2022年5月25日水曜日

方丈記と徒然草 7&8回

夏に出会ったレナペの文化ひかた
生命体を守り伝えんレナペ族(無季句)
諍(いさか)いは「ワニシ」がなくす雲の峰
走馬灯子孫が伝播レナペ族
髪洗ふ言葉通じぬ人のをり

「方丈記」と「徒然草」より
担当講師 放送大学教授 島内裕子

一人、燈火(ともしび)の下に、文を広げて、
見ぬ世の人を友にするぞ、
こよなう慰む業(わざ)なる。
「徒然草」第十三段

双(ならび)の岡に無常所、設けて
傍らに桜を植ゑさすとて
契り置く
花とならびの
岡の上にあはれ幾世の
春を過ぐさむ
「兼好法師集」

月添ひて
悲しきこぼる
萩すすき
服部土芳(松尾芭蕉の弟子)の句碑

ありとだに
人に知られぬ身の程や
三十日に近きあけぼのの月
伝兼好歌

ありあけも
三十日に近し
餅の音
松尾芭蕉

いかにして
慰むものぞ
憂き世をも
背かで過ぐず
人に問はばや
兼好法師集 出家間近

住めばまた
憂き世なりけり
よそながら
思ひしままの
山里もがな
兼好法師集 初句は「ここもまた」とも

世の中を
渡り比べて
今ぞ知る
阿波の鳴戸は
波風もなし
伝兼好歌

新鮮でなければ古典でなくて
そのことだけが
その生命を保証している。
吉田健一

心、更に、答ふる事、無し。
方丈記

一人の主にも逢わなかった。
森鴎外「妄想」

遍歴(へめぐ)りて
いづくにか行く
わが魂(たま)ぞ
はやも三十(みそぢ)に
近しといふを
中島敦「通歴」

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