2023年8月6日日曜日

言葉にできない、そんな夜。36

中園孔二氏へ
部屋全体をキャンパスとする夏の夜
色と線重ね合わせん夏の空
夏の海多層構造描き切る
単純化した人描く夏の浜
夏の雲寂しい気持ちになりにけり

■言葉にできない、そんな夜。36
ゲスト 松下洸平 美村里江 桐山照史 朝井リョウ
司会 小沢一敬

▪今夜のテーマ 待ち遠しく思うとき
小沢メモ
▢前夜は必ず寝不足楽しみで楽しみで 
宇多田ヒカル「虹色バス」
▢の日の前の様に始まる直前が一番楽しい 
平井堅「片方ずつのイヤフォン」
▢の前の日は妙にむじょうにはしゃいでしまう用意晴れ思い
GreeeeN「少年が故の情熱」
▢の前のようになかなか眠りつけない 嬉し懐かしいこの胸を揺り起こす風
安全地帯「雨のち晴れ」
▢は遠足でした

二月になったばかりの頃は
「1」 から「28」まで
並んだ数字の中から、
えーと…と探していたが、
いまはもう迷うことはない。
カレンダーを振り向くと、
すぐに「14」の数字が
目に飛び込んでくる。
重松清「どきどき」

どんなことがあっても
家に帰るまでは引出物は見まいと
心に誓ったのだが、
芝のプリンスホテルから
六本木まで我慢をしたら、
ご不浄をこらえている時のように
鳥肌が立ってきた。
向田邦子「父の詫び状」

カラスにとってのゴミくらい好き 朝井リョウ

特に三月十九日、
彼を載せた船が
シアトルを出てから、
伸子は圧搾されて来た
待ち遠しさで、
潰れそうに感じだした。
宮本百合子「伸子」

ジリジリ迫ってくる気持ちが表現されている 朝井リョウ

▪携帯をなくした時

すん 美村里江

誰とも連絡が取れないと分かった時
真っ先に浮かんだ君の顔
「あぁ…オレ好きなんだな」って想い
が確信に変わった。 松下洸平

携帯を使ってた!ではなく
携帯「に」使われてた。 桐山照史

たった今私は❝携帯をなくした人❞でしかなくなった。
毎朝有酸素運動をしていようが
シャンプーの底まで掃除していようが
すべての歴史は焼け落ち、私は今
❝携帯をなくした人❞の顔面を生きている。 朝井リョウ

アン ドロン イド 小沢一敬

▪まだ、バイバイしたくない気持ち

バイバイしたくないから倍、倍メガジョッキ 桐山照史


自動販売機 缶コーヒー
温かいの買うの間違え冷たい
でも、二人暖か
君は自転車 私は電車で帰宅
で とりあえず来た電車は見送った
次の電車に 乗らなきゃたぶんヤバい
泣きそうな私を許して
君はどんな気持ちでいるの
作詞 つんく 「君は自転車 私は電車で帰宅」

1ミリの感情の動きが世界と連動している 朝井リョウ

できるだけホームに着くのが
遅くなるように、
ちいさな歩幅でゆっくりと歩くのだ。
豊樹は自分たちだけが、
すごい速度で動いている世界から
取り残されたように感じた。
(中略)
発車時刻まであと十五分。
豊樹の胸の砂時計は、
雪崩の勢いで時を刻み始めた。
石田衣良「1ポンドの悲しみ」

さようならすぎるのは、きらいです。
だから駅までは送りません。
なにげなく、それぞれの暮らしに帰るだけ。
そう決めるのに改札まで行ってしまう。
手を振って、きみが見えなくなった瞬間、
ぼくのすべてが静まり返る。
次に会えるのは、いつでしょう。
凪良ゆう

改札口が決壊
暮らしは時の流れを感じる事が出来る言葉だと思った 朝井リョウ

シーズン3でまた会いましょう 小沢一敬

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