
短歌界に大きな影響を与えた
現代短歌史は穂村以前と穂村以降で区切られるほどの人気ぶり
自ら選んだ作品からポップで鮮やかな世界に迫る

体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ
「シンジケート」より

目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき
「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」より

終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて
「シンジケート」より

今でこそ圧倒的人気を誇る穂村弘だが
短歌を始める前まではパッとしない人生だった
いかにして彼は短歌に出会ったのか?
1962年北海道生まれ 本名 辻一朗

校庭の地ならし用のローラーに座れば世界中が夕焼け
承認欲求 あの時の言葉では自己実現 何者かになりたいと思っていた

ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は

お替わりの水をグラスに注ぎつつ、あなたはほむらひろしになる、と

ゆめのなかの母は若くてわたくしは炬燵のなかの火星探検
「水中翼船炎上中」より
大切な人が亡くなった時は人は挽歌を創る
だからせめて母が死んだ一連が「火星探検かよ」みたいに
(現実に対して)一夜報いたいみたいな気持ちがありましたね

誤植あり。中野駅徒歩十二年。それでいいかもしれないけれど
大松達知
短歌に宿る不思議な力

■NHKアカデミア 穂村弘 短歌という魔法(後編)
呼吸する色の不思議を見ていたら「火よ」と貴方は教えてくれる

終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて

傑作がある だから僕は短歌マニア
穂村の考える傑作へのヒントとは❓
穂村弘の創作の源に迫る

穂村弘選・傑作短歌
誤植あり。中野駅徒歩十二年。それでいいかもしれないけれど
大松達知
本当はメロンが何かわからないけどパンなりにやったんだよね
砂崎柊
もう君の夢をみないと約束をさせられた日にみた君の夢
古賀たかえ
雨だから迎えに来てって言ったのに傘もささず裸足で来やがって
盛田志保子
看板の表が何か確かめることなく顔を嵌められる姉
前川泰信

上記の短歌の共通点は間違ったことで新しい世界が生まれている
大きな世界へ連れて行ってくれている

失敗にこそ人の輝きが宿る-みんなで味わう飛び切りの失敗談-
死ぬ時に思い出の多い人が幸せな人生では❓
失敗には魂の色が宿る
業績は本人が言わない限り表には出ない

やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
与謝野晶子

馬を洗はば馬のたましひ冱ゆるまで人戀はばあやむるこころ
塚本邦雄

最後のテロップ
このごろあなたのゆめばかりみる   穂村弘

2024年1月19日金曜日

毛布猫で一句&お墓見たニッポン7「紫式部」

断言・反復・感染冬深し
都合よく持ったイマージュ日脚伸ぶ
厳冬確証バイヤス見えぬふり
春を待つ好きに余白を想像し
霜柱吾で鍬返す吾の畑

■プレバト纏め 2024年1月18日
毛布の猫で一句(炬燵猫・毛布が冬の季語)

▪特別永世名人締めの一句 梅沢富美男
梅沢富美男
可惜夜(あたらよ)の猫の温(ぬく)みの布団かな
添削(可惜夜とは明けてしまうのが惜しいほどの素晴らしい夜
   貴方と過ごした二人の可惜夜 可惜夜に対して失礼な使い方
   季語は布団 直してもつまらないと夏井いつき先生)
可惜夜の布団に猫の寝息かな

▪永世名人 ジュニアのお手本
千原ジュニア
吾に見えぬもの見えておる炬燵猫
(季語と真っ向勝負 一物仕立て 季語の事だけを詠む俳句の型
 中々難しい技 語順も良い 猫の視線だけを描写して詩にしている)

1位 呂布カルマ
どこまでが猫でどこから毛布かな
(韻(どこ)文のリズムも有効に使用
 冬の季語として主役に立つように「かな」をつけて詠嘆している。
 ちょっとだけ違うリズムにする手もある 
 わざと一音足りないリズムにする 
 一音あえて余らせて面白いリズムを作る 俳句の許容範囲
 自由にあなたのリズムで詠うと他の人とは全く違う新しい俳句が生まれる
 期待の星を今日見つけたという思いですと夏井いつき先生)
どこまでが猫でどこから毛布

2位 新木優子
冬晴れのパリの街並み猫二匹
(固有名詞は大きな力を持つ 季語に匹敵するイメージを持っている
 寄り添うように猫がいる これもほのぼのとしたいい光景
 人間を一人入れるとさらに遠近感がでて面白い 
 行きずりの猫かも旅行者かもと五音あれば色々できる)
冬晴れのパリの街並み猫と吾と

3位 児玉智洋
老猫のいびきは父似日向ぼこ
(老いた猫と父のいたわりの気持ちがほんのり浮かぶ
 季語日向ぼこの暖かいイメージがくるっと包んだところが良い所)

4位 風間トオル
冬日向窓辺に毛布猫の夢
添削(三段切れ、季重なり)
日向なる窓辺に毛布猫の夢

5位 若林麻由美
母を待つ今日も感謝の冬薔薇
添削(兼題写真からなぜこの句を詠んだのか❓
   発想を広げるのは悪くはない 中七が勿体ない
   俳句は説明を嫌う)
通院の母待つ庭冬薔薇(1カットの映像になる)
通院の母待つ庭冬薔薇(視線が薔薇のアップへ行く)

次回のお題は「美容院」

■お墓から見たニッポン7「紫式部の墓を移動させたのは室町時代の熱狂的ファン?」
紫式部日記には清少納言の悪口だらけ!?
「得意顔で偉そうに振る舞っていた」
「利口ぶって漢字を書いているけど間違いだらけ」
「将来悪いことが起こる」
「不誠実な人間」

源氏物語に仏教界から大批判が!
仏教界の戒律「不妄語戒(嘘をついてはいけない)」を破ったと問題視される
物語⇨架空⇨嘘をついている⇨罪
紫式部は光源氏の言葉を借りて反論している
「正史である日本書紀などは物事の一面にしか過ぎない
架空の物語こそ道理にかなった詳しいことが書いてある」
紫式部は負けず嫌いで真面目なキャリアウーマン!

紫式部 辞世の句 
誰か世にながらへて見る書きとめし跡は消えせぬ形見なれども

千年もの間人々を魅了 世界を代表するエンターテイナー

2024年1月18日木曜日

ロッチと子羊(65)&帝国劇場知られざる建築美

冬山路老いて益々過激なり
猫と子が背を温めん冬陽射し
(武田トラちゃん)満面の笑み熊は怖いが栗欲しい
寒の雨心に余裕幸を生く
幸も不幸も表裏一体春を待つ

■ロッチと子羊(65)トラックドライバー編(1)
▪松田啓佑
お悩み 人の顔色をうかがい過ぎてうまく会話が続かない

当たり障りのない平凡な質問に
初対面の人と会話を続けたい

哲学の扉
顔色をうかがうことをケアに変換すれば
きっとうまく会話は進むでしょう
スローとの哲学要約

相手の視点でうかがえるかどうかが問題
自分の意識から相手へ返還

ポイント
相手をよく見る
話に耳を傾ける

自分のために顔色をうかがうのではなく
相手のために顔色をうかがう

▪藤原加代
お悩み 
こどもが巣立ったら何を糧に生きていけば良いのか分からない

哲学の扉
人な何のために生きがいを持つ?
生きがいは幸福のため

今の幸福がすべてではありません
人生は最後までわからないからです
モンテーニュの哲学要因

幸福はその人の捉え方や時間経過によって変わる
人生の最期まで幸福は変わり続ける

幸福が絶対的=生きがい
次の生きがいは必ず見つかります

生きがいは絶対的なものではなく変わるもの

■新美の巨人たち【世界を目指した帝国劇場知られざる建築美】

ロビーの周辺の壁には、埴輪色のボータータイルが貼られている。
埴輪は日本人の先祖が作った一種の造形的ドラマである。
それにあやかり、この劇場に日本の古い詩情を
土の色と肌によって表現したいと思ったのである。
谷口吉郎

