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【7月の正岡子規】
一句の中に同じ単語や漢字を二回使っている子規の句を紹介します
田から田へうれしさうなる水の音 正岡子規
「田水引く」と言う季語があります。
正岡子規自身は「田水引く」で分類していませんでした。
子規の分類では「青田の句」として分類しています。
田に水を引いて田が青く育ってきた様子だと言う事なのです。
この仕掛けは同じ「田」なのですが
1つの田から別の田へ「~から~へ」を使って映像化されています。
「うれしさうなる」という感情語なのですが
水の描写になっています。
子規らしい上手さとなっています。
子規が陸奥(みちのく)東北に吟行旅行に行った時の句です。
宇都宮を汽車で出発して目にした即景だそうです。
明確な季語らしい季語は入っていませんが
この句の奥には田水だったり青田だったり
そう言う季語の力が息衝いています。
この後子規は白河駅に降りて行くのですが
たちまち雨たちまち晴れ
半ば照り半ば降ると言う天気だったそうです。
「定まらぬ天気は旅人をもてなすに似たり」
と子規は喜んで書いています。
茗荷よりかしこさうなり茗荷の子 正岡子規
季重なりの句です。主役は茗荷の子。
「かしこさうなり」と言うのが
主観でありつつ観察でもあります。
瓜くれて瓜盗まれし話かな 正岡子規
夏の季語としての瓜は真桑瓜とか白瓜のことです。
いただいた瓜と別の時間と空間で盗まれた瓜を詠っています。
花守と同じ男よ氷室守 正岡子規
花守も氷室守も季語。
氷室とは天然の氷を保存しておくための室。
かつては地中の穴に氷を並べて
茅などをかぶせて保存しました。
家のなき人二万人夏の月 正岡子規
厚生労働省が平成19年に実施した
ホームレス実態調査によると
平成19年時点で18000人あまり。
因みにこの句は1900年明治33年。
平成30年(2018年)の調査では
行政の支援もあり5000人弱と減少しています。
令和2年のデータでは3992人となっています。
統計的なデータも俳句の種になります。
私は以前から経済を俳句にしていました。
俳句には決まりごとは似合わないように感じています。
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