常識に纏わりつかれ秋暑かな
天高し文句言ったり言われたり
納戸には思い残せし秋の蚊帳
玄米に鳩麦ほの香秋の朝
秋暑し窓の雨風打ち砕け
夏井いつき俳句チャンネル
【季語】「八月」という季語を分析してみましょう
八月は文月とも呼ばれることがあります。
八月は陽暦、文月は陰暦になります。
八月がなぜ難しいかと言うと
八月の初旬の辺りで立秋が来ます。
子規さんも「八月」という季語で
俳句は作っています。
八月の太白(たいはく)低し海の上 正岡子規
太白とは金星のことだと読むのが妥当です。
中国では金星のことを宵の明星・明けの明星と言います。
また、太白星とも呼びました。
初秋に入って行った夏の暑さの名残もあるのだけれど
その感じを映像として切り取っている。
「八月」という季語が複雑になってきたのは
明治から昭和に入ってからなのです。
お盆の魂の行き来みたいなイメージはあったのですが
昭和の第二次世界大戦が昭和20年、
原爆のこともあって、お盆のイメージと合わさり
更に生き死にだったり魂だったり…。
こういった印象が季語として強くなってきました。
歴史的な変化と言うか、背景を背負っている訳です。
八月と言うと広島、長崎の原爆、8月15日の終戦が
これらが繋がって八月と言う季語に乗っかってきた。
1年の中で一番人の生きること死ぬことを考える
テーマを持った季語となりました。
八月を送る水葬のやうに 川崎展宏(てんこう)
八月は日干しの兵のよくならぶ 筑紫磐井(つくしばんせい)
八月と言う季語が新しい意味を持ち始めている。
ひと月ずつ捉えながらその月はどういう月なのか
これを丁寧に分析していってみると興味深い。
ひと月ずつ検証してみてはいかがでしょうか?
と言う事でした。
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