日本で一番贅沢な壁だ
加藤唐九郎

舞台の芝居を重要と考え、建築はその印象を
一層深める役目にしたのです。
目で見、耳に聞いたものが、
心に響くようにしたいと思ったのです。
谷口吉郎

「風と共に去りぬ」を舞台化したい 
どんな場数が多い演し物であっても、舞台転換が極めて円滑、
迅速に手際よく行われるような大舞台を実現したい
菊田和夫

ミュージカル「レ・ミゼラブル」
今もうミュージカルをやるのは当たり前のように
ご覧になる方もそうですし俳優にしてもそうですし
歌い手さんにしてもそうですけれどやっぱり
ミュージカルというものに出演する
抵抗感はなくなったじゃないですか
昔はね36、7年前は歌専門の方であるとか
お芝居専門の方であるとかそういう人が歌ったりとか
お芝居したりとかということだったんですよね
でも今はみんなミュージカルするのは
当たり前みたいな時代になりましたし
お客さんもそういうことで楽しんでいらっしゃるので
この30年40年で随分やっぱり日本のエンタテインメントの
世界は随分変わったなというような思いは本当にありますね
鹿賀丈史

2024年1月17日水曜日

ベニート・ムッソリーニ ザ・プロファイラー

山桃の種転がりて冬の朝
(ピカソ)童心の鳥の水差し冬の夜
ムージャンの絵本の世界冬陽射し
(ピカソ)ムージャンを過ごす晩年梟(ふくろう)と
空海の必死一心虎落笛(もがりぶえ)

■ザ・プロファイラー 
ヒトラーが憧れた独裁者 ベニート・ムッソリーニ

ファシストに労働者も資本家も存在しない
唯一の目的である「国の利益」に従い
最大限の繁栄を得るための構成員である
(ファシスト党大会での発言)

ムッソリーニの成し遂げた成果なしでは
私が首相の座にまで昇りつめることはできなかった
(イタリア外交官との会話)

ムッソリーニはヒトラーを軽蔑していた

ヒトラーは現実の問題に触れることなく
彼が書いた「わが闘争」を暗唱し続けた
まるで壊れたレコードプレーヤーのようだった
(わが闘争:ナチ党の活動理念方針について書いたヒトラーの著作)

あいつは狂っている 道化師だ
(会談後の発言)

反ユダヤ主義政策を否定
イタリアに反ユダヤ主義は存在しない
ユダヤ人は常に立派に振る舞ってきた
(ジャーナリストとの対談)

エチオピア侵攻 エチオピアは40年前に失敗した国
ローマ帝国の復興を国民に鼓舞した
禁じられた毒ガスを使用し半年で勝利
しかしイタリアは国際社会から非難を浴びた
エチオピア併合を認められなかった
だが、国民の愛国心を刺激し ムッソリーニの人気は高まった
そしてイタリアを指示したのはヒトラーだった
2人を近づけたのはスペイン内戦
ムッソリーニとヒトラーはフランコ将軍を支持
結果、スペインにもファシスト政権が誕生
ナチスの圧倒的な軍事力と統制を目の当たりにし
態度を豹変させた

ヒトラーによりムッソリーニは国民に紹介された
ここにいる人物は歴史に創られたのではなく

歴史を創る天才である
これに対しムッソリーニは
我々ファシストは親愛なる友のために死ぬまで行進を共にする
ヒトラーの力を実感し脅威をムッソリーニは感じた

このことからユダヤ人を迫害し始めた
鋼鉄条約を結ぶ
一方が戦争に入るともう一方も参戦の義務を生じる
独裁者2人が運命共同体となる
イギリス・フランスには帝国を作り上げた冒険家の気質はもうない
ヒトラーを敵に回すより味方にしておいたほうが得策だ
(側近に語った言葉)
軍備の生産能力はイギリスやフランスの3分の1
とても戦争ができる状態ではなかった
イタリアには準備期間が必要でありそれは1942年中かかる…。
ヒトラーはイタリアを無視
宣戦布告を通達した
敵はイギリスとフランス 勝利を!
ドイツ軍がパリに迫ったタイミング

フランスの次にはいつか我々の番が回ってくる
ドイツに侵略される際には鋼鉄条約が我々の最後の頼みの綱となる
(外務大臣への言葉)
イタリアはドイツの指揮下に
立場が逆転した屈辱的な瞬間だった
ドイツがソビエトに侵攻した時は驚愕した
これは純粋な狂気 まったくの愚行だ
(知人への言葉)
ドイツの劣勢となった
アメリカも参戦 文字通り世界大戦へ

イタリア国民からは怒りの声 30万人が反戦運動を起こした
1943年連合軍がシチリア島に上陸すると
国王はムッソリーニを首相の座を解任し幽閉
イタリア降伏 その4日後 ドゥーチェ救出
歴史的一コマが記録される
ドイツが幽閉されていたムッソリーニを救出
ヒトラーの狙いはイタリアにドイツの傀儡(かいらい)政権をつくること
だがこの頃のムッソリーニは体調が悪化 心も疲弊
個人的に野心はもうない
私にはファシズムの再興が不可能に思えた
もう政治に戻る気はない
(救出後のインタビュー)
もしあなたが受け入れないのであれば
イタリアはポーランドと同じ運命をたどるだろう
(救出後のヒトラーの言葉)
我々はイタリア全土が再び一つになることを望んでいる
ミラノの親愛なる同士諸君よ
ミラノこそが再びファシズムの実現に向けて
立ち上がっていかねばならない
この選択がイタリアに悲劇を生むこととなる
イタリア人同士の内戦に発展
次第に傀儡政権が敗色が濃くなるとスイスへの逃亡を図る
だが二日後、蜂起した国民につかまる
1945年4月29日ムッソリーニと
傀儡政権の幹部の死体がミラノの広場に逆さづりにされる
民衆から熱狂的に愛された独裁者はその熱が冷めた瞬間
民衆の手によって処刑された
1945年4月28日ベニート・ムッソリーニ死去(61歳)
全ての独裁者は燃えるような野望と邪念の中でバランスを失っていく
だがその狂気のような情熱こそが独裁者を独裁者たらしめるのだ
(晩年のインタビュー)

2024年1月16日火曜日

題「あこがれ」

冬の景気力体力衰えり
健やかな知性育み春を待つ
冬暖か師の手ほどきまたひとつ
寒き夜出来る範囲でする手入れ
月氷る老いに抗う努力かな

■NHK短歌 題「あこがれ」
選者 山崎聡子 ゲスト YOU 司会 ヒコロヒー
年間テーマ「伝えられなかった思い」
「あこがれ」を通して心の内に秘めている気持ちをみていきたい

