(エゴン・)シーレのひたる悲哀大袈裟大暑かな
(ハン・ファン・)メーヘレン怒り燃やさん油照り
(クロード・モネ)風死すや赦し溶かしてともに住む
(クロード・モネ)日傘さすはじける笑いなきままに
■NHK俳句 兼題「朝顔」
選者 夏井いつき レギュラー 家藤正人 中西アルノ 司会 柴田英嗣
年間テーマ 凡人からの脱出
凡の段
天心へ朝顔蔓(つる)を伸ばしけり 木下風民
朝顔や蔓を伸ばして空を打つ 鈴木マリ子
朝顔の蔓を伸ばして空掴む 磯田凛
朝顔の蔓伸びて青空を掴む 丁鼻トゥエルブ
朝顔や空掴まんと蔓に蔓 木村祐子
朝顔の蔓の手伸びて空仰ぐ 高橋真澄
朝顔のつるを登って大空へ すずき
朝顔のつるが指差す青空よ 高辺知子
朝顔や蔓巻きながら天めざす 井上幹彦
「つる」「天」「空」へ向かう様子を詠んだ句
動詞は似たものになりがち
半ボンの段
朝顔のつる左巻き天へ天へ 榎並しんさ
朝顔の空へ空へと渋滞中 久保田真理
朝顔や宙(ちゅう)を掴みて在所なき 菊池忠志
朝顔や空をまさぐる淡きつる 岸田朋香
脱ボンの段
空に溺れて朝顔の蔓の浮く 登りびと
▪兼題「朝顔」である技法を学ぶ!
一物仕立て
季語が本来内包する情報だけで句を詠む技法
狭義(きょうぎ) 狭い意味での一物仕立て
朝顔のすがしきはなればなれかな ひねもす
広義 広い意味での一物仕立て
空に溺れて朝顔の蔓の浮く 登りびと
朝顔の蕾は夜に巻く発条(ぜんまい) 岩のじ
取り合わせ
朝顔や糠へ肘まで突っ込んで 北欧小町
▪夏井家伝来 家藤正人&中西アルノ
0から俳句
一物仕立て
讃美歌や足長くらげ掌にとろけ 三橋鷹女
取り合わせ
海月が季語 季語に関係のない讃美歌が取り合わされている
沈みゆく海月みづいろとなりて消ゆ 山口青邨
海月のことだけを詠んでいる一物仕立て
灯台が赤くて海月身をしぼる 世古諏訪
取り合わせ
「灯台」というモノは生き物そのものに含まれていない
0から俳句POINT
「季語」を集中して観察する・五感をフル稼働
▪特選六句 発表 兼題「朝顔」
朝顔の骨にこたへるほど青し 綾竹あんどれ
朝顔の蔓シーサーで折りかへす 河添美羽
あさがほの家父親が希臘人(ぎりしゃじん) はせがわ水素
朝顔の冷えて盲学校の朝 磐田小(いわたしょう)
朝顔や鳴らさぬやうに鉄階段 円堂実花
まだ患者来ぬ朝顔に水をやる 石橋正比古
▪柴田の歩み
動詞使わず取り合わす
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