2022年5月17日火曜日

題「片思い」

夏点前緩みと遊びそこかしこ
縁蓋(えんぶた)に思いを込めて夏の筆
紗の羽織ぼかした線の生き生きと
秘儀持ちて肌の質感単足袋
麻暖簾奥行きに風緑かな

NHK短歌 題「片思い」
選者 江戸雪 ゲスト 沙羅 
司会 星野真里 レギュラー出演 カン・ハンナ

冒頭の短歌
片恋がカタコト音をたてながらこの胸にあり春を見送る
江戸雪

恋のフレーズ短歌
片思いのイメージを七音に

いつからか(江戸雪)
私ではない(星野真里)
五月なり(江戸雪)
執着心は(沙羅)
ひまわりのよう(カン・ハンナ)

■入選九首 テーマ「片思い」
好きだって言えないままで消えていく炎を分けてもらった花火
和歌山県和歌山市 千代田環
最近はほとんど声も聞いてない息子に2つ増やす唐揚げ
奈良県奈良市 竹上言ふと
大空に林檎がひとつありました君の後ろを駆けていきます
大阪府大阪市 川田裕加里
切れ味の落ちたハサミで指先をはさむみたいな恋をしている
大阪府堺市 シノノメユフ
「じゃあわたしこちらにいきます」その「じゃあ」が空に染めゆく駅の夕暮れ
神奈川県横浜市 古関聡
夢だから告白できる汀にてあり得るほどの桜貝散る
神奈川県横浜市 小俵鱚太
「彼女が」と君の口から飛び出した言葉がパフェを台無しにする
東京都大田区 今井遼
なんどでも逆さまにする砂時計君との現在が終わらぬように
埼玉県鴻巣市 新井聡子
次の世は君が片恋する番で私は花のように微笑む
茨木県筑西市 宮川礼子

■選者のお話 
江戸雪先生のテーマ「恋をしたなら」

さわらせてほしい背中の骨格のどこかに春のスイッチがある
北山あさひ

■恋バナ短歌
沙羅さんの片思いを短歌にしました!

花咲かぬ永い冬さえ乗り越えて訪れたのは散り急ぐ春
カン・ハンナ 添削
花咲かぬ永い孤独を乗り越えて訪れたのは散り急ぐ春

両思いのち片思い可愛いと言ったあなたが背負う太陽
星野真里 添削(余白を入れる)
両思いのち片思い可愛いと言ったあなたが背負う太陽

だれに似てまた似なくても君は君だけの春風ひかせていた日
江戸雪

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