先(さき)つ世の夢聞くごとく思はるるperfumeurとふ職あることを
菅原百合絵
Perfumeurとはフランス語で調香師のこと

▪つぶやきを短歌に
手を取って違うかたちの魂を踊ったことを忘れないでね
山崎聡子

▪てれび歌会
入選九首 テーマ「あこがれ」
噴き上がるガラスの中の間欠泉サイフォンで淹れる父のコーヒー
小川美貴
パパママと呼ばない家で白鳥のシュークリームは絵本の中に
工藤さえ
そういえばこんな世の中に憧れて生まれてきたんだ鳥ひかる海
古関聰(あきら)
あんなにも憧れていた制服を着崩すまでが憧れだった
檜澤(ひさわ)さくら
 思い出は背中ばかりだひたすらにピアノに向かう白髪の伯母の
水川怜
三席 恋焦がれ憧れ溢れ心揺れ壊れ息切れ黄昏日暮れ
酒井重治
二席 憧れの人の街にも立っていて風と親しいのが電波塔
久保哲也
一席 春の夜の成分表に(憧れ)とあり薄青い街をさ迷う
風鈴
翠玉の指輪をいつか譲られる火を持つ女の末裔として
毛糸(翠玉とはエメラルドのこと)

▪YOUさんの「あこがれ」
標(しるべ)なき旅に集いて歩を進め天命尽くすただその日まで
YOU(古風だけれど普遍的な人生観が詠み取れる。)

▪ことばのバトン
幕上がり扇子を置けば別世界   桂蝶の治

我らは創る夢の架け橋
内堀克利(俳優 殺陣師)

2024年1月15日月曜日

兼題「寒造」&ギュッと!四国 兼題「文旦」

春近し仔犬じゃれ付き転びをり
冬深し遊ぶ本意ののめり込み
箱根駅伝理屈なき面白さ
新年会絶対的秩序あり
歌会始非日常極めけり

■NHK俳句 兼題「寒造」
選者 山田佳乃 ゲスト 安藤桃子 
レギュラー 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣
年間テーマ「俳句とエコロジー」

安藤桃子女史のお父さまは奥田暎二氏。
艶俳句を詠んでいる。
安藤和津女子はお母さま。
TV番組でも俳句を詠んでおられる。
プレバト2024年冬麗戦では10位を獲得されるほどの実力を保持。
高浜虚子も艶っぽい俳句で一冊出している。
江戸時代には小林一茶、松尾芭蕉、与謝蕪村がいて
俳句には大きな影響を与えていた。

寒造とは冬場に酒を造ること。作られた酒そのもの。

▪名句de穴埋めクイズ
寒造酒をとも我が子とも   上野一孝

▪特選六句発表 兼題「寒造」
薀蓄を聞くも孝行寒造   高橋貴彦
大枡に能登の塩載せ寒造   直井照男
寒造り蔵人へ恋いたすまじ   主藤充子
東北に玉風来たり寒造   川本正
(玉風は季語として記載されている歳時記がある。
 私の歳時記には記載。なので季重なりかと思いました。)
天窓を雪の埋め行く寒造   木原泰紀
(この句も雪と寒造の季重なり。気にしなくてもよいとのこと。)
杜氏(とうじ)入り蔵動き出す寒造   小野瑞季(みずき)

▪夏井家伝来!0から俳句 家藤正人&中西アルノ
生物園でオノマトペを学習!

0から俳句POINT
動き回っている音も「擬態語」として捉えることができる

▪安藤桃子 兼題「寒造」で一句披露
寒づくり湯気の向こうに紅一点   安藤桃子
(紅がぽっと灯っているような美しい映像が見えてくる。
 時代性も詠みこまれている。山田佳乃先生)
添削
紅一点湯気の向こうへ寒づくり

▪特選三席発表 兼題「寒造」
三席 角張って角張って呑む寒造   笹沼郁夫
二席 銀色の闇へ目をやる寒造   宗平真実
一席 静の杜氏(とじ)動の蔵人寒造   冨田裕明

▪柴田の歩み
艶出して行こう

■ギュッと!四国
夏井いつきの俳句道場 兼題「文旦」(冬の季語)
高知県が日本一の産地で1月~2月は露地栽培の「土佐文旦」の収穫が最盛期。
歳時記には「朱欒(ざぼん)」を主たる季語としているものが多い。
傍題に「うちむらさき・文旦・ぼんたん・ざんぼあ・ざんぼ・晩白柚(ばんぺいゆ)」などがある。

ギュッと!特選
文旦を一玉母子手帳二冊   ちょうさん

秀作
文旦を上手く剥けたら嫁に来い   のはらいちこ
小さき手が狙う剥き終わった文旦   鳴門れんこん
恋文や文旦ひとつ転がせり   春あおい

佳作
文旦の光映して剥く手かな   ひろちゃん

文旦や剥くそばぽいぽい吾子の口   華ことり
添削
文旦を剥くやぽいぽい吾子の口

文旦や友の子の名で届きをり   田川有利子

▪秀作への道
説明と描写の違い
描写は映像が見える・想像を促す

秀作 切り込みの×(ばつ)を起点に剥く文旦   渡辺香野
佳作 解説のとおりに剥いてゆく文旦   そまり

放送された句のなかで添削された句
幼手に転がし文旦香の宴(うたげ)   萌美路
添削
文旦を児の転がせば香りけり

参照:https://www.nhk.jp/p/gyuttoshikoku/ts/7MXVZZ52K3/blog/bl/pKyjJXApJB/bp/pVlP53KPZV/

2024年1月14日日曜日

ヴィクトリア女王 ザ・プロファイラー

痛みのない成長はない手足荒る(ある)
人生は夢には非ず日短し
過去は生きるところに非ず枯野人(かれのびと)
平常心に成功はない冬の風
歳重ねじわり伸びせん冬の朝

■ザ・プロファイラー「愛に生きた大英帝国の母ヴィクトリア女王」
ヴィクトリア女王の回想録
私は子ども時代きわめて不幸であった
一緒に生活する兄弟も姉妹もおらず父さえいなかった

神が世の寿命をあと9か月長らえさせてくれることを信じる
(ウィリアム4世の71歳式典での答辞)

私は当面如何なる結婚もしたくない
(ヴィクトリア女王がメルバーンに言った言葉)

美しい鼻ときれいな口おまけに賢くて知的だわ
(ヴィクトリア女王の日誌)

私の望んでいること(結婚)に同意してくれれば大変うれしく思う
(ヴィクトリア女王の日誌)
前代未聞 女王からのプロポーズ
1840年2月(20歳)アルバートと結婚

執務は山積みなんです
私がロンドンを留守にするのさえ許されないのです
あなたは私が君主であることをお忘れなのね
(ヴィクトリア女王の日誌)

正直彼を愚鈍だと思っていることをあなたには報告しておきます
(ヴィクトリア女王が長女ヴィッキーに宛てた手紙)

1861年暗い影が一家に忍び寄る
どしゃ降りの中ケンブリッジ大学の校則を破ったバーティの許へ
アルバートは腸チフスに
「私のかわいい小さな奥さん」
この言葉を最後に息を引き取った

8か月で父を亡くした哀れな赤ん坊はいま42歳にして
傷心で胸打ちひしがれた寡婦となってしまったのです
私の幸せな人生は終わってしまいました
(ヴィクトリア女王がレオナルド1世に宛てた手紙)

バーティが腸チフスで危篤
アルバートの命日の日に書き残したことば
またこのひどい日付が巡ってきた今年は10回目だ
しかも今 別の人間が死に瀕している
(ヴィクトリア女王の日誌)

死の瀬戸際からバーティが回復
このニュースを聞いた国民は歓喜に沸いた

夫を失って以来こんなに素晴らしい日を迎えたことはなかった
(ヴィクトリア女王の日誌)

78とはいい年まで生きたものである
しかし私は今少しわが国と国民のために長生きしたいと思っている
(ヴィクトリア女王の日誌)

