糠床の茄子の輝き沈めたり
残り蝉あぢぃあぢぃと叫ぶ朝
秋の雨洗濯物を濡らしをり
暗き朝立秋過ぎて梅雨のごと
窓を開け雨音を聞く夜長かな
NHK短歌 題「表情」
選者 大森静佳さん ゲスト ハリー杉山さん
冒頭の短歌
見たこともないのに思い出せそうなきみの泣き顔躑躅の道に
大森静佳
ハリー杉山さんは1985年生まれ
イギリスで育ち4か国語に堪能。
万葉集がお好きだということで好きな和歌の紹介がありました。
君が行(ゆ)き日(け)は長くなりぬ山たづね迎へか行かむ待ちにか待たむ
磐之媛命(いわのひめのみこと)
ハリー杉山さんのお気に入りの和歌に刺激され詠んでくださいました。
魂にバネがあるから青空の甘さがわかる届かなくても
大森静佳
今回のお気に入り
こすずめはこすずめのような顔をして白詰草のなかにおりたり
宮城県仙台市 小室寿子
生き延びるための笑顔だ右目には月を左目には隕石を
新潟県十日町市 砂埼柊
全身が輝くように笑うから背中コシでも笑顔がわかる
京都府京都市 高塚美衣
「今読みたい短歌」で紹介された短歌
バースデー・ソングは歌い出す前の表情さえもバースデー・ソング
谷川由里子
「大森先生のポイントで改作!」
テーマは「一度きりの表情を描こう」
元歌
顔に出る怒りの相を押し込めてチーズケーキにフォーク突き刺す
「相」を変えてみる
選者は「眉間」に変えてみました。
改作
ふつふつと怒りを眉間に溜め込んでチーズケーキにフォークを突き刺す
(感情のありかを特定し、物理的な実感を表現する。)
(感情のエネルギーを外から見てみよう。)
怒りに少し泡立つ顔をさらしつつチーズケーキをぐしゃぐしゃにした
(感情を物の様子で表す。心の「痛さ」を物に託す方法も…。)
(もう一人の自分の視点で見る。)
今日のメッセージは表情を描くには実感・体幹を掘り下げようでした。
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