2022年7月18日月曜日

兼題「虹」

昔人の見た海景や夏の夕
茄子の花熱き思いと魯山人
夏の雨光の粒の零れ落つ
熱き日やあなたに適う審美眼
滴りや耳を澄ませて石の声

□NHK俳句 兼題「虹」
選者 星野高士 ゲスト 上西星来 司会 武井壮

冒頭の俳句
虹消えてすでに無けれどある如く   森田愛子

■会いたい俳人 森田愛子
虹のような青春を生きた俳人 森田愛子の生涯
(高浜虚子と虹の句でやり取りをした人)

化粧して病みこもりをり春の雪   森田愛子
啄木鳥や山門までの杉襖(すぎぶすま)   森田愛子

伊藤柏翠俳句記念館に森田愛子の遺品が納められています。
高浜虚子は三国町を三度も訪れています。
森田愛子は「私の阿弥陀様は虚子先生です」と言っていたそうです。

虹立ちて忽(たちま)ち君のある如し
虹消えて忽ち君の無き如し   高浜虚子

虹消えてすでに無けれどある如く   森田愛子

この句を送った3日後 昭和22年(1947年)4月1日 永眠(享年29)
鎌倉県鎌倉市寿福寺に虚子の墓があります。
その傍らに森田愛子の墓も…。
今も愛子は虚子を見つめています。

■入選九句 兼題「虹」
朝虹の立ちて満員電車かな   山内彩月
人は人に癒されてをり虹二重   西田尚子
イグアスの水音ゆたか二重虹   橘雅子
束の間の夕虹立ちぬ無人駅   平川米夫
少年の勇気のやうに虹立てり   上田和代
💮朝虹や泣かぬと決めたはずなのに   松田翔
(心象と写生を上手く組み合わせた俳句)
夕虹や離島に若き医師来る   矢作輝
虹二重恋とも違ふ二人なる   青野早苗
夕虹や水の匂ひのアスファルト   田中孝子

ああそうかそうだとしたら虹なのか   上西星来

0 件のコメント:

コメントを投稿