1897年6月(78歳)
ヴィクトリアは在位60周年記念式典
在位期間最長の王となった

私はまだ死にたくない
まだまだやらなければ
ならないことが残っている
(ヴィクトリア女王の遺言)

1901年1月12日ヴィクトリア女王死去(81歳)
付き添ったのは長男(バーティ)エドワード7世 孫ヴィルヘルム2世

2024年1月13日土曜日

大笑いで一句 冬麗戦

ブイちゃんのカメラ目線と冬陽射し
冬日向牧羊神と海の幸
箱河豚や海の育む冬の幸
冬の夜皿一枚の宇宙かな
ヴァロリスの太陽の色冬ぬくし

■プレバト纏め 2014年1月11日
冬麗戦 大笑いで一句

1位 春風亭昇吉
一月の笑いの外にひとりいた 

2位 横尾渉
残業の鍋焼M-1の出囃子

3位 梅沢富美男
初笑い追い出す寄席のはね太鼓

4位 村上健志
爆笑や横隔膜に去年の揺れ

5位 立川志らく
福笑いのような祖父の、死に顔

6位 川島如恵留
初旅のB席iPadにドリフ

7位 中田喜子
盃の富士に一礼初笑

8位 森口瑤子
「犯人は…」に続く客席のくつさめ
添削
「犯人は…」の静黙□客席のくつさめ

9位 千原ジュニア
笑ひ声洩るる交番注連飾

10位 安藤和津
妣の忌や遺言だもの牡蠣フライ
添削
の忌や遺言だもの牡蠣フライ
通夜遺言だもの牡蠣フライ

■TVerより
11位 本上まなみ
ばればれの手品の父や冬座敷
添削
ばればれの手品の父やお正月

12位 こがけん
ゲラの子はゲラに育つや春隣
添削
大笑(げら)の子は大笑(げら)や春隣のげらげら

13位 かたせ梨乃
元日の「大仏の鼻」抜く女優
添削
大仏の鼻けたりお元日

14位 水野真紀
大笑ふ君は私似春間近
添削
君は私似春まぢかなる大笑

15位 勝村政信
墓前にてあなたと笑った冬の空
添削
冬空に笑う原田芳雄の墓前にて

16位 えなこ
雪景色転んだあとの顔判子
添削
失恋やにわたしの顔の

次回のお題は「毛布の猫」

春風亭昇吉さま おめでとうございます! 
嬉しいです。ずっと応援していましたから…。
村上健志さま 素晴らしい俳句をありがとうございました。
さすがだと感動いたしました。

2024年1月12日金曜日

与謝野晶子&生命を左右するミステリー

冬の潮野党育む有権者
冬の暮見える未来の恐怖かな
価値のある人間であれ冬北斗
冬の靄信じる心!成功へ
時間とは財産である山眠る

■ヒューマニエンス「❝左と右❞生命を左右するミステリー」
大久保街亜先生
右利きは左半球に言語中枢があるということから説明できる
ゴルフはおそらく2~3%が左利き
ゴルフクラブセットを左利き用で買えるか❓
おそらく買えない。
タイガー・ウッズは左利きの右打ち

竹内勇一先生
人の体の構造を考えるとじじゃしは左足となる

大久保街亜先生
言語外の情報で表情が果たす役割はすごく大きい
言葉を(脳の)左側で扱うなら
Communicationで分業して
(脳の)右側で表情を扱うのは不合理なことではない

■偉人の年収How much? 歌人与謝野晶子
師と呼ぶをゆるし給へな紅させる口にていかで友といはれん
与謝野晶子

くろ髪の千すぢの髪のみだれ髪かつおもひみだれおもひみだるる
「みだれ髪」与謝野晶子

君こひし寝てもさめてもくろ髪を梳きても筆の柄をながめても
「青海波」1912年

ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君もコクリコ我もコクリコ
歌集「夏より秋へ」より (コクリコとはひなげしのこと)

わがおちし奈落の底に燃ゆる火も衰へがたとなりにかるかな
与謝野晶子 44歳

女性の生き方
今こそ有史以前から束縛を女子から解いて
文化行動のあらゆる領域へ
自由にその能力を用いさせるべきです
「女子の活動領域」1925年より

11人の子どもを育てた元祖「ワーキング・マザー」

夫人が働くことを、ただ生活のためだと考えては間違いです。
(中略)
個人として真に独立して生きていくことだと知って欲しいです。
「夫人と経済的自覚」1918年より

夫 鉄幹と旅をしながら和歌を詠む

ああ、晶子よ(中略)私は君の歌に触れて目を覚まされ
君の創作にいつも励まされてきた。
(中略)私は師や友に対するのと同じ感謝を君にささげる。
「与謝野寛短歌全集」序文1933年

お互いを認め高め合う二人
1935年与謝野鉄幹 死去(62歳)

その悲しみを詠みました
一人にて負へる宇宙の重さよりにじむ涙のここちこそすれ
「冬椿」1935年5月号

執筆開始から30年
1939年(昭和14年)「新新訳源氏物語」出版
全6巻3,249ページ
与謝野晶子60歳

「冬椿」1939年10月号
堀口大學(作家・学者)
紫式部、彼女自身が(中略)源氏物語を講義してくれるような気がした
佐藤春夫(詩人・小説家)
これこそ本当の現代訳 自由だ

そのわずか3年後 与謝野晶子1942年(昭和17年)没63歳

自由な心と愛の大切さ

2024年1月11日木曜日

やなせたかしのお言葉&津田梅子の言葉&ワルイコあつまれ(73)

冬の夜や話題提供織部焼
冬落暉超絶技法よみがえる
冬日没(い)る織部に浮かぶ白き鱧
総織部踊る金目(鯛)をどっしりと
沓(くつ)茶碗歪むぬくもり囲炉裏(いろり)端

■ワルイコあつまれ(73)
稚児俳句 辻内京子先生 髙柳克弘先生
今回のお題「ガチ」
「本気で」「真剣に」という意味
「ガチンコ」を略した言葉

読初(よみぞ)めの夏目漱石ガチ眠い   辻内京子
読初めとは新年初めて読書をすること 新年の季語

塾ガチで行くという子に米(よね)こぼす   髙柳克弘
米(よね)こぼすとは「泣く・涙を流す」の言いかえ 新年の季語

ポイント
新年の季語では縁起の悪い「忌み言葉」をさけ
縁起のいい言葉に言いかえる

お年玉今年は分厚いガチハッピー 松尾葉翔

口誦性(こうしょうせい)(口ずさみやすくリズムが良いこと)がある
この句は松尾葉流のラップで俳句? 辻内京子
添削ポイント 表現がストレートすぎる
●ガチ厚い年玉に掌がうれしがる 辻内京子
年玉お年玉のこと 新年の季語
「てのひら」と書いて「て」と読ませる
ポイント
体の一部をとり入れ共感を高める 髙柳克弘

ポイント
言いたいことをあえて伏せるのもいい句をつくるテクニック 髙柳克弘
●マドレーヌほどの年玉ガチふくれ 髙柳克弘
比喩
わかりやすく説明するため 似ているものに置きかえること

ガチガチに緊張するぜガチ俳句 松尾葉翔

■偉人の年収How much?
津田梅子の言葉
「気高い志
 ひたむきな熱心さ
 広く共感できる力があれば
 どんなに弱い我々でも
 人生を実りあるものに
 できるでしょう」

