2022年5月3日火曜日

題「スマホ」

風光る計り作らずあるがまま
見る人に余白与えん春の雨
行く春やフォルムの中の様式美
緑立つ無から有を生まれけり
隙間から見る芸術や鳥曇(とりぐもり)

NHK短歌 題「スマホ」
選者 栗木京子 出演 本髙克樹 矢花黎 司会 小沢一敬

冒頭の短歌
スマートフォンあやつる人ら満載し電車は夜の馬喰町(ばくろちやう)過ぐ
栗木京子

ライバルと肩書き追加した友も明日は昨日と同じ親友
本高克樹 添削(言葉数が多すぎる。)
ライバルという肩書きは増えたけど友は明日もずっと親友

題「スマホ」今日のポイント
定型(5.7.5.7.7)は日本人と相性のよい5音、7音で詠まれている。
リズム、調べを意識して読んで欲しい。

■短歌のリズム(調べ)
① 短歌をブツブツ切らない。切れ・切るとは名詞、述語で終わること
② 主語、述語(主語を受けて文末に来る 動きや状態を表す)
名詞で終わること=体言止め

悪い例
はぐれたか 切れ①述語
だったらおいらが
見せてやる 切れ②述語
肩車点火 切れ③体言止め
打ち上げ笑顔 体言止め
井戸田潤

切れが多過ぎる。
切れは2個までにする。
リズムが良ければ字余りも許容

良い例
雨音をスマートフォンで録ってみて【熱唱】という見出しをつける
土岐友浩

■エピソードを短歌に
「スマホ」を使わず詠んで欲しい
テーマ詠 テーマに沿っていればOK 題を詠み込む必要はない

写真より小さな画面の中だけどいつでも見れる娘の笑顔
矢花黎 添削
写真より小さな画面に並んでるでも取り出せる娘の笑顔

花嫁の笑顔咲かせたカメラマンパシャリと鳴らす親指は母
本髙克樹 添削(「カメラマン」「親指は母」2か所、体言止めで切れている)
花嫁の笑顔咲かせたカメラマン母の親指パシャリと動く

母さんが見つけて撮った幸せな笑顔ばかりの小さなアルバム
小沢一敬
母さんが見つけて撮ったチャペルでの笑顔ばかりの小さなアルバム

■入選6種
PSA検査結果を待つ間今日はスマホのゴシップも見る
鹿児島県鹿児島市 小森寿生(ひょっとして薩摩狂句の達人では…❓)
手のひらに小窓は開き爆撃に怯える異国の子どもを映す
宮崎県宮崎市 馬乗園寛子
このたびが最後の帰郷と山あいの学びし母校スマホに収む
大阪府東大阪市 池中健一
パソコンやスマホと距離を置いてから月の明るさルクスでわかる
東京都世田谷区 檀上りく
小津映画をスマホに見いる二時間は入院せねば得られなかった
東京都東村山市 瀬賀一香
友達のスマホの中に入ってる三年前の変顔写真
大谷高等学校 川村莉央

■本髙克樹のエピソードをもとに短歌を作る
題詠 必ず題を詠み込む

バキバキに割れた画面のスマホから父さんに打つ「ごめん」のメール
小沢一敬

ひび割れたスマホ見つけた通学路隣の父に何を言おうか
本髙克樹 添削
ひび割れたスマホ見つけた通学路隣の父も僕も無言で

ひび割れて黒く静かなスマートフォン画面の奥には悲しげな僕
矢花黎 添削
ひび割れて黒く静かなスマートフォン画面の奥に僕を沈めて

■短歌対決
ポイントは歌のリズム、切れ過ぎないよう…。

これからも傍に一緒に居て欲しい願えどスマホは見つからなくて
矢花黎 添削
これからも一緒に居てと願うけどスマホは意地悪見つからなくて

お互いにスマホ向け合う両親に自撮り教えた家族記念日
本髙克樹 添削
お互いにスマホ向け合う両親に自撮り教えた連休初日

朝七時洗面所で会う自分より先に目が合うスマホの画面
小沢一敬

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