■ザ・プロファイラー 
アンパンマンだけじゃない!マルチな才能 やなせたかし

「アンパンマンの遺書 文庫版」やなせたかし
漫画家としては妙なことになったが
仕事は面白かったし
舞台稽古を見ているうちに演出とか
台本の書き方もいくらか解るようになった
そして永ちゃん(永六輔氏)を見習って作詞もするようになる
収入が増えて妻の暢は機嫌がよかったというが
忙しい日々を過ごすうち
たかしの心に複雑な思いが芽生えた

たかしと生前親交のあったちばてつや氏は語る
テレビのスタジオのイラストを描いたり
一コママンガを描いたりしている時は
すごく楽しんで描いていると思ってました
ただ自分は漫画家でいいのかなと
迷った時期があったみたいです

「人生なんて夢だけど」やなせたかし より
(漫画の)仲間は先輩も後輩も大活躍なのに
自分だけが冬の谷間で
ひとりぼっちみたいな気分でやるせなかった
血の色がびっくりするほど紅くてきれいで
見惚れてしまいました

「ボクと、正義とアンパンマン」やなせたかし
それからは流行を追うものはかかないことにした
収入が少なくても
自分の好きなものだけをかくことにした

(僕は)汚いものが嫌いなんです
絵もきれいに描きたいという気持ちがある
逆に言えばバイオレンスとか
ポルノ的なものが大流行した時がある
しかし僕はそれを(見た人の)精神に害があると思う
やりたい人はやれば良いけど僕はやらない

2024年1月10日水曜日

源氏物語 ザ・プロファイラー

シン・古典脱丸暗記六連星(むつらぼし)
冬の空売られた喧嘩買うノスリ
はじめての景色ぼんやり冬座敷
凍る朝ご機嫌斜めボールペン
十二月多様な色のそこかしこ

■ザ・プロファイラー
書き尽くせぬ思い「源氏物語」作者 紫式部

父の嘆き
口惜しう 男子にて 「紫式部日記」
残念ながらお前が息子でないのが私の不運だよ

姉と私と間違えたのか❓それとも遊びだったのか❓
男を責めた式部の歌
おぼつかな それかあらぬか あけぐれの そらおぼれする 朝顔の花
「紫式部集」

望郷の念を募らせて詠んだ歌
ここにかく 日野の杉むら 埋む雪 小塩の松に 今日やまがえる
「紫式部集」

春なれど 白嶺のみゆき いやつもり 解くべきほどの いつとなきかな
「紫式部集」
春になっても白い嶺はいつ溶けるか解らないように
私も心もいつ溶けるか解らないわ

998(長徳4)年26歳ころ 藤原宣孝と結婚 一夫多妻制で通い婚
他の女性への嫉妬から下記の歌を詠んだ
おほかたの秋のあわれを思ひやれ月に心はあくがれぬとも
晩秋の頃あなたに飽きられている私の悲しみを思ってください
あなたの心が月のように美し女性に奪われているとしても
「紫式部集」

1001(長保3)年 29歳ころ 
藤原宣孝の死

寂しいもの思いの中
当てのない行く先を考えては
将来への心細い思いを強めるばかり
そこで取りとめのないものではあるけれど
はかなき物語を書いて試行錯誤しては
慰み事に寂しさを紛らわせていた
(紫式部日記)

すきものと(浮気者) 名にし立てれば 見る人の をらで過ぐるは あらじとぞ思ふ
紫式部日記

これに対して式部の返した歌
人にまだ をられぬものを 誰かこの すきものぞとは 口ならしけむ
「紫式部集」

誰でも身の上として
多少誇張などはあるにしても
この世を生きる人々の
見ているだけでは満足できず
後の世にも言い伝えたいと
心にしまっておけず語ったものが
物語の始まりなのです
第二十五帖「蛍」

この作者は日本の歴史書を
よく読み込み
まことに学識があるようだ

1008(寛弘5)年 式部36歳ころ
彰子が皇子を出産

皇子の祖父となった道長の喜びようを日記に記している
ある時など 皇子が
道長様にひっかけてしまった
すると道長様は「ああ皇子のおしっこにぬれるとはうれしいことよ」
そう言ってお喜びになっていた
「紫式部日記」

この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる事も 無しと思えへば
「小右記」

全てを思うがままになった道長は絶対的な権力者となった

1031(長和2)年 41歳ころ
一条天皇が亡くなり三条天皇と道長が対立
彰子のそばに仕え続けた

当時の藤原一族が記した日記「小右記」に記されている
「この女を介して前々も雑事を計上させていた」
この一文から式部は60代70代まで生きた可能性がある

又式部は晩年、出家したという説もある

歳もまた出家してもよい年頃になってきました
罪深い私のような人間が必ずしも出家の志が
かなうわけではないでしょう

としもはた よきほどになりもてまかる
それ罪ふかき人
「紫式部日記」

浮舟はいいよる二人の男性の間で悩んだうえ
出家を選び幕を閉じる

一人娘の賢子も才能あふれる女性だった
そして宮中に仕えると後冷泉天皇の乳母(めのと)となる
賢子のことが書かれたのが「栄花物語」

後冷泉天皇の時代は文化的な時代だった
それは紫式部の娘賢子の教育のおかげである

この賢子の成功には紫式部の書いた
「紫式部日記」の一部が関わっているという

式部が娘のために書いたのが「紫式部日記」という説もある

「源氏物語」は千年を超えて読み継がれた
写本によって読み継がれた
秀吉自ら書き起こした解説書「源氏物語のおこり」
「源氏物語」から宮中を学ぼうとした
江戸時代に大ヒットした「偐紫(にせむらさき)田舎源氏」
20世紀に入るとイギリスの東洋学者アーサー・ウイリーの翻訳を
きっかけに日本を飛び出し世界中で翻訳されるようになった
近年では2019年に発見された写本「若紫」が発見され
話題となった
これからもこの物語は人々を魅了し続けていく

2024年1月9日火曜日

題「光」

冬の月帯さらに締め総織部
歌舞伎者ひょうげものをり里楽宿
冬ぬくし飽くなく形探求へ
冬陽射しあえて型打ちさまざまに
冬落暉(らっき)多様のための型を打つ

■NHK短歌 題「光」
選者 川野里子 ゲスト 深尾あむ 内藤秀一郎 司会 ヒコロヒー
年間テーマ「“私”に出会おう」

▪三十一音の物語 破調はOK?
サンクトペテルブルグ、ベネチア、近江も水辺なり沼にて夢を見るなり人は
川野里子「歓待」

読者が読んで説得力があると思った時はOKなんです
作者の思いがそこにあるか否かが問題
きちんと五七五七七を守るこれが原則

字余り
あきらめきれずあきらめきれずとうたひたる人のごとくに膨るるさくら
米川千嘉子「あやはべる」
溢れ出る思いが詠まれている

定型があるからあふれる技法が際立ってくる

字足らず
アナ・タガ・スキ・ダ アナ・タガ・スキ・ダ ムネ・サケ・ル夏のロビンソン
東直子「青卵」
二七音の歌 いざ出そうとすると出ないほど緊張している
物凄く言いたいのに絶対言ってはいけない
とてもつらい状況を詠んでいる

五七五七七という順調な表現に載せたら
ペラペラしゃべっているみたいになっちゃう
結果字足らずになってしまった

これは究極の技法です
字足らずは相当な自覚がないと詠めません

▪入選六首 題「光」
子育てはSFドラマ吾子たちが放つナントカ光線を受く
杜野詩季(もりのしき)
ゲーセンの蛍光灯に照らされてUFO追ってるみんな迷子で
新井将(まさし)
「そこのビル、その暗い部屋でパソコンに向かっているひと、光ってますよ」
ゆき
一席 百メートル向こうの窓に反射して元旦の光七時に居間へ
吉田和子
窓の下「きゃっ」という声少女らは冬の光に躓いたのか
井上武明
真夜中の月に輝く背びれみせそれきり静かになった岬は
樋口淳一郎

▪秀一郎 あむのココカラ短歌
光る月スポットライト僕に向けきょうも僕が主人公
内藤秀一郎 
トイレにこもり
「僕が主人公」が自分に言い聞かせている
短歌に奥行きが感じられます
トイレの窓から月を見ている感じね

泣き顔を見せたくなくて向けられたレンズをかわして逆光に立つ
深尾あむ
深尾あむさんという女優さんの根性を感じる
倒置法を使う ことばをひっくり返すことによって
強調したりリズムが生まれてきたりする
泣き顔を見せたくなくて向けられたレンズをかわして立つ逆光に
強弱が生まれしらべ…音楽が誕生する

▪言葉のバトン
⑩分前にここに来てくれ
日本放送アナウンサー 吉田尚記

幕上がりセンスを置けば別世界
落後家 桂蝶の治

2024年1月8日月曜日

兼題「氷」&訃報 山崎元氏

希望なく絶望もなく冬の景
主演女優の降板へ冬の蝶
月氷るシェーズ・ロングに身を委ね(ル・コルビュジエ作)
北窓塞ぐデフレからの脱却
コロナ後のシン・資本主義霜だたみ

■NHK俳句 兼題「氷」
選者 夏井いつき レギュラー 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣
テーマ「凡人からの脱出」
季語の誤解 今回多かったのは「スケート」とか
季語としては別のものを詠んでいる人が多かった
兼題とはあらかじめ出されるお題
兼題「氷」と兼題「氷(をテーマに)」は全く別物
兼題「氷」
池や湖に貼った氷のこと そのきご「コリ」を俳句に詠みこむ
兼題「氷(をテーマに)」
氷に関する言葉なら何でもOK 
「スケート」「かき氷」「冷たい」「堅い」など

季語の分類クイズ
春 薄氷(うすらい) 流氷
夏 氷菓 氷雨 氷水 花氷
冬 滝氷る スケート 氷柱(つらら) 氷 蝉氷(せみこおり) 氷雨
新年 氷嚢(季語ではない無季)

蝉氷とは蝉の羽のように薄く張った氷のこと
氷雨は夏・冬両方に掲載されている 冬は霰(あられ) 夏は雹(ひょう)

よって今回使えるのは「氷」と「蝉氷」だけでした
氷の傍題に蝉氷、厚氷、氷面鏡(ひもかがみ)、氷点下など

氷柱は独立した季語 傍題には垂氷(たるひ)、氷筋(ひょうきん)、銀竹
これらは全て「歳時記」に掲載されている

▪凡人からの脱出 兼題「氷」
ボンの段
ことごとく割れたる氷通学路   あや
ことごとく氷の割れし通学路   豊浦茂
全部割られてる通学路の氷   石橋正比古
案の定氷割られて通学路   和田典子
割られたる氷点々通学路   大岩真理
通学路踏み砕かれし氷かな   小田和夫
通学路少しはみ出て氷割る   津田英基
通学路窪みの氷全部割る   庭野環石

半ボンの段
氷割りつつ登校や遅刻せり   石原正規
チャイムまで氷割り割り駆ける子ら   正木多嘉子

脱ボンの段
丁寧に氷割り行く遅刻の子   坂口葵
登校班轍(わだち)の氷割り進む   大槻修治

丁寧な映像には音数の余裕が必要となる

A割りたれば夜のにほひや厚氷   川越羽流
B割りきれぬ氷を兄の靴が割る   関久美子

発想を広げているうちに自分の実体験を引き出せたら
そこにリアリティーがくっついてくる

▪夏井家伝来!家藤正人&中西アルノ
0から俳句
オノマトぺ 
擬音語 擬声語
音や声をそのまま表現したもの
擬態語
人や物の様子を表したもの

名句でオノマトペを学習
春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな   
与謝蕪村(擬態語で表現)
鳥わたるこきこきこきと缶切れば   
秋元不死男(音をリアルに捉えた「擬音語」)

0から俳句POINT
「オノマトペ」にはオリジナリティーが必要

オリジナリティーとリアリティーがあること
両立すると一段階上の俳句になる

▪特選六句 兼題「氷」
太陽の片割れ蒼し氷面鏡(ひもかがみ)   岡一夏(一物仕立て)
厚氷ぼこんと抜けばみづの息   はせがわ水素(おのまとぺ)
取水口はしゃぎし水の氷りけり   駒野目信之
 助動詞「し」「し」は過去の助動詞「き」の連体形
 「はしゃいでいた」という過去を表わしている
屠(ほふ)られし牛は左目より氷   竹内一二
 「氷理」という動詞と思いきや名詞としての季語「氷」が立っている
廃(すた)れたる噴水濁りたる氷   イサク
 季重なり 氷が主役の季語 噴水は脇役の季語
 「噴水」は夏の過ぎ去った季節 目の前にあるのは「氷」の季節
野ウサギの彫られて氷やはらかし   工藤晴美

▪柴田の歩み
第二ワードを横へ伸ばす

■訃報
2024年元日に山崎元氏が亡くなられました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

1ヶ月前ReHacQにご出演された時の言葉です。
高橋弘樹氏
自分が仕事をしていて何が嬉しいのか。
山崎元氏
正しくて、
できれば面白いことを
なるべくたくさんの人に伝えて
できればちょっと感心されたい
高橋弘樹@takahashi_ntu より

【後藤達也と新NISA】投資のシンプルな真実!赤裸々告白【S&P500とオルカン】
https://www.youtube.com/watch?v=MXBsHbF603U
【後藤達也vsFIRE】投資の本質を徹底暴露!ビジネスパーソンが陥るキャリアの罠とは【山崎元】
https://www.youtube.com/watch?v=2XMbvuYkbeQ
「生命保険はろくでもない」なぜ人は保険に加入してしまうのか【山崎元×堀江貴文】
https://www.youtube.com/watch?v=9hp3xIge_b4
「がん保険はいらない」闘病中の山崎元が”生命保険の闇”を暴く。ステージ4で余命宣告も…食道がんとの付き合い方を語る【ホリエモン】
https://www.youtube.com/watch?v=qq6eN3YrRbE
食道がん闘病中の山崎元が語る「がんになって気づいたこと」【山崎元×堀江貴文】
https://www.youtube.com/watch?v=pyO88qewqoo

2024年1月7日日曜日

名言&「北しぶき」&「若水」

寒潮や過去の言葉に傷ついて
限界なき努力重ねくだら野
人生は贈り物なり冬の星
考えるな感じろ冬の夕焼
冬の霧過去切り捨てて今を生く

■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「北しぶき」

北野強風に乗って北から吹き付けてくる風
しかもそれに雨が混じって
しぶくように吹きつけてくる北風
そのことを「北しぶき」と呼びます
単純に冬の冷たさを表わす風の種類で言ったら
「きたかぜ」とか「凩」とか
様々なバリエーションがありますが
その中でも「北しぶき」はより一層冷たく
身を打ち付けてくるそんな季語になってまいりま
類似した季語と読み比べる時に
やはり「北しぶき」ならではの
雪の粒でもない雨の粒、水の粒 そういった物が
顔を打つかのような迫力
これも俳人心を刺激してやまない季語でありますね

■夏井いつきのおウチde俳句
一分季語ウンチク「若水」

「若水」というのは新年の初めに汲む水の事です
年男の役目とされ新年一番最初に汲んだ水には
若返りの霊力があるとかあるいは病を退ける
そんな効果があるとされていました
お水が自分の家の蛇口をひねったら出るという時代ではなく
外に行って水を汲んでいたそういう時代の季語でもあります
「若水」でお雑炊を作ったりとか
そんなふうにかつては用いられていたという事です
新年の明るい冷たさのあるそんな季語ですね

■名言
芥川龍之介 曰く
「良心は道徳を創るかも知れぬ。
 しかし道徳はいまだかつて
 良心の『良』の字を創つたことはない。」

日野原重明 曰く
「人は、自分の不幸に敏感であり、幸せに鈍感である。」

中谷彰宏氏 曰く
「自分の中に
 取り組むべきテーマをなにももっていない人間は、
 いくら本を読んでも
 何一つ新しい発見をすることができない 。」

2024年1月6日土曜日

2024大展望&嘉納治五郎&初詣

春を待つ子ども心を持ち続け
冬日向未来はいつも待っている
三寒四温人生は喜劇なり
人を育む❓驕りでは❓冬日没(い)る
挑戦しない負け犬の寒き夜

■先人たちの底力 知恵泉 人を導く極意 嘉納治五郎
嘉納治五郎の言葉
自分の終生の事業は宗教に非ず
政治に非ずして実に教育に外ならないと考えるに至った
「嘉納治五郎著作集第三巻」

作家 ウィリアム・アーサー・ウォード
凡庸な教師はただ喋る
良い教師は説明する
優れた教師は自らやってみせる
そして偉大な教師は生徒の心に火をつける

ラフカディオ・ハーン「東の国から」
達人になると自分の力に決して頼らない
では何を使うかというと相手の力を使うのである
(略)
相手の力が大きければ大きいだけ
相手には不利になりこっちには有利になるのである

教育の事 天下これより偉なるはなし
一人の徳教(とっきょう)広く万人に加わり
一世の可育(かいく) 遠く百世に及ぶ

真に善隣の道を尽くしてこそ
始めてその結果反射して我が国の大利益となるべし
「嘉納治五郎 清国 国土」四四号

精力善用 自他共栄 世界の人々と共有したい
たしかな理想は世界に通じる

世界に対しては人種的偏見を去り
人類共通の文化の発展に尽くすべきである
それが人類共栄の要である

■日経ニュースプラス9 2024大展望
国内政治・経済~物価上昇を上回る賃上げは?

大和証券グループ本社 中田誠司社長
賃上げ率7% 年末に向けて世界的な株高が起きて
年末ぐらいには4万円を超えてもおかしくない
インフレ率以上には絶対に上がらないと
実質賃金は目減りするのでマスト
政府が7%以上の賃上げに対して
税制優遇の措置を検討している

先日モーサテでお聞きした木野内栄治氏と同じでした。

【日経平均株価 史上最高値の条件整う、
あとは時間の問題・日経CNBC大発会スペシャル】
木野内 栄治氏(大和証券)が24年の日本株相場を展望/
10年に一度の"大テック相場"/
https://www.youtube.com/watch?v=pTzhVp2RaUM


■初詣





2024年1月5日金曜日

中江兆民「三粋人経綸問答」(4)

徒(いたずら)な小さき才能霜満つる
冬北斗死を人生の偉勲とす
生きることそれは創造冬銀河
人生は道草にあり冬ぬくし
憧れる前に挑戦冬の月

■100分de名著 中江兆民「三粋人経綸問答」(4)その後の兆民
一年有半・続一年有半 一年有半
講師 平田オリザ

中江兆民 余命一年半と宣告される 
生前の遺稿記された「一年有半」はベストセラーに

一年半などあっというまだと諸君はいうだろう。
わたしはきわめて悠久だといおう。
なすべきことがありそこに楽しみを見いだせるなら
一年半はどれほど大切に過ごすことのできる時間になるだろう。
いわゆる一年半が無に等しいなら五十年も百年も無である。
いってみれば、われわれはだれも
虚無の大海に浮かぶ一そうのから舟なのだ。
「一年有半」

政治家兆民の挫折
仲間に裏切られた(板垣退助)感があった
政治力学には馴染めなかった
有=そして 一年有半とは一年とそして半年

もし恐外病を根本から治そうとするなら
人々に物質的な美と普遍の理念である
善との区別を明らかにするほかはない。
学問がどれほど高遠であっても
権勢がどれほど盛んであっても
名声・人望がどれほど高かろうと
子として父を虐待し夫として妻を苦しめ、友人をあざむき
その他さまざまの道に外れた行いをするようでは話になるまい。
わが国家がいかに強く隣国がいかに弱くても
理由もなしに隣国を攻撃するようではどうにもならない。
富や名声などが普遍の真理にうち勝つことはないのだ。
普遍の真理というものはみな陳腐なのだ。
言えば陳腐だが、行なえば新奇だぞ。

物質的な美と普遍の理念である善との
区別を明らかにするほかない。
(道徳的にはヨーロッパが優れているわけではない)
道徳(普遍の真理)を守らなければだめなんだ

浜寺の風景
たまたま雨模様となって黒雲が西空をおおい、波は岸を打って
そのドウドウという波音は時には人を勇気づけ
ときにはわびしく哀れを催させた。
わたしはすでに不治に病のかかって
いわゆる一年半の宣告を受けており
妻は日夜わたしに寄り添って看病に尽くしてくれるのだが
全快ではなく、ひたすら死期を待っているのである。
わたしはもとより蓄財につたなく家に負債はあるが財産はなく
しかもこの重病にかかっている。悲惨といえば悲惨であろう。
今夕、わたしは妻に笑って言った。(略)
「どうだ、わたしとともに水に飛び込んで、
いっそ、何事も起こらない国へ行くとするか」
ふたりで大笑いして途中、かぼちゃ一個とあんず一籠を買って、
仮住まいに帰るとちょうど夜の九時であった。

生まれて五十五年、やや書を読み理義を解して居ながら
神があるの霊魂が不滅といふやうな寝言を吐くの勇気は
余は不幸にして所有せぬ。
余は理学において極めて冷々然として、極めて剝出しで
極めて殺風景にあるのが、理学者の義務
否な根本的資格であると思ふのである。
余は断じて無仏、無神、無精魂
即ち単純なる物質的学説を主張する

ナカエニスムという独自の哲学を構築しようとした
いろんなものを加えていって自分の思想をつくる
その最後のかたちは「無」

「自分の目で見て自分の頭で考えて自分の言葉でしゃべりなさい」
という事を兆民は一生をかけて日本人に伝えてきた
これからの日本人は一人一人が「自分の哲学を持ちなさい」
自分の哲学があるから相手の哲学も認められる
借り物同士だと戦争になる
兆民からのメッセージ 「対話の精神」
異なる価値観、異なる文化的背景の人と
同意はしないが理解に努めて結論を出して先に進む
大事なことは席を立たない

一番読んで欲しい人は政治家!

南海先生の言葉
「思想は種子であり、頭脳は畑です。
きみが真に民主思想を喜ぶならば
これを口に論じ、書物に著わし
その趣旨を人々の頭脳にひろく植え付けるのです。
数百年後、それが豊かに国中に生い茂っているかもしれません」

2024年1月4日木曜日

ロッチと子羊(64)「劇団員編(2)」

待ちに待ち待ちくたびれて息白し
現実となる皆で見る夢冬の空
愛すれど愛されず冬の鴬
冬の靄導かれた我が人生
ありったけの力を込めて冬怒涛

■ロッチと子羊(64)「劇団員編(2)」
▪丸山優子 劇団スーパー・エキセントリック・シアター

悩みは人にダメ出しをしてしまう

あなたの見ている風景は
他の人とは異なるもの
だからわかりあえないのです
ロック哲学の要約

人はわかりあえないから
Communicationをするのです

相手の頭の中が見えないから
同じ色を感じているかわからない
色、味、音などそれぞれに感じ方は違う
唯一の確認方法は脳の交換はできないので不可能なのです

丸山さんの苦しみは
(全体が)見えてしまうことだったのです
見えてしまう苦しみとは責任を負う苦しみでもある
互いに見える風景が違うため
人はわかりあえない
諦めろという事ではない
当時ラサールさんが見ていた風景と
同じかどうかわからない
わかりあえなくとも後輩のために
あきらめず伝え続けた
わかりあえないを前提にして
Communicationをする

▪大城麗生(れお) 劇団スーパー・エキセントリック・シアター
悩み 目の前のことにすぐ反応深く考えず行動して失敗する

臨機応変に対応したい

この世の中は
さまざまなパースペクティブで出来ています
よりよく生きるためには
もっとたくさんの視点が必要です
ニーチェ哲学の要約

パースペクティブ=遠近法 
この場合は視点と捉えるとわかりやすい

ニーチェが考える世界
唯一 絶対的な存在ではなく
さまざまな視点によって作られている

蜻蛉の複眼
1万個以上の視点を持つ
上下左右が見えているので捕まえにくい
蜻蛉が生き延びられるのは
さまざまな視点を持っているから

大城さん蜻蛉になれという事です
大城さんには妄想する力がある
妄想力があると色んなことを想像できる
妄想+パースペクティブ 
心のスイッチングをしていくと
⇨先のことが読めるようになり

ニーチェも妄想力が強かった
いろんな角度で世界を見ながら
新しい世界を創造していった

今後、妄想力とパースペクティブを意識してください

2024年1月3日水曜日

Danceの名言

初日待つ驕り昂ることもなく
お正月梅の香ほのか手を合わす
初詣頭部直撃お賽銭
初陽射す安泰願う二人かな
石段を二人で降りん初詣

■名言
“Dancing is the loftiest, the most moving, the most beautiful of the arts,
because it is not mere translation or abstraction from life; it is life itself.”
ダンスは、芸術の中で一番崇高で、感動的で、美しいものだ。
なぜなら人生の解釈や抽象ではなく、ダンスは人生そのものなのだ。
Havelock Ellis
ハヴロック・エリス

“Dancing is moving to the music without stepping on anyone’s toes,
pretty much the same as life.”
ダンスは他の人の足を踏まないように音楽に合わせて動くことである。
ほとんど人生と同じだ。
Robert Brault
ロバート・ブロー

“The dance is a poem of which each movement is a word.”
ダンスはそれぞれの動きが言葉を表す詩なのよ。
Mata Hari
マタ・ハリ

“Dancing is the world’s favorite metaphor.”
ダンスは世界で気に入られているメタファー。
Kristy Nilsson
クリスティー・ニルソン

Talk about dance? Dance is not something to talk about. Dance is to dance.
ダンスについて話す?ダンスは話すものじゃないんだ。ダンスは踊るものだ。
Peter Saint James
ピーター・セント・ジェームス

“To watch us dance is to hear our hearts speak.”
私たちが踊るのを見ることは、私たちの心が話すのを聞くことである。
Indian Proverb
インドのことわざ

“Dancing is silent poetry.”
ダンスとは音のない詩である。
Simonides
シモーニデース

参照:https://eigo-switch.com/dance-quotes

2024年1月2日火曜日

Danceの名言

お正月二本の松と富士山と
仏の座墓の後ろでひっそりと
松の露正月祝う尉鶲(じょうびたき)
悪ぶった鴲(しめ)の登場お正月
初春や真鴨(まがも)群れなす田宮川

■名言
“Dance for yourself. If someone understands, good.
If not, no matter. Go right on doing what interests you,
and do it until it stops interesting you.”
自分自身のために踊るんだ。もし誰かが理解してくれたら良い。
もし理解してくれないときは、関係ない。
自分の興味があることをやるんだ。君が興味を失うまでやるんだ。
Louis Horst
ルイス・ホースト

“To dance is to be out of yourself. Larger, more beautiful, more powerful..
This is power, it is glory on earth and it is yours for the taking.”
踊ることは自分の外へ出ること。より大きく、より美しく、もっとパワフルに。
これがパワーよ。これが地上の美しさでありあなたが受け取るためにある。
Agnes De Mille

“Dance is the hidden language of the soul of the body.”
ダンスは身体の根元に隠れた言葉。
Martha Graham
マーサ・グレアム

“Dance is the only art of which we ourselves are the stuff of which it is made.”
ダンスは、創作されたものの一部が私たち自身である唯一のアートである。
Ted Shawn
テッド・ショーン

“There are short-cuts to happiness, and dancing is one of them.”
幸せへの近道はある。ダンスがその近道の1つ。
Vicki Baum
ヴィッキー・バウム

“Dancing can reveal all the mystery that music conceals.”
ダンスは音楽が隠してしまう全ての神秘を露わにする。
Charles Baudelaire
シャルル・ボードレール

“Dancing is the poetry of the foot.”
ダンスは脚の詩である。
John Dryden
ジョン・ドライデン

参照:https://eigo-switch.com/dance-quotes

2024年1月1日月曜日

Danceの名言

元日や夫婦二人の「おめでとう」   
初春やめでたきことの大からん
初茜心身ともに染めて笑み
初空へ大きな声で福を呼ぶ
初灯りお経唱えん頭垂れ

■名言
“Dancing’s part of my soul.
I enjoy it, it makes people happy, and it makes me happy.”
ダンスは僕の魂の一部なんだ。
楽しめるし、人を幸せにできる、そして僕自身も幸せになるんだ。
John Travolta
ジョン・トラボルタ

Life is like dancing. If we have a big floor, many people will dance.
Some will get angry when the rhythm changes.
But life is changing all the time.
人生はダンスのようなものだ。大きなフロアがあればたくさんの人が踊る。
リズムが変わるとい怒る人もいるだろう。
でも人生は常に変わるものなんだ。
Don Miguel Ruiz
ドン・ミゲル・ルイス

Dancers are the athletes of god.
ダンサーは神の運動選手である。
Albert Einstein
アルベルト・アインシュタイン

“When life tries to bring you down- just dance.”
人生にくじけそうになったら、踊るんだ。
Shonna H. Leiker
ショナ H・レイカー

“And those who were seen dancing were thought to be insane
by those who could not hear the music.”
音楽が聞こえない人にはダンスを踊る人々が正気でないように見えるだろう。
Friedrich Nietzsche
フリードリヒ・ニーチェ

“Nobody cares if you can’t dance well. Just get up and dance.”
君がダンスが上手くないなんて誰も気にしない。ただ立ち上がって踊るんだ。
Dave Barry
デイヴ・バリー

“Dancing is a vertical expression of a horizontal desire.”
ダンスは横向きの欲望を縦向きに表現したものだ。
Robert Frost
ロバート・フロスト

参照:https://eigo-switch.com/dance-quotes